さよならGoodbye#24
第24章 絶望・・・
その日は、朝から彼は、いやな予感で落ち着かなかった。
「何かそわそわしてるんじゃない?」吉森課長だった。
「いえ、そん風に見えますか?」
「見える見える!いつもの田島君じゃないよ!」
「いつも通りのつもりなんですけどね・・・」
彼は、そう言うと壁にかかった時計を見上げた。
9時5分前・・・由美さんはまだ出社していなかった。
「由美さん、今日は遅いわね?いつもならとっくに出社している時間なのに・・・」と吉森課長がつぶやく・・・
9時の始業時間になっても由美さんは出社してこなかった。
「どうしたのかしら?田島君、由美さんの家に電話してみてくれる?」
「はい、わかりました。」
彼は、何度も由美さんの携帯電話や由美さんの実家に電話をしたが、どちらも
つながらなかった。
その時、吉森課長の席の電話が鳴った・・・
「はい、トリップワン 吉森です・・・」
「はい・・・はい・・・そうです・・・うちの社員です・・・」
吉森課長の顔がみるみる青ざめていくのが分かった。
「はい、わかりました・・・」そう言って電話を切る吉森課長・・・
しばらく、天を仰いでいた吉森課長だったが、小さな声でこうつぶやく
「田島君、由美さんが亡くなった・・・」