とにかく寡黙に淡淡と
お茶・おやつとかメザシとか食べる時に、時々話をするぐらいかな。
みんな石切場に来るときは仕事しに来るわけだからね。そんなに話しないんですよ。
桜井さんは、真面目なんだけどトボけたことを言うんですよ。 ユーモアがあるんです。
仕事ぶり「勉強」になりました
→ 技術的なこと(ドリルで穴を開ける作業、せり矢を入れるとか)
→芸術面(授業では毎日モデルを見ての作業でしょ。
石彫を作る時の表面処理、例えば磨く、叩く、歯トンボ、ビシャン、割れ肌、、、色々あり、その組み合わせや形との相性、石という素材が強い為、単純化する事の大きな意味、など考えてる中で写実とは別の具象彫刻の中で自由な想像と具現化出来る世界を体現し芸術の入り口を見たような気がしました。)
造形の学生はみんな桜井さんからの影響を多く受けています。鈴木 武右衛門
(本名徹)とか。具象で、御影石、流行るって言ったらおかしいけどね。
石切場(造形大学彫刻作業場の総称)ではね、みんなでやる作業が多いんですよ。三叉をつかったりいろいろとね。共同作業がいろいろ勉強になった。
桜井先生に教わりながら、鉄のみを使うんですよ。鉄のみを自分で叩くってこと、わかりますか?鍛冶屋さんもするわけ!「はい、知りました。父は昔鍛冶屋さんが家の近くにあって、学校帰りによく覗いてから戻って来ていたと。鍛冶屋さんに憧れを持っていたと聞きました。だから、彫刻で鉄のみを使うことが嬉しかったと聞いています。」(由子)
展覧会の前には、投光器で照らして晩飯をみんなで食べて。
桜井さんも夜なべを一緒にしてくれましたね。
感情の高ぶることを全くしない人でね、成熟した人
聞いたことは必ず受け答えしてくれる真摯な人
一度桜井さんに作品のことを聞きました。こんなに石の作品作ってどうするんですかって。さらって「寄付していんだよ。」って言われたんだよね。そのとき驚いたんだよね。桜井さん既に終活してるって思った。
— それから僕、考え方変わったんです。
何かきっかけがあった時に、作品を人に手渡す。望まれた時に、その人のもとにいくって。縁を大切にするってことだよね。
石 : リアルを作らない。桜井さんのデフォルメの仕方。
造形・具象・粘土・芸大の先生のモデルの仕事が毎日で、 佐藤忠良流の粘土の授業。美術史とか理論なし。技術的なことが主の授業。芸術論がないんです。その時の僕の脳みそは筋肉でできていたのです。
桜井さんの作品は嫌味がない。それを感じていた。
デフォルメもわざとらしさや、あざとい感じがしない。
温かみがある。ちょうどいい。
磨きすぎているわけでもなく、嫌味がないところが好き。
いやらしさもなく、目立たない、しっくりするものを作る。
20200213 杉山 功
↑写真:造形大学石切場 - 東京造形大学正門 (現:桜井の生家前の青空美術館) ↓写真:造形大学石切場(現:男女山トンネル手前の橋の欄干)