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学歴は後からでも変えられる話

私が学生の頃は、「古文や微分積分なんて社会に出ても使わないでしょ?!不必要なものは勉強なんてしたくない!」と考えていて、実際に興味のある教科しか勉強しないダメ学生でした。
学歴なんて就職する時だけのものと考えていたのですが、社会人になって愕然としました。学歴は事あるごとに質問されるトピックであり、一生ついて回るものなのか?!さらには海外に出ると周囲の人たちの学歴の高さに遭遇。

今でこそ英国MBAを取得しましたが、それ以前の私の最終学歴は短大英文科卒、しかも、偏差値は至って普通。職場の先輩から、卒業校を馬鹿にされることも実際にありました。

海外の学歴事情に直面

私がベンチャー企業で勤めていた頃に大抜擢の昇進を受けた際、アメリカ人の友人からは、「なぜ短大卒の学歴でそのような昇進ができたのか?」と聞かれたものでした。正直ムカっときましたがアメリカでは昇進には学歴が重視されるらしいということをそこで知りました。それでも日本で仕事している際には私の最終学歴について、自慢できるものではありませんが不利になる程ではありませんでした。

それが一変したのが海外に出たときの事。現地で転職をしたく職探しをしていたのですが、募集要項を見ると、ことごとく私の希望する職種についてはMBAが必須項目と記載されていたのです。また、現地で仲良くしている友人たちは、駐在で来ているケースが多く、そういった友人たちの殆どは何らかの修士の学位を持っていました。

また、外国人が集まるコミュニティーでの会話では、どこの大学を出たのかという問いではなく、大学では何を専攻していたのか?と尋ねられることは多かったように思います。特に人が集まった際、最初の自己紹介等の会話で出てくるものでした。日本では一般的な英文科卒というのが海外では全く以て役に立たない、むしろなぜ大学でわざわざ英語、しかも英文学を専攻するのかと不思議がられることもありました。

レジリエンスを動機に

今思えばとても不純な動機ですが、転職したい一心でMBAの取得を決心したのでした。フルタイムで仕事しながら勉強しようと思い、社会人向けの大学院も調べてみたのですが、時間的にもコスト的にもなかなか合うところが見つからず、オンラインの大学院を探すことにしました。

私が考えた条件は、1.GMATと呼ばれる非ネイティブ向けの英語テストがないこと、(既にビジネスレベルに使用しているので面倒くさいと考えた)2.短大卒の私でも入学を許可してくれる所、(通常は大学卒業、修士がないと入学出来ない)のこの2点です。

早速、目星をつけた大学院にコンタクトをしていくことにしました。返事が無い大学院もある中、即電話をかけてきてくれた学校がありました。

問い合わせに対する御礼、なぜMBAに通おうと考えているのか、仕事でどのような業界に居て、管理職としてどんな経験があるのか、などを聞かれました。
この電話から数日後にEメールを受け取り、これが実は電話面接であったことが知らされました。何とも抜き打ちな電話面接です。笑

短大卒ではあるけれど、その時に海外に在住して英語で生活や仕事をしていたこと、管理職に就いていたこと、動機がきちんと筋の通ったっている内容であったことから入学するにふさわしいと判断した。という内容が書かれていました。このように素早い対応をしてくれた大学にご縁を感じこちらに入学することを決めました。

苦労は付き物

英語で勉強するのが初めてだった私は、最初はとにかく苦労しました。生活や仕事に支障はなくても、アカデミックな場で使われる英語の単語や表現は日常では使われない、非常に難易度の高いものでした。論文を沢山読まなければならなかった為、辞書を引くのが追いつかず、これはテクノロジーに頼ろうと思い、iPadを購入し勉強に役立てていました。(論文をダウンロードして、分からない単語を長押しすると辞書が立ち上がる)

宿題のレポートを出すために徹夜したことも数回ありました。最後の科目で赤点を取ってしまい、再試験を受けることになり、普通よりも少し長い4年がかりで卒業をしました。特に最後の論文は、非常に忙しい仕事状況では期間内に提出することが出来ないと思い、タイミング良く社外取締役のオファーを受けたこともあり、フルタイムの仕事は退職し、卒業論文に集中することにしました。

今振り返ってみても、この時以上に勉強する事はこの先の人生でもないだろうなと思う位受験生の時以上に勉強したのを覚えています。

努力の後に得られた物

結果として、恥ずかしながら成績としてはとりあえずギリギリで、卒業が認められることになりました。しかしながら、卒業は卒業。これによって、私の今までの最終学歴、”短大卒”が”大学院卒”に塗り替えることができたのです。

もちろん、時間も、学費も、莫大なエネルギーも掛かる物ですが、やろうと思えば後からでも学歴と言うのは更新することができたのです。しかも、世の中の注目標準は、有難いことに最初に入学した学校ではなく、最後に卒業した学校、つまり、「最終学歴」となるために、更新したければ後からいくらでも付け足すことができるのです。

さすがにそこまで時間もエネルギーも使いたくないという場合には、大学で行われている短い期間の特別コースなどを受講するのも良いと思います。学位や卒業資格ではなく、修了証(Certificate)となりますが、そこに学校の名前は明らかにありますので、自身の学歴に追加することが出来るようになるのです。

このようにして、私は四苦八苦しながらもどうにか自分の学歴を塗り替えました。授業で学んだこともたくさんありますし、世界中にクラスメイトができたことも楽しい思い出になっています。
今では海外の大学に限らず、オンライン大学は増えているのではないでしょうか。自分の学歴が何だかなぁと思っている方、更新は可能です!

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