見出し画像

中学レベルの英語をビジネスレベルに上達させる方法

今となっては私はバイリンガルと自信を持って言えますが、実際のところ、英語を習得したのは、大人になってからの地道な独学の積み重ねでした。留学経験があると勘違いされることがありますが、英国MBAを習得したのは2019年で、海外在住したのは2010年~2017年で、2010年当時は片言の英語力でした。

私の母方の祖母は2014年に94歳で他界していますが、その当時の人としては珍しく、流暢な英語を話す人でした。戦後、米軍基地で高官の秘書として仕事をしていたこともあるそうで、海外の友人も多く、私が幼少の頃、家に遊びに行った際には外国から届いたお菓子を貰えるのが嬉しかったことが思い出されます。

祖母に、どうしたらそんな風に英語を話せるようになるのか、と尋ねたところ、「一生懸命勉強したのよ。」とその一言だけがいつも返って来るのでした。祖母は留学経験はありません。そんな祖母からの遺伝で言語が身に付いたらどんなに良いものか、などと何度思ったことでしょう。

そして表題の件ですが、中学レベルの英語をビジネスレベルに上達させる方法は、レベルに合った段階的な勉強を続けるしかない。というのが私の結論です。

覚え方には段階がある

私が考える段階は、基礎、単語と表現、言葉にする、聞いて理解する、会話する、ビジネスシーンの表現を覚えて会話する、交渉する、というものです。これは、私自身が辿った段階ですので、人によっては中腹が入れ替わることもあると思います。

基礎

中学校で習う、英語の規則や法則などを指します。アルファベットを組み合わせたときの読み方や、発音のしかた、日本語とは異なる文法の並びなどを認識します。

単語と表現

これはひたすら覚える他ないのですが、おすすめの単語記憶は付箋に書き出して、いつも目に付くところに貼っておき、覚えたら捨てる、もしくはひたすら手書きするか口に出すことです。英会話なので書かなくても良し!と思いたいところですが、読み書きも含めて言語使用なので、スペルチェッカーがある便利な世の中ですが、自分の頭に正しいスペルを記憶することを強くお勧めします。表現は書くか声に出すか、もしくは両方で覚えていきます。

言葉にする

自分が思った事を英語で発してみます。ひたすら独り言ですが、言える事と言えない事の認識がはっきり出来るようになります。まずは自分が楽しめるシーンを全部英語で言えるように設定するのも良いですね。例えば、朝起きてから朝ご飯を食べるまでを全部英語で言ってみる。
・良く寝た~
・今日は良い天気だな
・歯磨きしなきゃ
・私はベッドから出ます
など、短い簡単な文で、自分の行動や思った事を言葉にしてみるのです。
言えなかった事は、どう言えば良いのかを調べて、正しく言葉にしていきます。独り言で練習する事で、発音の機会にもなりますし、言えるようになった事は繰り返すことによって自分のものになります。

聞いて理解する

日本語と英語の音域の違いによって、私たち日本人にとって、英語の聞き取りがとても難しいそうです。これはもう慣れてしまうしかありません。慣らす為にはひたすら聞く事。無意識でも耳に入ってくるように、空いた時間、四六時中、何らかの英語チャンネルや音楽など、見ていなくても、聞いていなくても流しっぱなしにするのが良いです。おすすめは字幕のある海外ドラマの同じ回を繰り返し観る事。最初は字幕を読んでストーリーを理解して、次は何と言っているのか聞きながら字幕と照らし合わせて、次は字幕なしで観てみる。といった具合です。はじめのうちは意味が解らなくても、だんだん単語として聞こえてくるように耳が慣れて来るのが感じられると思います。

会話する

自分の言いたいことを言葉にすることが出来るようになり、聞いている事が何となく理解できるようになったら、会話の実践をお奨めします。オンラインのランゲージエクスチェンジに参加するもよし、クラブハウスで自分で部屋を作ってしまうのも良し、初心者でも居心地良く試せる場を探してみましょう。伝わる楽しさ、コミュニケーションが取れる嬉しさを是非感じてください。ここまで来れば中級です。

ビジネスシーンの表現を覚えて会話する

会話する楽しさを感じる事が出来るようになったら、ビジネスを想定した会話表現を覚えるようにしましょう。既に海外とのやり取りがある仕事をしている場合は、自分以外の英語話者が使っている表現を覚えたり、ビジネス会話集などを参考にしても良いでしょう。

交渉する

ここまで来ると上級編です。ビジネスレベルで英語を話す事が出来ても、交渉はあくまで別スキルで、自分が求めるものを明確に伝え、相手の要求を理解して、物事を交渉する必要があります。特に交渉のシーンでは、双方の文化背景の違いが露見する事がありますが、国際ビジネスでは日本の商習慣というのは世界で最も難解で理解不能と思うビジネスマンも多いという事を念頭に置いておくと良いです。

一般的に日本では、営業マンが交渉して、自身が決められない事はいったん社に持ち帰り、上司の承認を得るプロセスがありますが、国際ビジネスの場では、権限がある人がその場に居ることが通常です。社に持ち帰って後日連絡をします。と言った際、この契約が消えて無くなるリスクがあることも理解しておくと良いでしょう。
また、交渉の場では、日本感覚では、これは図々しくて言い過ぎかな。と思うくらいでも丁度良いことが多く、相手がガンガン交渉内容を詰めて来た場合でも、同様に返して全く問題ありません。

人としてその交渉相手が好きかどうか、信用できるかどうか、というのが入口の大前提なので、社名や経歴などのバックグラウンドを前面に出しても、人として嫌われてしまうと交渉が進まなくなるというのも海外取引の特徴のように思います。

まとめ

以上が私が独学で英語を覚えたプロセスです。
この後にイギリスの大学院でMBAを取得しましたが、アカデミックな英語というのは別分野であると感じました。そして、会話としては、ディベートのスキルが求められるのも少し異なります。(ビジネスの場でもディベートはありますが、どちらかというとブレーンストーミングの方が一般的なように思います。)
海外に住んでいるのならばまだしも、日本に居ながら外国語を覚えるというのは、かなりのコミットが必要だと思います。週1回レッスンを受けるのではなく、毎日触れる環境を自ら作ることが大事です。

ローマは一日にして成らず。道のりは長いですが、一旦身に付ける事が出来れば、一生ものとなります。頑張ってください。

いいなと思ったら応援しよう!