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ポンディシェリ観光 l インド人居住区と旧フランス人居住区の差がすごい街
以前訪れたマハバリープラムからさらに南に1時間半車で走ると、ポンディシェリという街がある。
長い間フランス領だったため、イギリスが大部分を統治していたインドにおいて、やや趣が異なる。
ややこしいのだが、このポンディシェリは、ポンディシェリ連邦直轄領のうちの一つ。ポンディシェリ連邦直轄領は4つの分散した土地からなる。
ポンディシェリ連邦直轄領(ポンディシェリれんぽうちょっかつりょう)は、インドの連邦直轄領のうちの一つ。首府はポンディシェリ。もとフランスの植民地であった地域が集まったものであり、連邦直轄領の土地は、タミル・ナードゥ州に隣接する東海岸のポンディシェリおよびカーライッカール、ケーララ州に隣接するマーヒ、アーンドラ・プラデーシュ州に隣接するヤーナムと、南インド各地に分散している。日本ではフランス語経由の「ポンディシェリ」のほか、英語経由の「ポンディチェリ」で知られている。
現在はポンディシェリではなく新名のプドゥチェリと呼ぶべきなのだろうが、ポンディシェリの方が親しみがあるのでここでは旧名で記載させていただく。
インドの連邦直轄領という仕組みを知らなかったが、州ではなくインド政府が直接統治している地域で、デリー首都圏も連邦直轄領に含まれるそうだ。
2020年現在の連邦直轄領は以下のとおりである。
アンダマン・ニコバル諸島
チャンディーガル
ダードラー・ナガル・ハヴェーリーおよびダマン・ディーウ連邦直轄領
ラクシャディープ諸島
ポンディシェリ連邦直轄領
デリー首都圏
ジャンムー・カシミール連邦直轄領
ラダック連邦直轄領
連邦直轄領が自治権を得て州となることもあり、現行の28州のうち7州(ナガランド州、ヒマーチャル・プラデーシュ州、マニプル州、トリプラ州、アルナーチャル・プラデーシュ州、ミゾラム州、ゴア州)は元々連邦直轄領であった。
逆に州が自治権を失い連邦直轄領となった例もあり、ジャンムー・カシミール州はラダック連邦直轄領とジャンムー・カシミール連邦直轄領に分割された上で連邦政府直轄領に加わった。
ということで、フランス風インドを感じるべく、先週末に日帰りでポンディシェリへ向かった。
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チェンナイからポンディシェリに向かう途中には立派な塩田がある。
田んぼのように見えるところもあり、日本の田園風景を思い出す。
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ポンディシェリに入ると、およそフランスぽくはない普通のインドの喧騒だった。
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まずは歴史を知るために博物館へ。
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地球の歩き方には20分もあれば回れると載っていたが、展示されている説明をちゃんと読んでいるとそれなりに時間がかかる。
フランス風のインド家具が置いてあるところはふぅんという感じだったが、
ローマだった頃のギリシャとの交易の記録、古い壺の破片・陶器が出土した記録などは大変興味深かった。
また、チェンナイのフォートミュージアムにもあったような、昔の地形や設計図が説明付きで並んでいた。
フランス統治下に作られた要塞と堀の一部が今も残っているという情報もあり、実際見に行くと楽しそうだ。
たくさんの種類の石が展示してある部屋もあった。私にとっては謎だったが、インド人の夫婦が何か神妙に会話しながら長いこと見ていた。
思っていたより多くの情報があり、イラストや説明は安価な張り紙に書いてはあったが、内容のクオリティーは高かった。
(興味があるかどうかによると思うが)
館内は携帯・写真撮影禁止で、ここでは写メを撮ろうとすると、かなり厳しく注意された。
部屋に何人も係がいて、ずっと目を光らせている。観光客が携帯を取り出すとやたら注意していた。
おそらく情報のつまった冊子を買ってもらうためなんだろう。
写真に残さずに全部覚えて帰るのは不可能だったが、残念ながらその冊子も割高だったので買わなかった。
あまり期待していなかった分、なかなか興味深い歴史探訪であった。
博物館からビーチまでは歩ける距離であり、ゆっくりと景色を見ながら散歩した。
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海に近づくにつれ徐々に観光客が増えてきて、海辺では自撮りで盛り上がる観光客がたくさんいた。
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独立記念日のイベントに向けてなのか、女子学生たちがパレードの練習をしていた。
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暑くて喉も乾いたので、いい感じのカフェで一休みすることにした。
ビーチから少し路地を入ると、南側は旧フランス領の建物がそのままの状態でたくさん残っており、小洒落たレストランやカフェとして使われている。
このあたりは混み合っていて、午前中だったが人気のカフェはほぼ満席だった。
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映えポイントのようで、多くの人がこの扉の前で写真を撮っていた。
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大きなコロニアル様式の建物をレストランカフェに改装してあり、開口部が広く気持ちがよい。
ランチは13:30からということで、ケーキやコーヒーなどのみの提供だということだった。
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水分と糖分補給をし、カフェをあとにして、教会へ。
Immaculate Conception Cathedral という教会を訪れた。
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この教会は、静かであまり人がいなかったが、ひとり長い間熱心に祈る教徒がいたのが印象的だった。
教会に入るときに靴を脱ぐ習慣がある人もいるようで、入り口には脱いだ靴が置かれていた。
天井画は西洋に比べ色彩が鮮やかで、横に抜ける窓の枠は発色の良いブルー。インドらしさを感じる。
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次に The Sacred Heart Basilica という教会へ行った。
こちらはすごい人手だった。
ちょうどミサが行われており、インド式の教会ミサを見ることができた。讃美歌が独特で素敵だった。
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この界隈には教会が多く、他にも小さい教会がいくつかあった。
この街は、フランスを感じる地区と超インドの地区がくっきり分かれていて、
ここからフランスに入った、インドに入った、というのが肌でわかる。
コロニアル様式の住宅が立ち並ぶ地区は、キューバやシンガポールを思い出すようなパステルカラーのカラフルな街並み。
道にもあまりゴミはなく綺麗で、歩く人は観光客ばかりである。
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一方現在人々が暮らすいわゆるインドは、大勢の地元の人で賑わう喧騒の中、食べ物や日用品などの路面店や露天商が並ぶ。
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街全体が小さいので、散歩をしながら急に違う国に来たような雰囲気が感じられ、趣深い観光であった。
余裕があったらオーロヴィルの下見にも行きたかったのだが、思った以上にポンディシェリ市街をゆっくり観れたため、全く時間がなかった。
オーロヴィルの近くに美味しそうなイタリアンがあり、そこで遅い昼食をとりゆっくり帰宅することにした。
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イタリア人が経営しているという人気のイタリアン。
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すべて屋外だが屋根がありファンもついているので暑過ぎずちょうどよい。
座席は多いのだが、ちょうどインド人の昼食時間に入店してしまったため、料理にありつくまで時間がかかった。14時前後はかなり待つことを覚悟した方が良い。ピザは本格的で、魚料理も美味しく、料理は大満足であった。
そのあと向かいのカフェでフレッシュジュースを飲んだが、これはかなり自然のままの強烈な味であった。
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イタリアンのお向かい、わりと空いていてくつろげる。
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右はビーツ入りのミックスジュース。体に良さそうな味。。
今回行かなかったが、オーロヴィルは中でヨガや瞑想ができるため、インドにいる間にしばらく滞在したいと考えている。
その際にはまた滞在記をレポートしたい。
ところで、道中のマハバリーパナムではチェスオリンピックが開催中であった。
あまり日本では宣伝されていないようだったが、チェンナイでは至る所チェス模様に塗り変わり、結構な大騒ぎだった。
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インドは3チームあり、最終的に3位、4位、31位。
日本は107位だった。
チェスの大会は見たことがないので期間中に入りたかったが、チケットが売り切れてしまっていた。
警察による警備がかなり重厚で、車を少し停めておくのも注意され動かすよう誘導された。
インドはアジア圏ではかなり有力なチェス大国のようで、観客がどんどん入っていく姿を見た。特に女性の姿が多かった印象がある。
インドでは日本よりチェスは一般的なのかもしれない。
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