ラダック旅行⑤ l 3日目・前半。標高5,620mの峠を越えてヌブラ渓谷へ。ヤクやインド人と石投げ等。
ラダック旅行記、前回はこちら。
ラダック3日目。
朝は7時発だったので、朝食はボックスでもらうことにしていた。
チェックアウト時、味のないドーナツ、チョコマフィン、サンドイッチ、ミックスジュースが一つの箱に計5人分用意されていた。
我々は6人だが、朝食は5人分だった。
量は多くて食欲のないメンバーもいたし、時間ももったいないので、あえて追加で用意して欲しいとは言わなかった。
車2台で分けるためにもう一つ箱だけもらい、出発した。
こういう勘違いはよくあるんだと思うので、これからは必ず前日夜に確認しておこう。
出発
本日は北へ向かい、カルドゥン・ラ(カルドゥン峠)を越えて、ヌブラ渓谷へと向かう。
カルドゥン・ラは標高5,620m(諸説あり、最新の調査では5,359mという説が有力)あり、今回の旅では最高峰である。
少しレーから離れると見晴らしのよい丘につき、さっそく記念撮影スポットがあった。
途中で見晴らしのよい場所があり、チャイを売る屋台が出ていた。
次々と峠越えの車やツーリングのバイクが停まり、チャイを飲んでいた。
しばらく走ると軍警察の検問があった。
レーで取っておいた通行許可証とパスポートを見せる。
ここを抜けたあたりから、だんだん道が険しくなっていき、上の崖から瓦礫が崩れてきているところ、舗装されていない砂利道などを頻繁に通るようになった。
崖は整備してもさらにその上から岩が崩れてくるので、きりがないなと思う。この標高で安全な道路を整備するには相当な年月がかかるのだろう。
カルドゥン・ラ Khardungla top
標高5,620mの峠である(諸説あり、最新の調査では5,359mという説が有力)
雪はあまり残っていないが、それでも寒かった。インド人はダウンを着ているものの足元は裸足にサンダルという謎の出立ちであった。靴下という概念がないのかもしれない。
6人元気でここにいられたのでタイミングとしてはすごく良かった。
たぶん1、2日目だったら誰かは車の中でダウンしていたと思う。
この旅の最高峰トイレは期待していたより普通にトイレで、わりと清潔だった。
なお、軍人さんと写真を撮ってもらえるかメンバーのひとりが頼んだのだが、そういうことはできないと断られた。偶然写ってしまう分には仕方ないが、観光客とのツーショットなどは受けてはいけない決まりらしい。
ヤクの群れ
峠から降り徐々に標高が下がっていくと、途中に黒いつぶつぶが動いているのが見える。牛かと思ったらヤクの群れだということだ。
ヤクを見たのは初めてだった。
放牧されているのか、緑があるところ数箇所で群れを見かけた。
群れのいる川の近くにカフェがあったので、停まってチャイトイレ休憩をした。
道路工事の様子
標高4000mとか5000mとかの道路工事にかかる労力は凄まじいだろう。そのわりに途中日本みたいにきれいな道路があり、感動する。
この長距離の道路を作るのにどれだけの年月と人材が使われてきたかを考えるとインド人に感服するし、これだけ観光客がいる今となってはもっと整備される必要があるなと考えると、途方もない。
そんなことを考えながら外を見ていると、道路工事をまさにしているインド人をみかける。
もちろん巨大なショベルカーなど文明の機器もあるが、多くはインド人が人海戦術で手作業をしている。
実際荒れた道路を通り、瓦礫が道に落ちていたり、事故を起こした車やバイクの残骸を見ると、こういう地道な道路工事がいかに大切かを思い知る。
日本人からすると、なんとかもっと効率よく機械でできないものかと思ってしまうが、インド人のやり方というもので少しずつ作っていくしかないんだろう。
工事現場のインド人が災害に巻き込まれない様祈るばかりである。
ちなみに工事車両は圧倒的に Hyundai が多かった。YAMAHA や HITACHI も時々見かけた。
途中、きれいな棚田のような風景に遭遇した。
基本的にはずっと荒れた山脈の中の道だったのだが、不意に鮮やかな緑が視界に飛び込んできて、目を奪われる。
遠くからみると、砂漠の中のオアシスみたいだった。
水は谷に流れる川から汲んで生活用水にするのだろうか。ここに住む人の生活に思いを馳せながら、あまりにも異世界なので頭の中で勝手なドラマを作って楽しんでいた。
瓦礫による通行止め
車はちょこちょこ止まりながらも順調に走っていたが、ついに渋滞があり完全に停まってしまった。
渋滞の原因は通行止め。全く動かなかったので最前列まで見にいくと、まさに瓦礫の除去作業をしているところだった。
最前列まで行って写真や動画を撮ったりしていたら、谷の方に向けて石を投げて遊んでるインド人6人組がいた。日本人も参戦した。
単に遠くまで石を飛ばす合戦かと思ったら、インド人の若者達は石を電柱に当てられたら勝ちと言うゲームをしていたようだった。しばらくしてカーンと石が当たるいい音が鳴って、大絶叫の大喜びだった。
こういうときのはしゃぎ様はインド人すごいなあと思う。
その後もインド人の若者は飽きずにしばらく同じ石投げをしていたが、見ていると今度は電線に当てようとしているっぽかった。ダメだろ。
そうこうしているうちに除去作業が終わっていた。
ベテランのおじさんがサクサクと瓦礫撤去作業をこなして、思ったより早く動き出したのだ。
慌てて車に戻る。
ヌブラ渓谷へ到着
標高がさらに下がり、川幅が広くなってきた。
ついにヌブラである。
4時間程度はかかったと思うが、目まぐるしく変わる景色を見ているあっという間の道中だった。
昨日雨が降った影響かもともとの色なのか、川の水は濁って泥の色をしていた。
水量も多く、もうちょっと増えたら道が冠水しそうなくらいだった。
谷底に着き少し走ると上空を覆っていた雲が消え、一気に晴れ渡った。
やはりこの景色には晴れた空が似合う。
ヌブラ渓谷ではこのあと恒例のゴンパ訪問し、バギーとラクダ乗りをした。
ジップラインも魅力的だったが、値段が高かったのと客が誰もいなくて安全なのかわからなかったので諦めた。
その話は次に回そうと思う。