インドの寝台列車 l 憧れのパンバン橋で動画を撮り、インドの南東端ラメシュワラムへ。
先週末、夜行列車移動プラス1泊2日でラメシュワラム、タンジャヴール、ティルチラパッリへ旅行した。
チェンナイより気温も湿度もかなり高かったのでどっと疲れ、帰宅翌日は全身筋肉痛で1日中使い物にならなかった。
今回の旅の一番の目的は、ラメシュワラム直前の橋を通過するときに、電車のドアから身を乗り出し海と電車を動画で収めるというもの。海の上に真っ直ぐ線路が走っており、そこそこ高さがあるのですごく綺麗なのだ。もちろん晴れていないと映えない。
ということで、行きはチェンナイ夜初の寝台列車に乗り、ラメシュワラムに8:20 着。
ラメシュワラム観光→タンジャーヴール泊→ティルチラパッリ観光→飛行機でチェンナイへ帰宅
という流れになった。
一番の目的はあくまで「寝台列車に乗り海の上で動画を取ること」である。
なので、その3つの街をそんな短時間の滞在時間でまわろうだなんて、、というツッコミは受け付けておりません。
寝台列車出発まで
寝台列車は事前にネットでA1の席を予約した。
A1というのはいわゆるファーストクラスで、エアコン付きの4名または2名用個室である。しかしすごく数が少なくて、直前だとA1の席は全然空いていない。我々は4人だったので、この席が4人分取れる日に合わせて予定を立てた。
↓寝台列車の席のクラスに関してこちらのブログがすごく詳しいです。
ちなみにインドではキャンセル待ちにもお金がかかり、ウェイティングチケットを購入することになる。で、キャンセル待ちをキャンセルするときにもお金が取られる。
我々が乗ったのは、チェンナイエグモア駅 19:15 発、ラメシュワラム駅 8:20 着 の寝台列車だ。
A1 の料金は ひとり 2385ルピー(約4317円)
移動距離は 664km
始発に乗り、終着駅で降りるので、一番安心なパターンだと思う。
長距離電車は数時間遅れることがざらで、しかも車内では停車駅のアナウンスをしてくれない。目的地が終点じゃない場合は常に google map を繋げていまどこ走っているか、緊張感をもっていないと降りそびれるのだ。
さて、無事いい電車の席が取れ、出発日金曜の夕方に自宅からチェンナイエグモア駅に車で送ってもらおうと思っていたのだが、現在インドでは一年最大のお祭りディワリが近づいており、どこもかしこもものすごく混んでいる。
特にマーケットのある地区は、身動きがとれないくらい人口密度が上昇する。
そんな中で、チェンナイエグモア駅に夕方車で突っ込んでいくというのは正気の沙汰じゃないらしい。なので最寄りの鉄道駅から電車でエグモア駅に行き、そこで予約した電車に乗る、という計画が立った。
我々はチェンナイの南に住んでいるので、郊外南の駅からチェンナイ中心地まで鉄道に乗り、さらに同じ経路を通って郊外へ向かうという、すごく効率が悪い移動である。でもこれが一番リスクが少ない方法だというのだ。。
インド人いわく、夕方のメトロのラッシュは半端じゃないぞと。
なのでメトロは回避した。
まずは最寄りの鉄道駅へ。
最寄りと言っても、ここまで来るにも道が混んでいて1時間以上はかかる。
チケットは自動券売機で買えるが、結局は係のおじさんにお金を渡してタッチパネルを押してもらうシステム。自動化の意味ないじゃんと思うが、雇用機会を減らさないためインドではこれが普通なんだろう。
混んでいてぎゅうぎゅうだと嫌なので、一番いい車両のチケットを買ってもらった。
トイレは駅向かって左側の待合室の中。インドの中でも汚い部類に入るので、綺麗好きな日本人はここではトイレは我慢した方が良いかも。壁の一部が割れて水がシャワーのように噴き出していて、私はズボンが濡れた。その水がどこ由来かは考えないことにした。
駅構内にもホームにも売店がある。ホームは多くて目当ての電車がどこから出るか難しいので、色んな人に確認してから乗った方がいい。
インド人ドライバーに一緒に来てもらったので、とくに迷うことはなかったが、彼もその辺の人に聞いていた。
インドの電車はドアが全開のまま走る。とても気持ち良い。
結構な速度で走るので、電車の外側に張り付いたら楽しそうである。
ちょっと電車の外側の段差に足をかけていたら、通りがかりのインド人に「危ないからやめなさい」と注意された。相当事故が多いそうだ。
ここをまた引き返してくるんだなーと思いながら、エグモア駅に着くのを待つ。
エグモア駅に到着。
英語の電光表示板があり、ホームで英語でアナウンスもあるので、思ったほどカオスではない。
始発でも遅れることが多いと聞いていたが、ほぼ時間通りに来て出発したので驚いた。
安い車両や、自由席の場合は、電車が停まってから乗っていたのではいい席が取れない。電車がまだ走っている途中から、ドアにしがみつくインド人がたくさんいる。
なので我々の乗る電車がホームに入ってきた時も目の前を通過する車両のドアには人がぶら下がっていた。この戦いには参戦したくないと心底思った。
エグモア駅で寝台列車に乗る
今回乗った寝台列車は車内での食事提供がないタイプで、途中駅でピザのデリバリーをした。ちゃんと受け取れたのは奇跡に近い。
食べ物は好きなものを買って持って乗った方が良いと思う。私はおにぎりを握ってもってきた。
エグモア駅のホームで色々な種類の軽食も買えるので、そこで見繕っても楽しい。
途中駅のホームでも同じように売店があるが停車時間がわからないので、よっぽど脚力に自信がない限り、降りて物色するのはおすすめしない。
寝台列車のA1クラスはなかなか快適だった。
寝具は枕と毛布が置いてあり、シーツも1人2枚ずつ配られる。
コロナで寝具の提供が一時ストップしたという噂もあり、myお布団を持ってきたのだが、結局いらなかった。
4人部屋なので4人で乗るとゲームで盛り上がったりして楽しい。
お隣の4名部屋は単独のインド人が4人乗っていたようで、PCで仕事をしたり、イヤホンをして動画を見たりしていた。逆隣は親子で、静かに過ごしてすぐに降りてしまった。
車内はすごくうるさいだろうと覚悟していたので、拍子抜けだった。
A2やA3に行くと仕切りがカーテンしかなく、三段ベットだったりするので、もっとがやがやしていると思う。
我々はピザとおにぎりを食べた後、ワードウルフをやって気づいたら夜中の12時半だった。
ワードウルフ、面白いので何もない待ち時間におすすめ。その後の普通の会話でもしばらく余韻をひきずっていた。
部屋の他の施設について。
トイレはまあまあ。トイレットペーパーがちゃんと置いてあって感動した。残念ながらシャワーはなかった。
あと、水、チャイ、コーヒーは売り子が来るが、個室のドアを閉めていると気づかないので注意。
列車内で飲むチャイはとても美味しかった。
外はずっと大雨が降っていて、天気予報は翌日も雷雨だった。
まさかの嵐の中での撮影会になるかもしれない。。と一瞬不安がよぎったが、それもまた一興である。
歯を磨き、1時頃には就寝した。音と揺れが結構大きいので、デリケートな日本人は熟睡できないかもしれない。
私はうるさくても狭くても横に知らない人がいてもすぐ眠れるので、快適だった。
パンバン橋 Pamban Bridge
朝起きるとなんと快晴だった。
そろそろパンバン橋の前の駅、マンダパム駅に着いたあたりで目が覚めた。
ここは田舎街の駅といった感じで風情がある。
この駅をを出るとラメシュワラムに着く前にあの有名な橋を渡るので、乗客はみんなソワソワしてだいたい一旦降りる。
特に売店も何もない。でもそれがまたいい。
この車両にはいい感じの窓がない。あっても鉄格子がはめてあるので、手が外に出せない。なのでベストショットを取るためにドアの前がベスポジで、インド人と取り合いになるのだ。
そしてついに目的の景色に出会う。
これを見るためにラメシュワラムに来たと言っても過言ではない。例によってドア全開なので、ちょっと身を乗り出して、電車と海と橋を同時に動画におさめる。なんともスリリング。
景色を楽しませるためのサービスなのか、もしくはスピードを出すと電車が落ちるからなのか、かなり速度を落としてくれるので、思う存分楽しめる。
私はひよった動画しか取れなかったが、他のメンバーが頑張って身を乗り出してくれたので、その動画をもらえるのを楽しみにしている。
↓ちょっとひよってますが、、
この鉄道橋は長さ2065mであり、インドで最初の海上橋である。2009年にムンバイの近郊に高速道路橋であるバンドラ・ウォーリ・シーリンク(長さ約2.3km)が開通するまでは、インドの海上橋としては、第1位の長さだったそうだ。
片持ち式の長さ67mの跳開橋部分があり、跳ね上げて橋の下に船を通すことができる。
パンバン橋を渡りパンバン島へ入ると漁村が見える。
古い漁師町だ。遠目で外から見る分にはとてもフォトジェニックだが、よくみると質素な家屋で、生活は楽ではないだろうと思う。
ここから2駅で終点のラメシュワラム。
だいたい時間通りに、無事ラメシュワラム駅に到着した。
海に携帯落っことっさなくてよかった。