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東京都の新たな取組:障害者共同雇用実現なるか
東京都が国家戦略特区制度を活用し、
中小企業による障害者の共同雇用を促す
取り組みを行うことを発表しました。
中小企業が障害者雇用に積極的な
社会的企業(ソーシャルファーム)と事業組合を設立して
法定雇用率を全体で満たせることを目指すもので、
「個々でやるより集まって仕事をつくれば障害者を雇える」
との考えが、小池知事にあるようです。
具体的には、特区制度で設立が簡便になる
有限責任事業組合(LLP)を活用し、
共同雇用することが検討されています。
つまり、異業種の企業が集まって
特例子会社をつくるようなイメージに近いと思います。
特例子会社の設立には、単体で特例子会社を設立する方法、
グループ適用する方法が一般的な方法ですが、
事業協同組合等(特定組合等)と
その組合員である中小企業(特定事業主)で
特例子会社のような組織を作る方法もあります。
特例子会社の分類についての詳細はこちらから
↓
特例子会社を設立することのメリット・デメリットとは
しかし、最後の事業協同組合の特例子会社は
私の知る限りでは、ほとんどないと思います。
(もし、あれば教えてください。)
この特例子会社の設立が難しいだろうなと思っているのは、
同じ事業を行っている企業同士であれば、
障害者の業務が切り出しにくい状況は同じだからです。
逆に、異業種の企業のほうが、共同で仕事ができることが
生み出せるのではないかと思っています。
実は、十数年前に特例子会社を設立するときに、
所属している会社の業務の切り出しが難しい業種のため
特区制度を使ってLLPで特例子会社を作れないか
という提案を厚生労働省にしたことがありましたが、
当時は難しかったです・・・。
小池知事は、中小企業で法定雇用率を満たしていない
企業が多いことを指摘して、
その背景を次のように述べています。
「中小企業が障害者に配慮した職場環境を整備したり、雇用する障害者に十分な仕事量を確保したりするのは困難だ。」
今回は、切り花の生産などで障害者を積極的に
雇用しているローランズプラス(東京・渋谷)が
参加するLLPが第1号となる見通しとのことです。
中小企業での障害者雇用を本当にすすめるには、
このような取り組みやチャレンジが必要だと思います。
参考資料:障害者共同雇用、東京の小池知事「集まって仕事つくる」(日本経済新聞社 2019.12.13)