歩くということの新たな発見~乙武さんの義足の挑戦~

乙武さんが義足を使って歩く挑戦をする
「OTOTAKE PROJECT」
プロジェクトの始まりから今に至るまでの経緯が
書籍『四肢奮迅』(講談社)として発売されたそうです。

このプロジェクトは、四肢のない乙武洋匡氏が、
最新の技術を搭載したロボット義足により二足歩行を試みる、
というプロジェクトです。
2018年にスタートしました。

「最初は単なる広告塔のつもりで始めたプロジェクトです。」
という乙武氏でしたが、
実際にはご自身にも大きな変化があったそうです。

この義足のプロジェクトは、
いきなりロボット義足を履いてスタートするのではなくて、
まずは短い通常の義足から、少しずつ高さを足していって、
最終的にモーターのついたロボット義足を履いて歩く、
というふうに段階を踏んでいくもの。

そのため毎週の変化があったそうです。

毎週状況が変わっていく。そのたびに僕はつかみかけていたバランスを崩して立てなくなる。新たな課題をクリアしたと思ったら、翌週にはまた新たな課題が現れる。その繰り返しでした。

ただ、その時期を乗り越えたとき、できないことができるようになるときの快感が癖になっている自分もいたんです。すっごく大変なんですけど、でもワクワクすることもあって、楽しくなってしまっている。難しい課題を乗り越えたら、次のさらに難しい課題に挑みたくなってしまう。

課題をクリアしていく状況を楽しめる、
そんな感覚をもてるようになると、
できないことができるようになりそうです。
また、乙武さんは、このプロジェクトを通じて、
次のような自分自身の心情にも大きな変化があったそうです。

このプロジェクトを通して、義手をつけたときに考えは少し変わりました。義手といっても簡易的なものです。指がついていたり、何かをつかめたりするのではなく、ただバランスをとるために長くしただけの鉄のポールのようなもの。でも、それをつけた瞬間、届かない場所に手が届くようになった。

その途端に、今まで自分が、両手両足があったら当然できていただろうことがたくさん思い浮かび始めた。あれもできたかもしれない、これもできたかもしれない。あのとき初めて僕は、自分自身のことを『健常者』の目線で見ることができたんですよね。そりゃ乙武さん大変だわって、他人事みたいに思った。

乙武氏は、先天性の障害で、人の目があまり気にならない、
自分をそのまま受け入れることができていた方ですが、
「自分自身を健常者の目線で見ることができた」ことによって、
今まで違った視点で物事が見れるようになったということは、
また、違った意味で大きな意味を持つのでしょうね。

また、義足を使って歩くことができるようになるということは
技術の進歩やプロジェクトメンバーの協力があって
実現できたことでもちろん素晴らしいことですが、
新たな視点をもって、自分を客観視できるということも
同じくらい大きな価値を持つのではないかと思います。

詳細はこちらから

40歳を過ぎて、初めて歩く。乙武洋匡が義足への挑戦を諦めない理由に「母の存在」



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