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【海外生活】イスラム教国のマレーシア🇲🇾を訪れて感じた、多様性との共存について
こんにちは。タイ生活6年⇨フィリピン・マニラへスライドし,早一年半。海外駐在帯同2カ国目、駐妻生活も8年目のYukoです。
今回はちょっと変わって、イスラム教に関するお話です。
日本在住の方にはイメージがわかないかもしれませんが、仏教国のタイでも結構ムスリムの方は多く、近所のローカルスーパーの店員さんがヒジャブを被っていたり、モスクもあったりと結構身近に感じて生活していました。
キリスト教国のフィリピンに引っ越してから、タイと比較するとムスリムの方をお見かけする機会は激減したけど、たまにお見かけすることがあります。
外務省のデータによるとフィリピン全体のイスラム教徒は5%。約300万人と推定され、主に南部のミンダナオ島に集中しているため、私の住んでいるルソン島マニラ首都圏では少ないのだろうと思われます。
⚫︎カルチャーショック!ロンドンでイスラム教との初めての出会い。
私とイスラム教との初めての出会いは、遡ること大学時代。ロンドンでホームステイした時のハウスメイトの1人がエジプト人でした。
彼女は敬虔なイスラム教徒だったので、お祈りの時間には方位磁針でメッカの方向を調べてお祈りしていました。ある日あなたの宗教は何?と聞かれたので、仏教だよと答えると、神様が違うから、お祈りの時間は部屋から出てもらえる?と言われたのが、カルチャーショックで、ものすごく印象に残っています。
文化や宗教の違いについては生まれた国が違えば当たり前だろうし、彼女を尊重しようと、割とすんなりと受け入れたのを覚えています。
⚫︎イスラム教国モロッコで出会った面白いガイドさん
モロッコは人口の99%がイスラム教徒。友人と旅しましたが、文化、宗教、景色が日本とギャップが大きくて、ものすごく非日常。旅先としてはとても楽しく、魅力的で周囲の方におすすめするくらいハマりました。アラジンの世界そのものの、モスクなどイスラム建築の美しさにも感動!
この旅ではツアーでモロッコ人のガイドさんがついてくれて、いろんなお話を聞いたのですが、伝統的な親が決めるお見合い結婚が主流で、婚前交渉も一般的ではないという話にびっくり。
15年ほど前の話なので、都心部や若い世代では変わってきているかもしれないけれど日本で育った私にはこれまたカルチャーショックでした。
⚫︎イスラム教国マレーシア
去年マレーシアでモスクを訪れた際に、ボランティアの方からイスラム教に関するお話をしていただいて、知らなかったことを沢山知れて良い勉強になりました。
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こちらではブルーのヒジャブ🧕を貸してくださいます。
ヒジャブで写真を撮るのも異文化体験。
多民族国家としても知られるマレーシアは人口の63、5%がイスラム教徒で国教もイスラム教。他にも仏教、キリスト教、ヒンドゥー教と宗教的な多様性がこの国の面白いところかなと、個人的には感じました。
⚫︎アラーこそが唯一神であると。
最近日本のニュースでも見るようになったイスラム教徒の土葬の問題についても、何故彼らが土葬にこだわるのかも理由を知れば、非常に納得。
日本人の私達にとっては、当たり前の火葬もムスリムにとって火葬は絶対あり得ない。死後の復活の為に肉体が必要になってくる為に、土葬が絶対なのだとか。しかも亡くなってからすぐに土葬する事が望ましいとされるので(できれば24時間以内)、すぐモスクにご遺体が運ばれて御葬式をするそう。
土葬が絶対と思って育ってきたとしたら、彼らの火葬が受け入れられないというのも理解できます。
ただ、私が逆の立場なら、そもそも土葬できない国には住まないだろう。
仕事や結婚など、いかんともし難い理由があって引っ越したのだとしたら、自分の死後に土葬ができるように保険をかけるなり、葬儀費用として頑張って貯金を残しておくなり努力すると思います。実際に日本でも、ご遺体を空輸する葬儀サービスを提供している葬儀会社もあります。
今現在、外国人の立場で他の国に住まわせて頂いている身としては、住んでいる国のルールを守り、文化や習慣を理解、尊重し、迷惑をかけないように暮らす。私の印象=日本人の印象になり得ることを肝に銘じ、恥じない言動を心がけることが大切だと常々感じています。
日本では、神道も土葬だったことから土葬を禁止する法律はなく、自治体によって土葬を受け入れている場所もある。ただ、国土が少ない事、多湿な気候から土壌汚染、地下水汚染、感染症の予防など衛生上の問題から火葬が主体になってきたという歴史があります。砂漠なんかの乾燥した土地とは違いますしね。
私もそうだけど、お墓も大変だし、あれば入れて頂きたいけれど無ければ集団墓地なり、なんなら散骨とかでも良い、それほど拘りはありません。そんな人が現代では増えてきているのでは?だからこそ、何となく土葬を望む強い要求に対して理解できず、拒否反応が多いのかなと。
⚫︎イスラム教のイメージ
イスラム過激派のテロや、最近では土葬問題やクルド人の問題が表面化していることから、複雑な印象を持たれる方もいるのかなと思います。
私個人としては、宗教は個人の自由であり尊重すべきと思いますが、理解しにくい事があるのも事実。
一番は女性の権利を制限する、従属的な立場に置く法律が存在することでしょうか。少し前までは、女性の車の運転を制限する国もあったり日本では考えられないことが法律で決まっていた国も。今気になるのは、タリバンが支配するアフガニスタンの女性の教育制限でしょうか。早く女子生徒にも教育機会が平等に与えられるようになって欲しいものです。
女性の権利を制限したり、女性を従属的な立場に置く法律が多く存在する。このような現状に対し、イスラム教の女性たちが中心となり、イスラムの教えに則った上で、イスラム教国の家族法や慣習における平等と公正を実現しようと活動しているムサワ(Musawah)というNGOがある。北京+25 CSOフォーラムに参加していたムサワについて、そのHPや資料に基づいて活動内容を紹介する。注:ホームページアドレスはhttps://www.musawah.org
ムサワは、シャリア法は不可侵な神の法であると尊重し、「現在の女性の不平等さや従属性を生み出しているのはシャリア法ではなく、それを根拠に人が作った法である」と考える。さらに、イスラム教国における法律が時代や地域によって非常に多様なことから、現代の生活に合わせて女性の平等や人権を認める法律に変革することは可能であり、必要なことであると主張している。
これは、すごく賛成で。どの宗教を信じるかは、個人個人の自由であるけれども、人権が守られないのは本末転倒だと感じます。ましてや、宗教が生まれた時代の時代背景と現代社会は大きな変化があるので、文明の進化に合わせて変革する必要があるのでは。
⚫︎日本におけるイスラム教
日本社会とイスラーム社会との本格的な交流は、幕末から明治初期の頃にはじまった。それから一世紀以上が経過し,2010年末には日本に居住しているムスリム人口は、10万を超える規模にまで増加した。その後も増加が続き、筆者の推計によれば、2019年末時点で約23万に達した。一方、国内に開設されたイスラーム礼拝所(モスク)は、戦前には3箇所、戦後の1980年代はじめに至るも4箇所に過ぎなかったが、2021年9月現在、モスクの数は110を越えている。
日本でもムスリムの方は増えており、他宗教と比較して多産である事もあり、恐らく今後も増加していくと思われます。
個人的には、日本は日本人の国であるので、日本に住むのであれば、郷に入れば、郷に従えで、日本の文化やルールをまず尊重して頂きたい。
イスラム教国でない文化や習慣が異なる日本に住むという事は、=ムスリムの習慣がすべて受け入れられるわけでないという事を認識して、うまく共存して頂きたい。それが認識できないのであれば、自国で生活して頂いた方がきっと幸せでしょう。
多様性を認めることは大切だけど、行きすぎた多様性、すなわち大多数の日本人が我慢や犠牲を強いられるような多様性であれば認めることは難しい。慎重にならざるを得ないと感じます。
勿論、日本人の側でもイスラム文化への理解を深め、差別や偏見をなくして、うまく共存する努力は必要になると思います。
私自身、海外で生活していると、様々な宗教、習慣を持つ人達と接するので、相手が食べられない物(特にイスラム教徒の豚やヒンドゥー教徒の牛)への配慮をしたりといった、思いやりは大切であると気付きました。
日本は単一民族に近い島国で、みんな同じ!という同調圧力強めの、良くも悪くもガラパゴス。昭和の私が子供の頃は外国人を見かける事すら珍しかったのです。異なる部分が大きければ大きい程、誤解や衝突も避けられない。知らないと理解できない事が多いのも事実でしょう。
⚫︎多民族国家のマレーシアを訪れてみて
マレーシアを訪れてみて、立地的にみても、長い歴史の中で外国人を受け入れ、うまく多民族国家として、成立していっただろうから、参考になる部分が多いのでは?感じました。日本人にとっても住みやすそうだし、とても興味深い国です。
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ドラゴンとペトロナスタワー
実際に多民族・多宗教の国で唯一成功した国とも言われているそう。お互いの文化や宗教を尊重し、違いを認め、程よい距離を保ち、価値観を押し付け合わない、そんなところがうまくいくコツなのかもしれません。
性善説だけではうまくいかない。日本のようにほぼ単一民族で長くやってきた国にとっては、正直難しい部分も大きいけれど双方歩み寄り、理解し合い、お互いにとって住みやすい環境になる明るい未来であることを期待したいと思います。
長文お読み頂き、ありがとうございました。
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