レガシーソング「mam」で何をさらけ出したのか
作曲家 星園祐子のライフワーク、個人向け作曲サービス「レガシーソング(あなたの人生を遺産にする曲)」について連載をしています。
1日目の記事👇
2日目の今日は「レガシーソング」のひとつの実例をご紹介します。
女優・シンガーのGeminiが「お母様への伝えられなかった想い」を込めたレガシーソング「mam」(作詞:Gemini、作曲:星園祐子)。
その曲と背景のストーリーをショートムービーにして、たくさんの人に届けたいと、いまクラウドファンディングに挑戦中です!
(2024.4.18追記:本クラウドファンディングは大成功を納め、無事に映画もリリースされています!)
タイトルがすごい。
「ハダカになる」というのは、「内側に隠していたすべてをさらけ出す」ということなのだけど。
でもね、わたし、ちょっと誤解してたな。「さらけ出す」の中身を。
12歳で家を出ていってしまったお母様やご家族とのちょっと衝撃的な話(出来事)のことかと思ってた。
でもそうじゃなかった。彼女が勇気を出してさらけ出すと言ったのは、「心」だったんだなあ。
気の強さと頭の良さと明るさを武器に、辛さを一人で乗り越えるということをずっとやってきた彼女は、
その奥にある「繊細で柔らかく優しい心」をずっと隠して生きてきた。
隠し切れてしまうだけの強さを、幸か不幸か彼女は持っていた。
というかそれはきっと、幼い彼女にとっては生き延びるために必要な術だったのだと思う。
大人になって、そんな柔らかい部分を出したいと思っても、出せなくなってしまっていたのだと言う。
お母様が亡くなる前に気持ちを伝えたかったのに、どうしてもどうしても言えなかった。
それを初めて出せたのが、「mam」という曲をみんなの前で歌った時だったのだと。
2020年7月26日の、あの舞台。
泣くのを懸命に我慢する幼子のような顔で、必死でDメロ(大サビ?)を歌う彼女。
その後の間奏の時、ちょうどカメラには映ってなかったけど(私がうつっちゃってた!)、天を仰いでむせびなく彼女の声だけがかすかに入っている。
※ ライブ映像の一部がこの動画の中で見られます。
決して「こんなつらい人生でした」みたいな、お涙頂戴物語ではない。
誰もが怖くて隠してしまう、自分の本当の芯の柔らかい部分を外に見せた時、
本当の感動と共鳴が起こる。
それを目の前で見せてもらいました。
これからは、気の強さと頭の良さと明るさと共に、繊細で柔らかく優しい心もありのままに魅せて、さらにパワフルで深みのある女性になっていくのだろうな。
ちょっと余談だけど、あの間奏は実は、本番の3日前に作り直したものでした。
Geminiちゃんが天国に行ってお母様と話しているところをイメージしながら作った。
繊細で柔らかく優しいGeminiちゃん。泣きながら、でも心から安心した赤子のような表情でお母様の胸に抱きしめられている。
今思えば、そんなイメージ。(本人には言わなかったし、本人は違う風に捉えてたらしいけどそれはそれぞれでいい)
繊細で柔らかな自分の芯を隠して生きていて苦しい人、きっとたくさんいる。
歌うとそんな芯にどうしても触れてしまうので、それが怖くて歌うのを避けてる人もいると思う。
でもね、それを出す勇気を後押しできるのが、「歌」だと思っています。
歌だからこそ、できる。
そして、そんな自分に痺れてほしい!!
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