#月に想いを No. 3
「満月」
月の出時刻17:55、満月の瞬間06:05・・・
つまり月が昇ってきた時は既に満月を過ぎてしまっていた(ノд-。)
まあ、こればかりは仕方ない。
でも、取り合えず満月。
多分、必死に仕事から帰ってきてベランダに直行したはず。
どうしても「満月」が見たい。
待ちます。あの雲が退いてくれるまで(笑)
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1年前・・・
闘病中の母に1日遅れの月を見せに行くのが日課になってました。
ここまでは美談。現実は母とは喧嘩別れをして会うのは6年振りでした。連絡をもらってから散々悩みました。すぐには会いに行く気にはなれなかった。でも、もう迷ってる時間もなくなっていた。
・・・次なんてないのかもしれない・・・
私は今までのことをすべて封印した。
当たり障りのない楽しいことだけを話した。実は話すことなんて何もなかった。口を開いた瞬間、恨みごとが溢れ出しそうで。だからお天気のこととか、月の話をした。毎晩月を撮った。月を見ながら泣いた。母の前で泣かないように。
母の病室の窓からは月は見えない。今、思えば・・・そう言う部屋だったのかもしれない。
ある日。母がカバンを買ってくれると言った。私のリュックを見て思ったのだろう。別にお金がないから買わないんじゃない。私は機能性重視。撥水だったり、中にペットボトルが入るポケットあったり。いい年してブランドのバッグすら持っていないから可哀想に思ったのかな?笑
私はこれが気に入ってるからいらないと言った。
次は望遠鏡を買ってくれると言い出した。
・・・カバンよりかなり高いよ?
恐らく「ごめんね」が言えないからこう言う発想が生まれるんだと思う。
・・・お金じゃないんだよなぁ。
いくらお金があっても過ぎ去った時間は買えない。もちろん、この6年間どうしてたかなんて私は言わないし、聞いたりもしない。
「じゃあ、一緒に買いに行こうね」
叶うはずのない約束をした。
不気味なほど真っ赤な月が昇ってきた。当たらなくてもいい予感。頭の中に流れたBeatlesの「Imagine」
この月は母を見守るようにそこにあった。
母がこの世を去った時、一番高い位置にあった。
私は意外と冷静だった。最後の脈を取ったのも私だった。
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月の出待ちをしながらほんの少しセンチメンタルになったりします。待ってる時間も愛おしい。
必ず逢えると信じているから。世の中それほど悪いことばかりではないのです。私にはまだ十分お月見する時間があるし、これから先も色んな天文現象を見ることだって出来るはずだから。
時々記憶の中のタイムトラベラーになります。もうやり直すことも出来ないのにね。
意地悪な雲が退いてくれるまで暫しの時間旅行。そして、何とか満月も無事に見ることが出来ました。
こうして私とお月さまの物語はつづくのです。
to be continued…
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