母の手、母の眼差し

AM8:30。
新千歳空港行きのエアポートの車内。

小さな男の子を抱っこしたお母さんが、男の子の顔の前に手をかざしている。

1歳半くらいかな。
前向きに抱っこされていたその子は、頭も手も"だらん"と垂らし、ぐっすり眠っている。袖口からのぞかせる小さな手、小さくても一丁前のブーツ。

朝の日差しが車窓から降り注ぎ、直接その男の子の顔に当たっている。
その日差しを遮るために、母親は手をかざしていたのだった。

その光景が、ひとつの美しい絵のように私には見えた。

母の手、母の眼差し。

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