素直と言われていた私。でも素直ではなかった私。
私の、なんのどこを取って
そう言われるのか。
全く不思議だ。
私は、小さい頃から
「素直だね」
と、言われることが多かった。
たしかに、
親や先生の言うことには
"素直"に従っていたと思う。
たぶん、
第一印象もソフトな方だとは思う。
だから、そう思われるのか?
私は、本当に"素直"なのだろうか?
過去を振り返ってみても、
"素直"な自分は、どこにもいない。
***
小学校3年生くらいの頃、
下校後に友達と遊んだ。
ピアノの上手な、明るくリーダータイプの子。
2人で一緒に坂道を下っていた時のこと。
彼女がポケットから個包装になっているチョコレートを、私に「これあげる」と手渡そうとした。
私は、そのチョコレートがとても欲しかった。
でも、「いいの」と、首を横に振った。
そう言う私に対し、彼女は再びそのチョコを私に渡そうとした。
それなのに、私は頑なに断った。本当は、とってももらいたかったのに。
彼女は悲しそうにそのチョコを再びポケットにしまった。
***
これも、小学生の時のこと。
学校で、作文か何かの賞をもらったことがあった。
「ただいま〜」
と、家の玄関に入り
開口一番に母に言った言葉は、
「今日ね、なんかとっても不思議なことがあったの」
嬉しい気持ちはあったが、なんで私が?という不思議な気持ちがあったことはたしか。
***
こんな話はまだまだある
社会人になり、テレビ局でドラマスタッフとして働いていた時のこと。
ロケが終わり、現場を引き上げる時のこと。
スタッフ用のお茶や水を入れておく
ウォーターサーバーや
その他
たくさんの荷物を両手に抱えていた私。
内心(誰か少しでも手伝ってくれないかなー)なんて思いながら、運んでいたら、
男性スタッフが声をかけてくれた。
「持つの手伝うよ」と。
それなのに、私の口から出た言葉は、
「いえ、大丈夫です!」
***
どうして、私は昔からそうなんだ?
素直にチョコを「ありがとう!」
と言ってもらえばいいじゃないか。
せっかくくれようとした友達に失礼じゃないか。
素直に「お母さん!賞もらったんだよ!すごいでしょ!!」と喜べばいいじゃないか。
素直に「少し持っていただけると助かります。ありがとうございます!」
と頼ればいいじゃないか。
まったく
子供らしくない。
可愛げがない!!
***
最近、周りから
「子供たちがいなくなって寂しくなるね」
と言われることが多い。
昨日、主人の実家に行った時も
義父、義母からそれぞれ何度も言われた。
私は、内心
(そんなに私から「寂しい〜」という言葉を引き出したいのか?)
と、ひねくれた思いで義父母の言葉を聞いていた。
そこで私は、
「私は、『寂しい』と思いたくないから、もっと前から心の準備をしていたの。だからね、今は寂しくないんだよ」
と言った。
これは本当。
息子が高校を卒業する時も、
式当日「旅立ちの日に」を聴いて号泣したくないから、数ヶ月前から「旅立ちの日に」を聴き込み涙を出すだけ出したおかげで、卒業式当日は全く涙が出なかった。
このたびの子供たちの巣立ちに関しては、
数年前から十分過去の思い出に浸り、心の準備をしてきた。(なぜわざわざ?笑)
だから、今は寂しいというより、むしろ清々しい気分だ。いよいよ機が熟したなぁといった感じ。
「寂しい」なんて思うこと自体が悔しい!
口が裂けても絶対に言うもんか。(笑)
***
「素直」の対義語を調べてみた。
素直⇔意地っ張り、頑な
それに加え"天邪鬼"とも言える私。
「天邪鬼」の類語も調べてみると、
天邪鬼=素直でない、へそ曲がり
んー、、、
やはり、私は
素直どころか
まったくその逆!
一体なぜそうなんだろう。
***
今日、車の中で主人とそんな話をしていた。
すると主人は私のことを「全然素直じゃないよね」と言った。
私も、なぜ自分がこんな人間なのかがよくわからない。
他人に自分の本心を知られるのが恥ずかしいからなのか?
そのくせ、どこかで気持ちをわかってもらいたい、という思いがあるからなのか?
いずれにせよ、めんどくさい人間に違いない。
主人に
「なんで私は『口が裂けても寂しいなんて言わない!』なんて言うんだろう」
と聞くと、
主人はひと言、
「寂しいからじゃない?」
と言った。
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