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最後の世代
私が小学生の頃は毎日19:00くらいからアニメを放送していた。
その日のアニメを観ながら夜ご飯を食べるのが日常で、野球のある日は父親と喧嘩をしながらチャンネル争いをした記憶がある。
サザエさんやドラゴンボールなんかは週に2回放送していたし、ドラえもん、クレヨンしんちゃん、ちびまる子ちゃんは定番。
その他クッキングパパやツヨシしっかりしなさいなんかを放送していた木曜日はわりと好きな曜日だった。
私は昭和の終わりに生まれて、「女は男と結婚して子どもを産むもの」と刷り込まれた最後の世代なのではないかと最近思う。
LGBTQなんて言葉は当時もちろんなかったし、学校でも習わなかった。
サザエさんをはじめ、ちびまる子ちゃんもクレヨンしんちゃんもドラえもんも、お父さんとお母さんがいて、子どもがいて、おじいちゃんおばあちゃんもいる家族構成だ。
それが当たり前とされていたし、それが幸せの形であるとされていた。
そして、それを毎日夕食の時間に放送し、子どもはそれを見て育ったのだ。
私自身、結婚をして娘が二人いる。それが当たり前だと思っていたから。
夫のことは嫌いではないし、娘たちのこともそれなりに愛情を持って育てているとは思う。
だけど、思う。
私も令和に生まれていたらなあ。結婚しなくてよかったのかな。
子ども産まなくてもよかったのかな。
自由な選択肢は当然昭和でも平成でもあったし、実際に独身の人も子どもがいない夫婦もいる。
でもそれを選ばなかったのは、私の選択肢の中にそれがなかったから。
もし選択することをやり直せるなら、私はたぶん今とは違う選択をするだろう。
固められた幸せを選ぶしかなった私たちが、最後の世代でありますように。
サザエさんもドラえもんもクレヨンしんちゃんもちびまる子ちゃんも、私は好きだし今も観る。
今では土日にしかやっていない。
子どもたちの未来に、たんさんの選択肢がありますように。