秋のお客さん

街中が金木犀の香りで素敵だわ。

マンションの廊下に迷い込むセミファイナルも大分減ったし、秋だなぁ・・・

今日の夕飯を作り終え、ベランダで一服。

雨降るなぁ、旦那帰り大丈夫かな?
なんて思いながら部屋に入り網戸を閉めようとすると

ブババババババ

絶対に家の中で聞こえちゃいけない音が足元から聞こえる。

ハッと見ると、なんとトンボが離陸体勢でいるではないか

「飛ぶ。。。」

と思った時には飛び出した。

「あ"あぁぁぁぁぁ!!!!!!」

通報されてもおかしくない声量で叫び声を上げ網戸をバッと開けたが

トンボったらリビングを縦横無尽に飛ぶではないか

「ふざけんな!そっちじゃねぇー!出てけーー!!!!」

と叫びながら部屋を走り回るゆこ。

我関せずブブブとか言いながら飛び回るトンボ

ちなみにゆこはシティーガールなので虫という虫が苦手だ。
触るのは疎か同じ空間にいるのもダメだ。

キャンプなんか絶対に出来ない。

虫網持ってランラン追いかけるのなんか、あつまれ動物の森の中だけだ。それで充分だ。

相変わらず飛び続けるトンボから泣きながら逃げる

机に足をぶつけ
扇風機を倒し
ソファに倒れ込み
クッションを投げ
アルコールスプレーを噴射し

ドッタンバッタン室内を逃走し続け

捨てる予定の段ボールを手に取りブンブン振り回した。

Amazonだ。

旦那がネットよくお買い物するのですが
荷物が来る度に

「過剰包装だ、段ボール増えるのが嫌だ、そもそも目で見て買えないのは嫌だね」

と悪態ついて来たが、これからはAmazonでもお買い物しようと思った。

ブンブン振り回しているとトンボにヒット!
そしてひっくり返って床に着地した

飛べないようだ。
飛べないトンボは・・・

トンボだ。

ブバババと言ってるトンボに向かって

「出てってよ。あんた家賃払ってないじゃん」

と泣きながら言うゆこは完全に敗者だった。

どうしたものか・・・
っていうかいつまた飛ぶか分からない。

自分じゃどうにも出来ないのでお隣さんに助けてもらう事にした。

こんなご時世だが全ての窓は空いてるし、
申し訳ないがお願いしよう。

ピンポーン

お隣の奥さん「え!なんで泣いてるんですか?どうしたんですか!?」

ゆこ「トンボが・・・部屋の中にトンボが」

奥さん「あぁ!今旦那呼びますね」

ゆこ「(/ _ ; )」

旦那さん「虫がダメなんですか?」

ゆこ「叶うなら結界を張りたいです」

素手でトンボを捕獲するお隣の旦那さん

ゆこ「あ"ぁぁぁぁー!!!」

旦那さん「笑笑笑」

そんな訳でトンボはお空へ飛んで行きました。

2度と来ないで欲しいお客さんです。

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