ラップの「バース」と「バーズ」の違い
「バース」と「バーズ」の意味と違い
英語で書くと全然違いますが、カタカナで書くと似てるんですよね。
言葉の意味は違いますが、最後の文字が「ス」と「ズ」で、似てるんですよね。
日本語では、「バース」はそのまま「バース」と言いますが、「バーズ」は「小節」と言うことが多いです。
※日本の音楽になじみのある人と会話する時は、「バース」よりも「Aメロ」と言う方が会話しやすいです。
64小節 = 64バーズ
「64小節【ろくじゅうよん・しょうせつ】」は、英語で「64 Bars【シックスティーフォー・バーズ】」ですが、
という認識をしているので、「バーズ」の意味に引っ張られて、たまに「バース = 小節 だったっけ?」と、間違えてしまう時があるんですよね。
(補足)
64小節のラップをアンカット(一発撮り)で収録する、Red Bull主催の『64 Bars』という企画があるのですが、その時のCHICO CARLITOさんのラップがすごいという話を以前、書いたので、興味のある方はぜひご覧ください。
「バース」の複数形
「verse【バース】」の複数形は、「verses【バーシズ】」です。
3人のラッパーがバースを蹴る(ラップをする)、『Verses』という曲があります。
KEN THE 390『Verses feat. GADORO,NORIKIYO』
NORIKIYOさんの歌詞が、
となっているのには、理由があります。
一般的に、1曲の中で複数のラッパーがバースを蹴る時、1人あたり8小節【8 Bars】刻み(8〜24小節ぐらい)で、ワンバース【1 verse】を蹴ることが多いです。
KEN THE 390さんは、客演(feat.)の2人に、24小節のバースを依頼したのですが、その時のビート(ラップをのせる前の音楽)は、24小節よりも長かったそうです。しかし、GADOROさんは、それに気付かず、「ビートのキリがいいところまで、ラップをしよう」と思い、40小節のバースを作り上げたそうです。
GADOROさんが40小節のバースを作り上げた時、すでにKEN THE 390さんもNORIKIYOさんも24小節のバースを作り上げていたそうです。しかし、GADOROさんの40小節のバースがとても良かったので、それに合わせて他の2人も40小節のバースに作り変えたそうです。(GADOROさんは、自身のバースが長いことに、全然気付いていなかったそうで、自身のバースが長いと知った時、「えっ?」って感じで驚いたそうです。)
そのような経緯があったので、
という、歌詞になっています。
日本最多のバーズのワンバース!?
1つのverse(サビ以外の歌)のbars(小節)が日本で一番多い曲は、おそらく…
ポチョムキン『80BARZ』
タイトルから分かる通り、80 bars(80小節)の、ワンバースの曲です。YouTubeの概要欄には、80小節の歌詞と、歌詞に登場する言葉の解説が書かれているので、とても長いです。
これほどたくさんの単語を並べて、ラップを成立させることができるのが、ポチョムキンさんのすごいところですよね。
まとめ
最後の文字が「ス」と「ズ」で似ていますが、言葉の意味は違います。
バースは、複数の小節(バーズ)で、構成されます。
例)Red Bull主催の『64 Bars』では、1曲のバースが64小節で構成されています。
最後に
もし、80小節超えの「日本一小節数が多いワンバースの曲」をご存じの方は、お教えいただければ幸いです。
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