ヒーローは永遠にヒーロー
ヒーロー
昔の話
小学生の頃のヒーローは、近所に住んでいた友達のお兄ちゃんだった。
賢くて、スポーツもゲームも上手くて、友達も多く、みんなから信頼されていた。
自分は彼のことを、とてもリスペクトしていた。(当時、リスペクトという言葉は知らなかったが、あの頃の自分は間違いなく彼をリスペクトしていた。)
彼は生徒会長になった。
ある時の生徒会の会議の最後、彼は先生から「会議の締めの挨拶」を任された。しかし、彼の挨拶は、先生の期待に沿えなかったようで、「君ならもう少しできる」と励まされたのだが、彼は何も話すことができなかった。
会議を終えて帰る時、彼は平静を装っていたが、いつもより歩調が速く、なんとか涙をこらえているようにも見えた。
本当は「挨拶は十分だったし、先生のことなんか気にしなくていいよ」と彼に伝えたかった。しかし、実際は何もできなかった。
自分がもどかしかった。
それ以上に「ヒーローは永遠にヒーローであり続けることはできない」ということを思い知らされた気がした。
途中の話
彼を含め、自分は人生でたくさんのヒーローに出会ってきた。
しかし、どのヒーローに対しても「やっぱり普通の人間なんだ」と思う瞬間があり、いつしか「ヒーローは永遠にヒーローであり続けることはできない」ということが当たり前だと考えるようになっていた。
2023年9月19日の話
武道館で9mm Parabellum Bullet(以下、9mm)のライブを見たのは9年ぶりだった。
久しぶりに見た9mmは相変わらずカッコよかった。
さらに、9年前になかった曲も、9年もしくはもっと前の9mmの延長線上にあるように感じられて、とにかく全てが9mmだった。
「9mmは何年も同じ戦い方を続けていて、もちろんその戦い方でめちゃめちゃ強くて、その延長線上で、さらに強くなっている」と感じた。
今まで当たり前だと思っていた「ヒーローは永遠にヒーローであり続けることはできない」という考えは覆された。
「ヒーローは今もヒーロー」だった。
むしろ、過去の強さはそのままで、もっと強いヒーローになっていたし、多分このまま「ヒーローは永遠にヒーロー」になるのだと思う。
2つの感想
このnoteは加工した感想で、このnoteを書くきっかけとなった生の感想を『【感想ノート】2023/9/22(金)』に書いたので、興味のある方はぜひご覧ください。
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