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エピソード記憶法よりすごいのがあるよ!

 では、通常脳科学の俗説をまた切るわけですが、今度はとってもポジティブになってます。これをお読みのあなたも今日から記憶力50%増し確実です!

 最初にエビデンス的なことから。

 もうすぐお正月ですが、みこちゃん家ではおじいちゃんの家に集まって毎年トランプやゲーム(ビデオゲームではなく黒ひげ危機一発など)三昧です。最年少のみこちゃんがすでにこの間三十路になりましたからへんな家です(笑)。

みこちゃんは人生初めて黒ひげ危機一発やって
一発目で飛び出して以来トラウマになっています

 ここで神経衰弱もやるのですが、これをやろう!とみこちゃんが言うと、みんなの厭戦ムードがハンパありません。

 なぜかというと、みこちゃんが必ず勝つからです。今まで負けた記憶がありません!

 小さい頃は何で強いかはわからなかったのですが、今ではその仕組みが完璧にわかります。だから、再現性もありその方法を使えば並べられたトランプの54枚など簡単に覚えられます。父親にだけこっそり教えたらその日からできるようになっています。

 これは記憶能力ではありません。明確な方法があります。ただし後述するように、みこちゃん式神経衰弱必勝の場合には将棋を知っていることが条件になります。素人将棋でまあまあ強い(知り合いとやる程度のレベルならほぼ勝つ)とかであれば、この記事読んだ後すぐに54枚のカードをすべて記憶できるようになります。

 将棋をやらない人でも、並べたカード54枚は無理でも、買い物リスト10個くらいなら一発で覚えられますよ!

 そのみこちゃんから言いますと、脳科学の「エピソード記憶」を利用した記憶術は大変不完全なものに思えます。

 これを通俗脳科学的に応用すると、こうなっちゃいますよね。

「846893528」といったまったく無秩序な数列を記憶するとします。

 エピソード記憶を使うとこれを例えば、2個ずつに区切って「橋(84)、老婆(68)、草(93)、骨壺(52)、蜂(8)」にしてから、こういうストーリーを作ります。

橋の上で老婆が草をむしり、骨壺に入れたら、蜂が飛び出してきた

以上、この記事から拝借しています。

 これでも完璧に覚えられる人はいますし、この方法で記憶術大会上位入賞者もいます。向き不向きもありますね。みこちゃんは、この方法だとまったく無理です。ストーリーがアホすぎて、脳が拒絶するので頭に入りません。

 みこちゃんの方法は、トランプのカードを将棋の盤面に当てはめるというものです。

将棋をやる人にとって
9×9=81のマス目には特別な意味がある

 例えば、将棋では敵陣地の王様の位置は5一玉となるわけです。将棋をやる人は、初手でこの角筋を空けるのを見たことが数限りなくあるでしょう。あなたも、とりあえずビールと居酒屋で言うみたいに、とりあえずここを空けるということをするかもしれません。


 これは、棋譜で言うと7六歩ということになります。

 どうですか、あの老婆と乙女のゲシュタルト心理学みたいにこの場所が特別に思えてきましたよね。この7六の場所はさしずめこの写真でいうと乙女の「耳」老婆の「目」でしょうか。

 将棋をやる人にとって、あそこの場所は特別な場所であり、王様の一の5一(相手側)とか5九もかなり特別だし、最初に駒が並べてあるのも全部特別の場所です。そして、将棋が好きな人は、4五とか言われてもすぐピンとくるわけです。

 そして、これを今度は神経衰弱のトランプにトレースします。

 この時みこちゃんの脳みその中身はこんな感じのフォトがフラッシュします。


 あ、敵の王様の位置にスペードの5があるな、と記憶します。これがスペードの5じゃなくてもいいです。敵のいちばん重要な位置、1五の場所に例えば、ダイヤの6があったとすると、ダイヤの6=敵の王様、特別な最終的な標的はダイヤの6であり、その場所は相手方のドン突きの中央の場所だ、と記憶されます。

 また、キングやクイーンなどは覚えやすいけど、地味なカードは覚えられないという人も多いはず。でも、こうやったら大丈夫です。

角筋を空けるところが4のクローバー!特別だ!

 さっきの、とりあえずビール、とりあえず角筋のあの、あそこの邪魔な歩を空けないとゲームが始まらない場所、そこにクローバーの4がある(エピソード的に四つ葉のクローバーが咲いていて角の邪魔していたので上にどけたでもいい)、と空間的に把握すれば、この地味なカードである4のクローバーの位置はゲームが終わるまで(誰かがそのカードを取ってしまうまで)絶対に忘れませんよね。


 秘伝中の秘伝の記憶術のコツは、特別な場所に平凡な対象物を当てはめるという、逆の思考をやればいいのです。特別な場所はあらかじめ準備することができますので、どんな覚えにくい対象物であっても強烈な特別な場所と結びつければ必ず記憶できます。

 記憶が苦手な人は、凡庸な対象物に目を向けてそこに集中するからいけないのです。記憶に集中力を使っては確実に失敗します。

 絶対に集中力など発揮せずに、特別な場所を作ってからそこにどうでもいい、覚えたくもない凡庸な4のクローバーを当てはめるという順番でやるのです。

 記憶術に限らずですが、集中力とか感情とか、どうでもいいことがなんちゃって脳科学では強調されますが、そんなもん役に立ちません。むしろ、集中力や感情は脳の活性化にはマイナスになるというのがみこちゃんの持論であり、揺るぎない実感です。

 このように、将棋でやっつけるストーリーと、場所を結びつけるのがみこちゃんが神経衰弱で百選全勝の理由です。

 ここで、最初のコトバンクのエピソード記憶の定義をもう一回、今度は文章で確認してみます。

長期記憶のうち、個人的経験に基づくもの。個人が体験した日々の出来事の記憶であり、時間や場所、および感情を伴ったものとして記憶される。意味記憶に対比される。

コトバンク「エピソード記憶」

 ちゃんと「場所」が重要だと定義されています。ところが、通俗脳科学だと、たいてい「感情」というのを重視します。悔しかったことは忘れないとか、嬉しいときはドーパミンが出るから忘れない、とか言うわけですが、これは少なくとも何かを意識的に記憶するときには何の役にも立ちません。

 記憶の現場で起こったり悲しんだりすることは意識的には引き起こせません。例えば、angryとう単語を覚える時にたまたまむかつくことが都合よく起きたりはしないからです。

 でも、場所を想起することは意識的に完全にコントロールできます。

 この記憶と場所について掘り下げた研究が例えばこれです。

 このように、エピソード記憶が大事だと考える人は多いのですが、エピソードと一緒に覚えれば記憶しやすいな、とだけ通俗的に考えていると、もっと簡単で確実な方法になかなか目が行きません。

 この空間応用で買い物リストを記憶する例がこの記事にすごくよくまとまっています。これを場所法と言います。


画像出典 上記サイトより

買い物リストと関連付ける場所①洗濯バサミ→玄関②イヤホン→
ベッド(寝室)③マグカップ→ドア④たまご→お風呂⑤牛乳→キッチン⑥お皿→洗濯機

「玄関」を開けたら、靴でなく「洗濯バサミ」が無数に散らばっているイメージ

 自分の家のことを思い浮かべて、自分の家に当てはめてください。そこが最大のポイントです。

 さっきの「橋の上で老婆が草をむしり、骨壺に入れたら、蜂が飛び出してきた」ではなく、自分の家のエピソードなので、自分の家という強烈な空間記憶と結びついたエピソードは絶対に忘れません。

 ぜひお試しあれ!
〜٩(ˊᗜˋ*)و

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