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【雑記】1時間から始めるラヴクラフト

こんにちは、同好のみんな!
今回はいつもとちょっと違うファンタジーの世界、HPラヴクラフトとその作品群、クトゥルー神話について語るよ。

クトゥルー神話はRPGが爆発的に有名なので、そっちのほうはあえて説明はしない。かく言う僕もコールオブクトゥルフの大ファンだ。シナリオもよく作って学生時代は沢山遊んだ。

今回はRPGとは違う側面で楽しむラヴクラフト、つまりは彼の小説作品について語りたい。ラヴクラフト小説と言えばやたらとまどろっこしい修飾表現が有名だが、個人的には彼の面白味はシンプルさと現実主義にあると思っている。

今回の記事では、若干手に取りづらい印象のあるラヴクラフト小説について、その面白さを手軽に味わえる方法とコツがあるから是非ここで紹介したい。おすすめの作品も紹介するよ。

ちなみにラヴクラフトは、われらが『英雄コナン』の作者
ロバート・E・ハワードと文通友達だった。
英雄コナン、クトゥルー神話、そして火星年代記のような
往年のSF小説は同じ雑誌『ウィアードテイルズ』にて掲載されていた。
このころのマガジンがいかに現在のホビーシーンへ影響を与えたか
よくわかるつながりだね。

ラヴクラフトはオーディブルがいい

突然だが、ラヴクラフトを今読むならオーディブル作品、ラヴクラフトシリーズを激推しする。理由は『ほぼ1時間単位』で『映画を見るように』ラヴクラフトを楽しめるからだ。これを強調したくて、この記事のタイトルを『1時間から始める』というタイトルにした。

このシリーズでは、約30冊のラヴクラフト短編作品を耳で楽しむことができる。それも一冊500円と格安だ。オーディブルの会員になって聞き放題で楽しむという手もありだね。財布やほかの本と見比べて選ぶといい。僕の場合は聞きたい本がだいたい聞き放題対象外になっているので都度購入しているよ。そっちの方がちゃんと聞くという特典効果もある。

大事な部分はラヴクラフトのはっきりと状況をつかめる、一方で読んでいて非常に疲れる描写部分を読み上げによってきれいさっぱり解決してくれるという点だ。

どの作品も概ね1時間前後にまとめられており、翻訳も聞いてちょうどいい具合に調整されていて実に楽しみやすい。寝る前のお供などに是非採用してみてくれ。

ラヴクラフト小説の楽しみやすさ

ラヴクラフトは、彼の必殺技としてよく伝聞調や手紙形式のストーリー展開をする。これは怪奇と適度な距離を取りホラーの厚みを加えるとともに、ラヴクラフトらしい原因と結果という明確な関係を効果的に表現している。

ラヴクラフトの小説にはたいてい『怪異に遭遇した結果おかしくなった人』が最初に登場する。そしてなぜその人がおかしくなったのか、というミステリーをエンジンに読者を楽しませていくのが特徴だ。これをうまくあらわしたのがRPG版クトゥルー神話であるコールオブクトゥルフの発狂システムと言える。

RPGと小説で大きく異なるのは小説版は結果が見えたうえで、深淵なる恐怖の背景を探るという事だ。話し手はたいてい君に語り掛けているので、怪異との出会いで少なくとも死亡しなかったという事が明白だ。この点、生きるか死ぬかを走り抜けるRPGとは大きく異なっている。₍コールオブクトゥルフのシナリオを作るときはこの点を注意すると僕は書きやすいと感じている。小説の雰囲気を試したいなら、プレイヤーと相談してエンディングを伝聞調で締めるといい雰囲気になるよ₎

ラヴクラフト小説を読むときは、この構造を是非頭に入れてから読み始めて欲しい。でないと頭から頭が変な人が話を仕掛けてくるので、酔っ払いに絡まれたような困惑を覚えてしまう。安心したまえ。ラヴクラフトの小説は最後まで読むと彼がなぜそうなってしまったのか、明瞭に教えてくれる。謎は解かれるのだ。

1920年代アメリカのジャズ・エイジと呼ばれる
時代背景も大きな魅力だ。
作品を読むついでに車やコーヒーショップを
調べてみるのも楽しいだろう。

オススメの作品

オーディブル版でお勧めするのであれば、以下の順に試してほしい。
ラヴクラフトらしさと聞きやすさ、それにオーディブルとの親和性を考えると、以下の作品順で聞くのがおすすめだ。

1.ピックマンの絵のモデル(50分)
読みやすい長さ、きれいな狂気の因果関係、そして最後に飲むコーヒーの描写が意味するもの。実に最高の作品の一つであると言える。1920年代のアーカムを舞台にしているという部分も、ラヴクラフトの面白さに触れる良いスタートとなるだろう。

2.神殿(1時間)もしくは冷気(35分)
ドイツのUボートとオカルトの組み合わせでピンときたのであれば、是非神殿を読むといい。怪談話に近いホラーを手軽に楽しみたい君には、冷気という小説がおすすめだ。できるだけ主人公に寄り添って、安アパートを探して一人暮らしを始める自分になりきるとぐっと楽しめるだろう。

3.外宇宙の色(2時間10分)
ここまでの小説は楽しかっただろうか?
面白いと思った君には是非腰を据えて外宇宙の色を勧めたい。
リアリティに寄り添いながら奇怪な現象と対面するこの話は、きっと君をラヴクラフト大好き人間にしてくれるだろう。
もしもっとパルプらしさをというのであれば『遠吠え』や『ハーバートウェスト』を、原因と結果が組み合わさる様式美を引き続き楽しみたいなら『戸口にいたなにか』『クトゥルーの呼び声』をお勧めする。

是非、熱いコーヒーを飲んで、頭をはっきりとさせながら、狂気の世界を直視して楽しんでほしい。

以上だ。
今回は変わり種だったけどどうだったかな?
みんなのホビーライフが少しでも潤ったならとてもうれしい!


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