感想『ネトゲ戦記』
元々noteで読んでいましたが、加筆修正がある点に惹かれたことと、応援の意味を込めて電子書籍版を購入しました。
私が暇空さんを知ったのは、「リーガルハラスメント」記者会見のしばらく後でした。今も、公的資金に関わる不祥事の解明について、彼を応援しています。
『ネトゲ戦記』は全編を通して暇空さんの視点で描かれ、「彼」という三人称が用いられています。「彼」以外の人物はユーザー名、個人名、役職などで表されています。本という媒体で読むと、「彼」が暇空さんを指すのか、直前の人物を指すのか混同してしまうことがありました。
しかし、それ以外は読みやすく、一気に読み進めることができました。淡々とした文章でありながら、要所要所で「彼」の熱意が伝わってきました。「彼」の半生を振り返るかたちで、その時々の「彼」の思考を知ることができました。
特に良いなと思ったのは、化学の高村先生であったり、友人のlalha氏であったり、「彼」にとって印象深い人たちとの会話がちりばめられている点です。また、グラニ立ち上げの際に「あなたはもっと株をもらうべきだ」と「彼」に助言した方や、裁判の際に「彼」のために怒りを表した弁護士の方など、周りの人に「彼」が助けられている場面が印象に残りました。
ネトゲ編や、セガやgloopsで働いている時の描写が「彼」の有能さを強調した「俺TUEEEEE」的展開であったにも関わらず、やっかみやムカつきを覚えるより前に「ああ、この人はこういう人なんだ」と読み進められました。それは、「彼」が彼自身を尊重するのと同程度に、あるいはそれ以上に、他人を尊重していることが感じられたからです。(ここでの「他人」は、彼が「尊重すべきだ」と認めた他人に限られるとは思いますが…)
私は現実世界の暇空さんを知りませんが、配信やSNS上で見せる容赦無い面以外にも、誠実に他人と向き合う面を持っていると感じました。
何年先になるか分かりませんが、今の戦い(WBPC問題)も終わるときが来るのでしょうか。次回作を楽しみにしています。