最強の暗記法について考えてみる
世の中にこれでもかというくらいに溢れる暗記法
暗記術、暗記法、いろいろなものがありますが
暗記の「正解」はどこにあるのでしょうか?
現在わたしは税理士試験の受験生。
暗記という存在は、逃げるに逃げられない存在です。
どうしても向き合わなくてはいけない。
今年の8月に受験した税理士試験では、
「ま、なんとかなるさ」
くらいにしか考えていなかったのですが、これが全然違いました。
覚えていたはずの知識が、試験当日に全然書けなかった。
あれこれひねり出して文章につなげるも結果は不合格。
一科目は合格していましたが、一科目は不合格でした。
単純に合格レベルに達していなかった。
苦い思い出です。
同じ1年を過ごしたらまた落ちるんじゃないかと思い
なんとかしなきゃともがくことに。
そこで暗記方法の探求からスタートし、
暗記と真剣に向き合うことにしました。
具体的には9月からあれやこれや試行錯誤をしてきたのでした、
最近その試行錯誤してきた方法にようやく光が見えてきたような・・・。
気がする。気のせいか?気のせいでなければいいのだが。
気がするんだよおおおおおお!!
という叫びをいれてみたところで。
それでも去年とは全く違う手ごたえを感じていることは確かなわけです。
そこで暗記法、記憶法に関する自分なりの結論をnoteに整理してみることにしました。
ここまで読んでくれている人というのは
・多かれ少なかれ暗記したいものがあり、
・暗記にそれなりに悩んでいる
・何かの勉強法を探している
そんな人たちだと思うんです。
今回はそんな人向けに暗記法のノウハウを大公開。(ばばん!)
わたしが勉強している関係で税理士試験という題材が中心となりますが、
暗記に関しては大筋外れたことは言ってないと思うので、暗記に悩んでいる人は参考にしてくれれば嬉しいな。
(全体で7000文字近くになりますがお付き合いいただけると嬉しいです)
勉強熱に火が点いた
今年の前半は、連日飲み歩いていました。
飲み歩けば飲み歩くほど知り合いも増え、美味しいお店も知るようになり、どんどん出歩くように。
そんな飲んだくれのの私に、勉強熱がやってきた。
なぜ勉強熱にここまで火が点いたのか?
それは単刀直入に言うと、転職したから。
(最近大手に転職をしました!)
わたしは税理士事務所で働いています。職種としては会計職になります。
具体的な仕事内容はお客様の帳簿書類、決算書、税務申告書類の作成や報告相談業務など。お客様に関する税金の相談に乗るお仕事です。
この業界の特徴は、無資格者が多いというところ。
税理士になってから税理士事務所で働く人は圧倒的な少数です。
業界に入って働きながら税理士を目指している人が圧倒的多数というところです。
前職は同じ職種でしたが、少人数でのんびりとしている事務所でした。
(10人規模)
税理士でもある所長は70手前のおじいちゃん。頭は良く、お金も稼いでいますが良くも悪くも昔の人。働き方も、勉強も各自に任せられているし、先輩と勉強している内容も共有しないし、本当に自分次第といった事務所でした。
そんな環境では数年も合格者が全然でないのも当たり前という感じでした。
それが転職をして環境が変わった途端、わたしのスイッチが入ることに。
転職したのは、比較的大きい規模の事務所。
(100名規模)
自分ごときが採用をいただけたのはラッキーでしかないのですが。
大卒で新卒、自分より若い税理士受験生がゴロゴロいます。
毎週のミーティングやテスト、研修などが定期的にある。
正直負けたくないと思いました。
負けないためにはどうするか?
試験に受かるしかない。
そう考えたのです。
多かれ少なかれ、暗記からは逃げられない
資格試験というのは種類は違えど、暗記がつきまとうことになります。
覚えなきゃいけないものは
英単語、熟語などのフレーズ。
計算式、方程式
語句、用語
法律の条文
などなど。戦うリングはそれぞれ違いますが、やることは一緒です。
記述式
選択肢のマークシート
など試験の種類に形式的な違いなどは当然ありますが、
しかし結局は
試験当日に
覚えているものが勝つ
覚えた知識を上手に引き出したものが勝つ
このような結論に変わりはないはずです。
試験を受ける人ならば誰しも合格したいですよね。
じゃあどうすれば試験当日に勝てるのでしょうか。
それは
自分がこれなら覚えられる!という方法に出会えるかどうか
この一言に尽きるのではないでしょうか。
今日の話はここまで!チャンチャン。ありがとうございました!
っておいおい。
じゃあどうやったら自分なりの暗記方法に出会えるの?
っていうのがみんなの知りたい所だと思うわけで。
ここがミソなわけで。ミソ。ショウユ。ラーユ。
目指す暗記のレベルをハッキリさせろ
まずは自分の目指す暗記のレベルを把握しておかなければいけません。
これは人それぞれ違うので自分の頭できちんと考えるようにしてください。
<英単語帳に例えるとこんな感じ>
①単語が表示されて、日本語の意味だけ答えられればいいのか
(学校の小テストなど)
appleと紙に書かれていて、「りんご」と答えるイメージです。
②左側に表示される単語すら覚えなければいけないのか
(英単語帳を1ページ丸々覚えなければいけないイメージ)
白紙の紙に「apple」「りんご」の両方を書かなければいけないイメージです。
わたしの今年の試験の敗因は、ここレベル感を見誤ったことでした。
それは、
①のレベルで合格できると思っていた試験の難易度が
②のレベルだったということです。
税理士試験で求められる暗記のレベルですが、
大別すると簿記と税法で全く異なります。
簿記論、財務諸表論で求められる暗記のレベル→①
税法で求められる暗記のレベル→②
わたしは財務諸表論の試験に合格して、消費税法の試験には落ちました。
それは①のレベルはできていたけど、②のレベルはできていなかったということです。
税理士試験で勝つには、
難解な法律の条文を一言一句正確に覚えている必要があります。
世の中で言われる難関試験といわれる試験ほど暗記のレベルでいうと、
②の程度まで求められることになります。
みなさんはどんなレベルを目指していますか?
まずは自分の目指す暗記のレベルを明確にしましょう。
わたしが目指すべきレベルは②の暗唱ができるレベル。
何も見ずに、こういう場合にはこう、こういう場合にはこう、
とスラスラ出てくる状態です。
わたしが試した様々な暗記法
以下はわたしが試してきた暗記法です。
(1)は以前やっていた方法
(2)(3)(4)は現在やっている方法
になります。
(1)ひたすら耳から聞く+音読、シャドーイング
これは今年の税理士試験で実際にやっていた方法です。
通勤時間が往復で1時間あるので、その間、ひたすら音声を聞くようにしていました。時にはぶつぶつつぶやいてみたり、追いかけながらシャドーイングしてみたり。
ところどころちゃんと覚えている箇所もあり、きちんと覚えられていない箇所もありました。
テキストもすべて音読。
音読できるものはすべて音読。
音読厨といえるほど信者でした。
(2)目を閉じて唱える 暗唱
ここからが現在取り入れている勉強法です。
通勤の電車内で本を広げて、覚えたい箇所にいったん目を通します。
→一通り区切りのいいとこまで読んだら本を閉じて目を閉じてその箇所をぶつぶつ唱えてみる。
→唱えられなければまた本を見る。
→本を閉じてまたぶつぶつ。
→以下、覚えるまで繰り返す。
その繰り返しです。
なかなか覚えられねぇなぁ!!
と痛感する毎日なのですが、
それでも確実に覚えられる量は増えているのは確か。
スラスラ言える箇所も増えてきました。
現在暗記作業の大半は(2)のやり方で取り組んでいます。
(3)フレーズごと、頭文字ごとに書く
書く暗記は推奨していない人が多いです。
何故書くのはダメなのでしょうか?
それは
時間がかかるからです。
書いている時間があるなら、その時間を使ってもう一回周回数を増やしたほうが効率的じゃない?
というのがアンチ書く厨の主張です。
これは一理あって、わたしもそのように思います。
思うからこそ、
上記のような(1)の耳から聞いて音読するような方法をとっていました。
でも試験当日には書かなければいけません。
マークシートの試験であれば問題ありませんが、記述式の試験では、どこまでいっても書くことから逃れることはできません。
最終的には書いて再現できるかどうかのチェックが必要です。
わたしは書くことをしてこなかったため、当日漢字すら出てこず焦りました。試験中に焦り出すと時間が進むスピードが一気に速くなって、何もできずに試験が終わってしまいます。
書く試験なら、やっぱり書いて覚えたい。
書いて覚えられるならそれが一番いい。
だが、時間がかかる。
どうしたものか。
だから書くのに時間がかからないで済むような書き方を考えました。
それが(3)の方法です。
<(3)の例>
例えば次の内容を覚えたいとします。
(枕草子の序文です)
わたしが上記を覚えようと紙に書くなら
以下のように単語ごとにその頭文字を書いていきます。
ポイントは読むリズムに合わせて書くスピードが遅くならないようにすることです。
謎の文章が完成しましたねw
この文章を見てやることは、
・書いてある呪文から上記の文章が思い出せるか再現する。
(思い出せなければもっと短く区切ってください)
・徐々に呪文の言葉を減らしていく
この2つです。
最終的に次のような感じになります。
だいぶ呪文が短くなりました。
ここまでくればだいぶ記憶の精度も高まっているはずです。
・最初は単語ごと、
(覚えられなければ2~3文字ごとがリズム良くていいかな)
・次にフレーズごと
・良く出てくる言葉は自分なりに記号を決めちゃってもいいかも
このように書くことを減らしていくと、言葉や音声のリズムに書くスピードが追いつけるので、書きながらも、時間を取らずに暗記作業を進めることが可能です。
この勉強法をやっていて思ったのは、
わたしは耳だけで覚えるのはあまり得意ではなく、
書くこともしたい派ということに気が付きました。
わたしは人の話を聞くのが得意でない人間なので、聞いた内容が右から左へ受け流されていってしまいます。
耳で聞いたことよりも本で書いてある内容を読んだほうが覚えるのが得意な人間なのかもしれません。
耳で覚えるのが得意なのか、書いて覚えるのが得意なのかは自分なりに把握しておくと良いでしょう。
カフェなどで③の方法をやるときは、となりの人が見たらびっくりするかもしれない呪文が書かれたノートが完成している可能性があります。コイツ、頭のおかしいやつだなと思われかねないので注意するようにしましょう。
(4)パソコンに入力
もうひとつ書く方法を紹介します。
アンチ書く厨を撃退したいときに使えるのが、パソコンに文章として入力する方法です。
タイピング速度が遅くない人限定にはなりますが、
これだとあまり時間がかからないので、そこそこの文章量を覚えなくちゃいけない、書いて覚えたいという人には適しているかも。
わたしはグーグルドライブにスプレッドシートを作成して、書いた文章を管理するようにしています。
単元ごとにファイルを作り、シートごとに1回目、2回目、3回目と同じ単元でどんどんシート数が増えていっています。
ダメな暗記法は何がダメなのか?
ここまでさまざまな暗記方法を紹介してきました。
(1)の方法では毎日、繰り返してたくさん音声を聴きました。そこそこの暗記はできましたが、完璧に覚えるまでには至りませんでした。
でも音声によっては、50回くらい繰り返し聴いたりもしましたし、めちゃくちゃ反復をしました。結局の所何がダメだったんでしょうか??
(2)の方法では暗唱して、スラスラ言えるような内容も増えてきました。確実に覚えている量はこちらのほうが上です。
この違いはどこにあるのでしょうか。
具体的な暗記方法により優劣はないような気がしています。
(1)のひたすら耳から聞く方法が悪い方法
(2)の目を閉じて暗唱する方法が良い方法
とかではないです。
問題は、どこに意識を置いて暗記をやるのか
これが暗記ができる人と暗記をできない人の差を分けることになりそうです。
意識すること 思い出す回数を増やす
みなさん絶対に忘れないことってあると思うんです。
なんだと思いますか?
それは自分に関する情報です。
自分に関する個人情報って絶対忘れないですよね。
たとえば自宅の住所、実家の住所、電話番号、カードの暗証番号などなど。
これはどうして忘れないのでしょうか??
日常的に使うから忘れない。
もっと突き詰めていうと、思い出す回数が多いから忘れないのです。
記憶は自分の出したい情報と、頭の中にある情報との結びつきの力の程度で強弱が決まります。
いったん覚えた情報は、脳の中のどこかにはすでに情報が入っていて、取り出し方がわからないのです。
だからなかなか思い出すことができない。
覚えた情報を頭の中で思い浮かべてみて、一度思い出すことができた。
こうして思い出すことができた情報は、新しい結びつきができます。
数時間、数日すると忘れてしまうので、また思い出すことによって、再び結びつきを作ります。
このように結びつきを何度も作るようにして記憶は強化されていくのです。
最初は糸のような細い結び目だったものが、何本も糸が増え、糸が太くなり、紐の結び目がどんどん大きくなっていくようなイメージです。
(1)の方法がダメで(2)の方法が優秀だった理由とは?
ここで話を暗記の勉強方法に戻してみましょう。
結びつきが強ければ強いほど、記憶は強化されるということについて上記でお話をしました。
では勉強方法の違いによって暗記の程度に差が出たのはなぜでしょうか?
それは思い出す回数の違いが大きく関係しています。
(2)の暗唱という暗記方法では、
勝手に思い出す回数が増えていきます。
覚えるたびに、毎回嫌でも思い出す作業を行うからです。
こうして結びつきが強化され、それが記憶の定着につながったと考えることができます。
(1)の耳から聴くという暗記方法では、勉強の際に思い出す作業を取り入れてませんでした。
聴く、聴く、聴く。そしてまた聴く。
こうして思い出す時間を取らなかったために結びつきが弱く記憶の定着につながらないあかった。これが記憶が定着しなかった要因ではないでしょうか。
(1)のダメだった暗記方法をグレードアップするには?
(1)の耳から聴く方法がダメな暗記方法ではありません。
世の中には音読の有用性は知れ渡っています。
ただ、聴くだけでは暗記には不十分。それは思い出すというサイクルが勉強の中に組み込まれていないため、自分で組み込んでやる必要あるからです。
結論とすれば、思い出す回数が増えるように暗記のやり方を変えればいいわけなので
(1)の音声を聴く、シャドーイングなどをする際に取り入れるべき暗記方法としては、次のようなやり方になります。
一度再生して聴く、シャドーイングする。
→一時停止。思い出す時間を確保する。
→また再生する。
→一時停止。止めて、思い出す時間を確保する。
こうして勉強の中に思い出すサイクルを組み込んでやることで、記憶の定着に効果的な暗記方法になるのではないでしょうか。
まとめ 記憶の正体=思い出すこと
わたしは暗唱という暗記方法を通じて自分では意識せずに、いつの間にか思い出すことの重要性にたどり着きました。
暗記、記憶というと「覚える」「頭の中に入れる」「インプットする」というイメージがあり、以前のわたしは頭の中にいれよう、覚えようということばかりを意識して必死にやってきました。
でもそれじゃダメだった。
記憶とは結びつき、思い出すことなんです。
情報をいかに入れるかじゃなくて、いかに思い出す作業をするか。
結びつきを強めるために、いかに思い出す回数を増やすか。
これが記憶に関するたった真実なのではないでしょうか。
とすると、世の中に溢れるいろんな暗記法というのは結局は情報をどうやって頭に入れるかという入力をどうするのか、そのインプットの方法ということになりますので、やり方は人それぞれでいいんです。
大事なのはどうやって頭にいれるかではなく、いかに結びつきを強めるために思い出す作業を取り入れるか。
世の中にあるいろんな暗記方法の中に、どうやって思い出す作業を組み込んでいくのか。これが暗記力を分けるカギになりそうです。
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