準レトロ RPG ふりかえり|ゲームレビュー
YouTube で動画を見ていると自分の世代にドンピシャなレトロゲームが流れてきて思い出す機会があったので、 RPG 好きな身として少し振り返ってみようかと思います。
小学生の頃は FC(ファミリーコンピュータ) もプレイしていたのですが、 SFC(スーパーファミコン) から PS 2(PlayStation 2) 辺りまでの範囲が、映像と音声、ストーリーのバランスが取れていて最も印象に残っている気がします。『ドラゴンクエスト』や『聖剣伝説』、『ファイナルファンタジー』、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』など、印象深いものの有名すぎる作品は言わずもがな。コレらを本来の「レトロゲーム」と捉えるならば、他より知名度は劣るけど思い出深かった作品を「準レトロ」として絞ります。
昔のゲームは表現できる幅が限られているにもかかわらず名作揃いで、当時の開発者の方々には頭が下がりますね。青春時代に感性を刺激して育ててくれたことに感謝です。
エストポリス伝記II|SFC
『エストポリス伝記 I 』はプレイしていないが、友達がプレイしているのを見ていて、『エストポリス伝記 II 』をプレイしてみたらめっちゃハマったのを覚えている。『ドラゴンクエスト』でも馴染み深いコマンドバトル RPG なのが取っ付きやすく、スーパーファミコンでありながらボリューミーな作品。
のちにアクション RPG としてリメイクされたが、個人的には初期の方が好み。
特殊な力を秘めた主人公が旅に出て、世界の命運を左右する出来事に巻き込まれていくというストーリー。自由度は低いものの、進むルートは王道とも言える1本道で、非常にわかりやすかった。
冒険の楽しみ方が多彩なシステム
バトルとしてはシンプルなものだが、装備する武器防具や秘石に込められた『IP』を消費して、種類が豊富な特殊能力を使うことで幅広い戦略が取れる。魔法も一通りの効果が揃っていて、エフェクトが新鮮だった。『ドラゴンクエスト』みたいな系統で言えば「デイン系:レ・ギ → レ・ギオ → レ・ギオン」、「ヒャド系:リ・ア → リ・デト → リ・デルト」みたいな感じだった。懐かしい。
ダンジョン内に施されたギミックの謎解きが非常によくできていた。単純に物を移動させるパズルから、ボムとかフックショットみたいなスペシャルアイテムを駆使したり、手数を問われるモノまで幅広い。中には「ちょっとコレ子どもには難しくないか!?」と思われるものも含まれるが、単調に戦闘を繰り返すだけでは得られない攻略しがいがあった。
やり込み要素としては、「いにしえの洞窟」という特殊ダンジョンがあり、その内部はまるで『トルネコの不思議のダンジョン』が如き入るたびに構造が変化する。ダンジョン内だけ使用できる赤い宝箱の他に、強力な武器防具が収められたお持ち帰り可能な青い宝箱がランダムで登場するため、夢中になって何度も挑戦し、装備を強くしていったのは思い出がある。
捨て曲がない傑作 BGM
どこか哀愁がある「バトル#1, #2 , #3 」やの BGM は、どれも名曲で評価も高く、未だに無性に聴きたくなる。「ウェディング・ベル」や「プリフィアの花」、フィールド曲の「大地」もスキな曲。エンディングの「未来へ」とか、フィギュアスケートの羽生結弦さんが演技で流したらしい「地上を救う者」なんて、もう感動なしには聴いていられない。これだけ耳に残る楽曲を1作に詰め込むとは恐れ入る。
2025 年には 30 周年コンサートが行われる模様。コレは行く価値アリ。
愛嬌ある仲間たちと人間模様
個性豊かな仲間たちとの出会いと別れにも心を揺さぶられた。真面目なアーティや、可愛らしいティアやセレナ、脳筋でどこか抜けているガイやハイデッカ。クスッと笑えるやり取りから、後ろ髪引かれるような切ないラブストーリーに至るまで、人間的な魅力も満載だった。「Tear=涙」を意味すること、泣きたい時は思いっきり泣いていいことを、このゲームで学んだような気がする。
アークザラッドII|PS
『光と音の RPG アークザラッド II 』は、『アークザラッド I 』を先にプレイしないでやり始めたが、ストーリーや巻き起こるシーンが現実の世界を連想させるようなもので、子供ながらに衝撃だった。今作中に後から前作のキャラが合流し、先にプレイしていればデータを引き継げることを知って、たしか前作をやり直したと思う。
現実を模した緻密な社会情勢
舞台となる世界は、現実に近い形で表現されている。スタートはアメリカ大陸にあたる自由の象徴「アルディア」。強大な力を得ようと暗躍する諸悪の大国「ロマリア」は、ちょうどヨーロッパに位置する。各国には空港があってアパートが林立し、バーや下水道など街によってある程度インフラ設備も整っていて、モンスターが蔓延る社会の中を主人公は、ギルドの仕事を請け負うハンターとして生計を立てている。
世界を我が物にせんとするロマリア王の配下で活動する「四将軍 ガルアーノ・アンデル・ヤグン・ザルバド」が、各国に潜んで裏社会を牛耳っているのは、子供心に怖かった記憶がある。戦争や迫害、マフィアに誘拐など、各国を取り巻く出来事もずいぶんなリアリティ。こういう現実の社会をベースにして、モンスターや魔法などの空想的なエッセンスを加えるあたりは、厨二心をくすぐられる。
観るだけでも奥が深いストーリー
本作の主人公エルクと関係していく仲間たちに加えて、前作の主人公アークとその仲間たちも合流するが、それぞれのキャラにも今までの歩みや気持ちの揺れが見えて、感情移入したくなる。
最初の将軍ガルアーノが子どもたちを集めてモンスター化させるためのキメラ実験施設である「白い家」で暮らしていたエルク、その境遇が不憫でならない。一緒に育ったジーンとの残酷な再会や、幼馴染ミリルを手にかけるシーンなんてホント胸クソ悪かった。 BGM「悲しみ」が胸に迫る。
キメラ研究所の本拠地を破壊すべく何組かに分かれてロマリアに乗り込み、前作のキャラと合流する。「スメリアのパレンシアタワー」に「ミルマーナの海底油田」と、着々と進行されていく「殉教者計画」。個性がバラバラなメンバー同士お互いのを補ったり、いがみ合いつつも二手に分かれたりして、共闘して各拠点の掃討作戦を遂行していく展開は胸熱。 BGM「四将軍戦闘」を聴くと気持ちが奮い立つ。
シンプルでいて難しいシミュレーション
キャラのコマを進めて戦うバトルはシンプル。武器やアイテムも豊富で、必殺技によって攻撃範囲が変わる場合もある。モンスターも仲間にできて、どんどんメンバーが増えていく大所帯の中から、参加メンバーを選出して攻略していく。キャラにボイスがつけられており、攻撃時の掛け声と打撃音が心地良くて、 BGM も耳に残るから、バトル自体はとても楽しかった。トッシュやエルク、アークは、やっぱり声と攻撃ともにカッコイイ。シュウやゴーゲンのボイスも素敵。
ただ、後半に行くにつれ敵が強くて難しくなり、たしか倒したキャラだけ経験値を得られてレベルアップする仕様だから、キャラ全員を満遍なくレベルアップさせようとすると結構大変。トッシュやイーガみたいな攻撃特攻型キャラは敵を倒しやすいから有利だけど、物理も攻撃呪文も弱いキャラだと難しかった覚えがある。
ブレスオブファイアV ドラゴンクォーター|PS 2
王道な RPG である『ブレスオブファイア III』『ブレスオブファイア IV』と続けてプレイしてきたが、本作が一番インパクトが強かった。従来のシンプルなシステムに比べて相当難しくて挫折しかけたものの、根気強くプレイを続けていると、このストーリーの奥深さに触れて感動したのを覚えている。
壮大な魅惑の世界観
とにかく画面がずっと暗い。というのも本作の舞台となるのは、かつて災厄に襲われて地上に人が住めなくなり、避難を余儀なくされて建設されてきた大深度の地下都市。長い年月もの間、人々に忘れ去られている「空」が閉ざされた世界は、発展と生活から排した空気によって徐々に汚染されてきており、「ディク」と呼ばれる野生化した生命体まで徘徊している。ゆくゆくは現代の人類もこんな世界に追いやっていくかもしれないと想像させられるような、現実味を背負った世界には惹かれるものがあった。
潜在能力を表す「 D 値」によって人々は区分けされ、この地下の世界を支配しているのは政府の頂点に立つ6人の「統治者(メンバー)」。そこに治安維持を目的として結成された「レンジャー」、反政府組織である「トリニティ」、非合法な活動で暗躍する「ネガティブ」といった、独特な組織の思惑が錯綜する。
少女を取り巻く壮絶なストーリー
汚染された空気を浄化する大気浄化プロジェクト。そのために人体改造されたニーナの現実を知った主人公リュウは、汚れていく肺に苦しむ彼女を救うため、今や実在するかどうかも定かではない「空」を目指すことを決める。大多数の人間のため、ひとりの尊い少女を甘い言葉巧みに実験台にし、犠牲にすることが果たして正義なのか。無情にも試作品とまで呼ばれる彼女を、世界を敵に回してまで救うことができるのか。
エンディングまでを繰り返しプレイすることで、徐々に詳細なシナリオが明らかになっていく SOL (Scenario OverLay) というシステムも当時は画期的だった。友人だと思っていた相棒ボッシュが狂気を孕んで半身を改造して立っているシーンには背筋が震えた。死者の能力を吸収して強化する「ネガティブ」のタントラにはゾクっとさせられる。それらでかかる BGM「強敵」や「くるおしい心」といった、気持ちを煽るような良曲も影響しているかもしれない。
独特なバトルシステム
基本シンボルエンカウントでバトルに突入し、各キャラがもつ「AP」を消費した分だけ移動や攻撃などの行動が取れる APS (Active Point System) が採用されている。コントローラの各ボタンにセットした通常攻撃や必殺技、魔法をポイントが許す範囲内で連続して当てることでコンボを稼いでいく。ゲーム序盤は、相手が強い割にプレイヤーが取れる行動が少なく、大したダメージを与えられないため、適宜バトルを避けながら進めることになるのが、従来のプレイスタイルからするとやりづらかったところ。
強敵ともなると常に「アブソリュート・ディフェンス」なるバリアを張っており、防御可能な値を上回るだけの攻撃を叩き込まないとダメージが入らない。それに対し、リュウは途中「最下層区」で打ち捨てられていた「竜」とリンクすることで、その力を使って変身する「ドラゴナイズド・フォーム」が可能になり、大迫力かつ強ダメージを与えられる「D-ダイブ」が使えるようになる(見た目は全然ドラゴンっぽくない)。1撃のダメージが通常の比じゃないくらい強烈であるものの、使用するたびに「竜」の侵食率を表す「D-カウンター」が上昇していき、使いすぎて 100% になってしまうと身体が侵されてゲームオーバーになるというのが目新しい。
グランディア エクストリーム|PS 2
『グランディア I 』と『 II 』もプレイしたが、本作の方が印象に残っている。このゲームが印象に残るポイントは、ストーリーよりも遥かにバトルだった。
ストーリーは正直あまり覚えていない…軍に呼ばれた主人公エヴァンが仲間たちと協力し、「ロッカの村」から各遺跡へと探索していく感じだった気がする。
白熱するバトルフィールド
前作までと同様、広大なフィールド上で繰り広げられる白熱するバトル。時間経過とともにキャラのアイコンが回転して順番が回ってくるコマンドで、スカッとする効果音の攻撃と、多彩な必殺技を繰り広げてくれる。たしか通常の弱2回攻撃に加えて、1発キャンセル攻撃もあって、当てることでコマンドをスキップさせることも可能。シンプルな操作なのに多彩な戦略が取れるのに感心した。
キャラにも響きのあるボイスが吹き込まれていて、単体の必殺技は少なめだが、2人以上から繰り出される豊富な合体技が、映像と音声ともに迫力満載だった。
魔法の力が込められた「マナエッグ」を装備すると魔法も使えるようになる。それらを合成することによって新しい「マナエッグ」を生成していくのが楽しかった。『ドラゴンクエスト』みたいなオノマトペではないが、結構イメージしやすいネーミングの魔法で、たとえば「バギ系:ヒューイ→ヒュースラッシュ→ヒューネルン」とか「ホイミ系:ケロマ→ケロマム→ケロマキシム」みたいな感じ。
繊細でメロディアスな BGM
通常バトルの「Combat 1」とかボス戦で流れる「Combat 4」はホント名曲だ… ゲーム BGM だと気づかないくらい鮮麗されていて、どこか哀愁漂うこの曲が流れてくれるからこそ、何度バトルしても飽きないほど楽しかった。
しょっちゅうロッカの街を訪れるときに流れる「Locca Village」も印象的でノリがイイ。PS 2 ともなると表現できる音の幅が広い。