ウォーレン・バフェットの投資基準とは?〜「PBR」「PER」「EBITDA」について〜
個別銘柄を見るにあたって、「PER」「PBR」「EBITDA」という用語を目にすると思うので、参考程度に説明します。
以下のメンタリストDaiGoの動画の説明で大分理解できました。
▼【超投資力】英国投資家が徹底解説!ウォーレン・バフェットの投資手法の秘密とは?
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世界最高の投資家のウォーレン・バフェットは、割安な銘柄を買う「バリュー」投資家で有名です。事業の投資価値(=バリュー)が、現在の購入価格よりも上回っている場合には、株式や債券を購入するというシンプルな投資判断です。割安であるかを判断するために、投資価値を正しく算出する指標として、「PBR」「PER」「EBITDA」を用いていたようです。
1.「PBR」<株価純資産倍率>
「PBR」とは、Price Book-value Ratioの略で、「株価純資産倍率」のことです。
「PBR」=株価÷1株あたり純資産
※株価に対して、1株あたりの純資産が何倍かという指標
その会社の時価総額を会社が持っている不動産や設備などのすべての資産額で割ったものが「PBR」で、「解散価値」とも言われています。1倍以下は割安です。
「PBR」が1を下回るということは、その会社を潰して、不動産や設備等の資産をすべて売却すれば利益が出る状態ということです。バフェットは、最初これを利用して、「PBR」が1を下回る会社をまるごと買い、それを潰して、資産をすべて売却することで利益を得ていたそうです。
2.「PER」<株価収益率>
「PER」とは、Price Earnings Ratioの略で、「株価収益率」のことです。
「PER」=株価÷一株あたり純利益
※株価に対して、1株あたりの純利益が何倍かという指標
1株あたりの当期純利益のことで、「配当可能利益」とも言われています。純利益何年分で企業価値の元が取れるかということで、その会社に対する将来の期待度を表しています。「PER」が低ければ低いほど、一般的に割安と考えられています。10倍前後は安く、 20〜30倍は高いとされています。
たとえば、時価総額が100億円の企業が、1年で得た純利益が10億円だった場合、「PER」は10倍です。10年の間、そのすべての利益を配当に変えた場合、10年で回収できる計算になります。
成長株で10倍は安いと言われてますが、実際は業種によってまちまちとのこと。極端な話、「PER」が30倍だったけれど、30年よりも前にもっと利益が出る企業だと考えた場合は市場価格よりも割安で「買い」と判断できます。実際は、成長株は、株主に配当で還元するというより、利益を本業に回すことで企業価値を上げる努力をするので、配当性向は低い傾向にあります。
ちなみに、参考にしたDaiGoの動画の例として、オリエンタルランドが挙げられていました。2020年5月1日現在、「PER」72倍なので、割高だと思われますが、72年よりもっと早く投資したものを回収できると市場では見られている、つまりとても期待されている企業だといえることになります。
3.「EBITDA」<企業価値>
「EBITDA」とは、Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortizationの略で、読み方は「イービットディーエー」「イービットダー」「イビタ」と呼ばれています。金利・税金・償却前利益(償却前営業利益)のことです。国によって金利、税率、減価償却方法が異なるため、企業の収益力の違いが分かりにくいために、その違いを最小限にするために使われる指標です。
「EBITDA」=税引前利益+特別損益+支払利息+減価償却費(営業利益+減価償却費)
※キャッシュフローベースの営業利益
ちょっとこの説明では分かりにくいのですが、営業利益や経常利益は、あくまで「会計上」の利益で、キャッシュフロー(現金利益)とは乖離していて分かりにくいんですよね。営業利益上赤字になっていますが、実際にはキャッシュが動かない経費がかかっているということもあるんです。
たとえば、耐用年数が5年の機械設備を100億円で購入した場合、その年の費用が100億円ではなく、会計上5年間にわたり年間20億ずつ減価償却費として計上されます。したがって、1年目は投資キャッシュフローがマイナスになりますが、その後の2〜5年目は現金の流出はなく、経費として20億ずつ計上されるというわけです。(設備投資した企業のほうが、していない企業よりも利益が小さく見えてしまう)
そのため「EBITDA」では、減価償却費を無視して計算されます。そして、本業とは関係のない支払利息や特別損益、税金を無視することで、その企業の本業が生み出したキャッシュフローを測ることができます。
会社の時価総額から有利子負債を足して、現預金を引いた総額、つまり企業をまるごと買った金額(EV=企業価値)を、「EBITDA(企業の1年分の本業における現金収入)」で割った数値が低いほど、回収期間が短いということなので、割安という判断になります。
バフェットは、「PBR」(解散価値)→「PER」(将来の期待度)→「EBITDA」(企業価値)と、投資で見る指標が変わっていきました。「自分が理解できない会社は買わない」「PERが割高」という理由で、Amazon、Apple、マイクロソフトなどのテック会社は買わなかったのですが、企業の本質的な価値を判断できる「EBITDA」では割安と考え、購入するようになったそうです。
まとめ
「EBITDA」は正直、個人の投資において見る指標としては難しいかと思いました。「PBR」や「PER」は指標として割安であるかを確認する参考になるので見ておいて損はないなと感じました。「PER」は一時的な利益だけの情報で、それを補完する意味合いで、「EBITDA」を見ると参考になるかと思います。また、株価が下落場面で損失を回避したい場合、B/Sに着目する「PBR」が重要になるケースもあります。現在の企業の状況、将来の企業の価値も含めた上で投資判断する力がつけられたらと思いました。
読んでいただいて、ありがとうございます。
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