インナーチャイルドは何故傷ついているのか
村井啓一先生に久しぶりにお会いして、お話を伺う機会がありました。
村井先生は、日本における催眠療法の第一人者で、私が催眠療法(ヒプノセラピー)のベーシックからプロコースまで学ばせて頂いた日本ホリスティックアカデミーの代表をされています。
今回は、年齢退行療法(インナーチャイルドセラピー)についてお話を伺ったのですが、幼少期の思い出が大人になった自分にどれだけ大きな影響を及ぼしているのか、改めて考えさせられる機会となりました。
私は小学校一年生の時に、母親から叱られたときに言われた「ママに嫌われるような子は、誰からも好かれませんよ」という言葉が、潜在意識の中にずっと残っていて、大人になってもその言葉に影響されているのだということに、年齢退行療法の勉強をしていたときに気づきました。
母は私を傷つけるつもりで言ったわけでもないでしょうし、きっとそんなことを言ったことも忘れていると思います。もしかしたら、実際は全く違う言い方で言ったのかもしれません。
でも、村井先生は「大事なことは、親が何を言ったのかではなく、子供がどう理解して、どう受け止めたのかなのだ」とおっしゃいます。
幼い子供はみな自分の経験値でしか理解できないため、客観視することができず、記憶はすべて主観的な事実として残ります。ですから、実際に親が言ったことと、子供が受け取ったことにはギャップがあります。
私にとっては、母親から言われた言葉が、自分の解釈通りに胸に突き刺さり、「私は誰からも好かれないんだ」という思いがどこかに残ったまま大人になってしまったのでした。
年齢退行療法(インナーチャイルドセラピー)では、催眠状態に入ると、自分が忘れていたようなことを思い出すこともありますが、大人になった自分の価値観でその出来事を見直し、記憶の書き換えをしていきます。
そうすることによって、例えば、わけもなく不安になったり怒りっぽくなったりしていた理由が確認でき、母親から言って欲しかった言葉を貰ったり、一緒にしたかったことをしたりして、幼少期にできた心の傷を癒すのです。
私自身も母親として、娘の心に突き刺さるような言葉を言ってしまったこともあるかもしれないと思いながら、それを直接本人に聞くことは怖くてできません(苦笑)。
でも幼い子を育てている娘には、傷ついたインナーチャイルドを作らないために、子供の理解に合わせたコミュニケーションを取ることがいかに大切なことか、しっかりと伝えたいと思っています。
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