エドガー・アラン・ポー「落とし穴と振り子』でサビアンシンボル天秤座19度を考える
私は今SUGARさん主催のサビアン研究会「谷間・オブ・サビアン」に参加してサビアンシンボルを深めています。
SUGARさんは様々な哲学や映画・漫画・小説・有名人を引き出しに解説されます。そして特に『俳句や短歌』とサビアンをすり合せて考えていて、これはとっても新鮮な結びつきだなと思っています。
俳句や短歌を読むことは、自然や見えない世界と、繊細に感応して言葉を表すことだったのか・・と日本古典文学をほぼ知らない私にとって驚きでした。そしてそれは占いで言葉を発することに通じることでもある。
研究会では、研究員のみなさまと「歌会」がありまして、サビアンシンボルを題材にした研究発表会があります。度数の意味を深く広くイメージ豊かに広げさせてくれます。
春分の歌会では、私は天秤座火星19度のエドガー・アラン・ポーを取り上げました。SUGARさんの音声教材でアランポーが取り上げられていて、とても刺激をうけたのです。
アラン・ポーの作品は映像で強く印象に残っている作品がありました。チェコの有名な映像作家ヤン・シュバンクマイエルの「落とし穴と振り子」です。
主人公が異端尋問にかけられ罪人となり牢屋に入れられ、拷問を受ける話です。20代の頃みた作品ですが、モノクロの映像で何が映っているのか微妙にわからないながらも、時折グッサリ心に爪痕を残す場面も多く、後味の悪い不気味な作品でした。
縛られて寝かせらえた主人公。その上から大きな鎌が、右に左に大きく揺れながら上からゆっくり落ちてくるシーンがまず最初の見せ場でしょう。
以下ネタバレあります。
この作品の流れはおおまかに
1:異端尋問
↓
2:罪人になり
↓
3:恐怖を与えられる
という流れです。これは天秤座のサビアンシンボルの16度から19度までの流れと重なっていると感じました。
青空文庫でこの作品を文章で読むと、拷問を受ける恐怖の中で冷静に考えているのがわかります。拷問を受けることは、体に痛みと心に恐怖を与えられることです。それは自分の体が蝕まれる=病気になっていく感覚だと思います。体がどんどん動かなくなっていく恐怖。しかしその中で感情に飲み込まれないまま、冷静に心身を観察している凄みがあります。
こんな作品を作り出したエドガー・アラン・ポーはどんな人だったのか。ホロスコープを見てみましょう。
火星は出生時間はastorodatabankのデータ、夜中1時を使っています。
サビはんだと10天体のサビアンシンボルはこんな感じ。
冥王星
魚座 13度:博物館にある刀
PISCES13:An sword in a museum.
海王星
射手座 7度:ドアをノックするキューピッド
SAGITTARIUS7:Cupid knocking at the door.
天王星
蠍座 10度:親睦夕食会
SCORPIO10:A fellowship supper.
土星
射手座 2度:白い波に覆われた海
SAGITTARIUS2:The ocean covered with whitecaps.
太陽
山羊座 29度:紅茶占いをしている女性
CAPRICORN29:A woman reading tea leaves.
木星
魚座 17度:復活祭の歩道
PISCES17:An Easter promenade.
火星
天秤座 19度:隠れている泥棒集団
LIBRA19:A gang of robbers in hiding.
月
魚座 10度:雲の上の飛行家
PISCES10:An aviator in the clouds.
金星
魚座 10度:雲の上の飛行家
PISCES10:An aviator in the clouds.
水星
山羊座 29度:紅茶占いをしている女性
CAPRICORN29:A woman reading tea leaves.
火星をみてみましょう。天秤座 19度:隠れている泥棒集団
この度数は社会的に認められていない危険なものを大事にする思想を持ち、新しい体制を作るタイミングを狙っています。
この絵はかなりポップな絵になってしまいましたが、さきほどの「落とし穴と振り子」から考えると、収監されて恐怖に向き合う度数です。隠れている『泥棒』は、隠れている『スパイ』のイメージも浮かびます。身分を隠し敵地に乗り込んでいきますが、正体がばれて、息を潜めて隠れている様子。そこでは死ぬかもしれないという恐怖が増幅されていきます。
この火星はノーアスペクトのようですが、マイナーアスペクトを見ると冥王星と144度。冥王星も火星も蠍座のルーラーですので死と再生の意味合いはとても強調されています。
冥王星のサビアンシンボルは冥王星 魚座 13度:博物館にある刀。
剣は3種の神器の中の一つでもあります。とても神聖な力が込められているものです。特にこのシンボルは博物館にあるので過去からの伝統がこの剣に流れています。
ポーと結びつけて考えると、彼にはこのような切り分ける力が備わっていると考えることもできるでしょう。
しかし私にはこの剣が「落とし穴と振り子」の中の「鎌」に感じました。ポーの場合は、出生の月にも近いですし、自分の命をえぐろうとする鋭い刀として感じていそうです。冥王星と火星の組み合わせは、刀が襲ってくる(冥王星)、その刀にいつ襲われるかわからない恐怖を味わう(火星)。
振り子の動きは、右に左に同じ距離の弧を描くイメージですが、これは天秤座のバランス感覚の現れです。右と左に動く真ん中で恐怖と向き合う。
火星冥王星アスペクトは144度の創造性の度数で、それらがクリエイションの奥深い源泉となっているようです。
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