サビはんイマジネーションの物語
出生ホロスコープのサビアンシンボル物語
サビアンシンボルの360個の詩文を消しゴム版画でつくった「サビはん」。その絵を使ってユング心理学のアクティブイマジネーションで、自分の元型的な物語をつくる試み、「サビはんイマジネーション」です。
私の出生ホロスコープ10天体でお話を作ってみました。
あるところに1人の男がいました。彼はお坊さんでずっと目をつぶって考え事をしたり、毎日森の中のお堂の中でぶつぶつと呪文を唱えているのでした。(冥王星 乙女座28度 禿頭の男)
男はその孤独な生活を楽しんでいていました。ある日毎日の日課の瞑想をしていたら、突然不思議な考えが浮かびました。自分の頭の前に毛が生えたというイメージが浮かんだのです。
ずっとしまってあった箱から、おでこに毛が生えた自分が出てきて、飛び出て走り去っていくというイメージが見えました。(牡羊座27度 想像の中で復活された失われた機会)
彼は慌てて自分のおでこに手を触りました。彼の家は鏡もないみずぼらしいお堂ですから、見て確認できなかったのですが、自分のおでこに、何かが生えていて彼は驚きました。
おでこからこんなカッコ悪い毛が生えてたら良いお坊さんになれないぞと彼は思いました。いつも自分で手入れをする剃刀がありません。髪の毛を切ってくれる床屋にいこうと思いました。上着を着てフードをかぶって、恥ずかしいからその毛が見えないようにしてお堂から出ていきました。 少し歩くと森の中ジプシーに会いました。(太陽双子座27度 森の中から出るジプシー)
ジプシーに
「この近くに床屋はないかな」と男は聞きました。ジプシーは
「森の外にあるわよ」
と言いました。
「私もこれから街に行くから一緒に行ってあげるわ」
と彼女は言いました。二人は森の中を歩いて行きました。
そこに一本の木の上に大きな大きな鳥の巣があって、小鳥の三兄弟が
鳴いているのが見えました。
小鳥はピーピー と鳴いています。誰も聞いてくれないのでとても大きな声で鳴き続けています。(水星 双子座23度 大きな木の上の三羽の雛)
ジプシーは
「三兄弟どうしたの?」
と下から大きな声で呼びかけました。小鳥三兄弟は
「ああジプシーの姉さん、今日は街には行かないほうがいいよ、今日は大きな会社で大きな交渉があって、街は大騒ぎだよ。」(双子座8度 ストライキ)
彼らはいつもいろいろ教えてくれるのです。
「あらそうなの、床屋もお休みかしら」
「ああ多分ね」
「お坊さんどうする?街に出るのは今日はやめておく?」
男は街にあまり行ったことがないので、大騒ぎの街を見に行きたいと思いました。「ねえさん悪いが、街には行ってみたいんだ」
ジプシー姉さんも森を出る予定だったので、
「わかったわ、じゃあ街に行ってみましょ。」
三兄弟は
「ああー知らないぞ知らないぞ」と鳴いています。
てくてく2人で森を歩いて行くと、インディアンの部族の場所に迷い込んでしまいました。インディアンの場所は森でも危ないところです。ジプシー姉さんが、男にしーっと言いました。
物陰で彼らの話を聞いていると、少年がどうしても森から出たいと言っているようですが酋長はそれを許さないようです。お母さんは息子を外の世界にだしてやりたいとお願いしているのでし た。(木星 蠍座29度 命乞いするインディアン)
ジプシーは言いました。
「ここの部族は本当に古臭いところだわよ。私は以前この部族にいたの。顔がバレると私は引き戻されてしまうから交渉したくないけれどあの少年が可哀想だわ。なんとかしてあげたい。」
「何をしたら良いのだろう?あんたはどうやって解放されたんだ」
「神様の羽根を部族にもたらしてくれた人がいて。。。。」
「神様の羽根って?」
「部族を守ってくれるという孔雀の羽よ」(土星牡牛座30度 古代の芝地をパレードする孔雀)
「よしその孔雀の羽とやらを探しにいこうじゃないか」
「そんな時間あるわけないでしょ、今すぐ持って行かないとダメよ」
と ごそごそ話していたら
「そこにいるのは誰だ!」
と男とジプシーは、インディアンたちに見つかってしまったのでした。
「ヤバイ!!あなたのそのフードつきの洋服着せさせて!!」
とジプシーは 男の服を借りて顔がバレないようにフードを深く被って下を向きました。
男はおでこから毛が生えてるのを見られるのでやだなぁと思いながらも貸してあげたのでした。
「いやいや、あやしいものではありません」
男は言いました。そう言う男のおでこを、インディアンの部族の大勢がシーンとして見つめています。
「あれ?」と男は思いました。シーンとしているからです。ジプシーも変だなと思ってチラッと目線をあげました。
「あら!!あなたのおでこに孔雀の羽が生えてるわ」
ジプシーが驚いて大声で言いました。男はびっくりして、でも落ち着いておでこから羽根を一本むしり取って、一世一代の大芝居を打つことにしました。
「私はこの部族に守護の羽根をもたらすために遣わされた者、ここの酋長は誰か」と男は朗々とセリフを語ります。ジプシー姉さんが思わず吹き出すぐらいになりきっていました。
「酋長は私だ」
「この羽根は新しい部族の守りになるだろうから、そのかわり誰かを新しい世 界に出さねばならない。この少年に新しい世界に向かわせよ。この母も懇願し ているではないか」
「了解した」
インディアンのお母さんは言葉を話せない人だけど、彼女は泣いて喜んでいるようでした。少年の表情も明るくなりました。男は孔雀の羽を恭しく酋長に渡しました。
その時突然、小鳥の三兄弟がバタバタ飛んできました。
「ピーピーピーピ ー!!向こうの山で山火事が出ているぞ!早く行って早く行って!!」 (火星 水瓶座19度 消し止められた山火事)
インディアンの酋長は
「女と子供は風上に回れ、男たちは道具準備して消火活動だ」そして部族を出たいと言っていた少年に言いました。
「お前も同行しなさい」そして男も手伝いに同行しました。
インディアンの部族は巨大な水を扱える部族だったのです。(海王星射手座2 度 白い波に覆われた海)
小鳥の三兄弟を案内されて、彼らはカヌーで上流の山火事現場に向かいます。他の船には消火するための秘密の道具が乗せられていま す。彼らがいるから森や山は守られ続けているのです。
恐ろしく燃える火の山に到着し、インディアンたちは、素晴らしいチームワークで火事を程なく消すことができました。インディアンたちはカヌーで川を下って部族の場所に戻りました。(天王星 天秤座9度 危険な流れを抜け安全な場所にたどり着いたカヌー)
女性たちが心配そうに 待っていました。みんな無事戻ってきてよかったよかったと言いました。
初めて消火活動に参加したインディアンの少年は自分の部族の仕事に触れて少し自分の部族が好きになりました。でも彼は新しい世界に行くことに気持ちは揺るぎませんでした。ジプシー姉さんが少年に
「あなたが本当にいく気なら、 私が街へ連れて行ってあげるわよ」少年は
「うん、新しい世界へ行ってみたいよ」
と言いました。少年のお母さん寂しそうでしたが笑顔で送り出してくれました。
おでこに羽根の生えた男と、ジプシー姉さん、そして少年は森から出て街に旅立ったのでした。その後男は床屋でどんな髪型にしたのでしょうね?
終わり
10個のサビはんを使って物語つくるのがけっこう大変でした。無理矢理結びつけたところもあって最後は息切れした話になってしまいました!
でもお話をつくってみて、冥王星のお坊さんを、実は太陽や月が牽引しているお話になってるのが面白いなと思いました。また蠍座29度のサビはんと双子座27度のサビはんの対比は私の中で本当に土台にあると感じていたので改めてお話にしてみて、私の元型的な物語を確認したと思います。(古い家族組織から解放されるテーマ)
この物語は、チューリッヒユング研究所分析家、夢告堂の今井晥弌先生に分析をしていただきました。こういうお話も分析できちゃうんですね!またサビはんのイメジの解釈がとても面白かったです。
先生からのアドバイスですが、アクティブイマジネーションでは「パッとでたイメージ」を、変に加工しないで、そのまま素直に使ってお話を作ったほうが良いとのことです。私のこの物語もかなり飛躍もありますがこれがいいのだな!と思います。みなさまも以下のリンク先でご自分のサビはんを知ってお話つくってみてほしいです。とても面白いので!このサイトで無料で絵でわかります。あなたも絵を使ってぜひ作ってみてください〜!