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【詩】 雪が降ったら
明日あなたを一人にしたくない
しんしんと雪が降っているから
あなたから遠いこの地が白で埋め尽くされる
独り言も動物達の笑い声も枝先を震わせる風も
すべての音を吸い込む白
熱を受けると溶ける白
重くなりゆく瞼の奥で思考の先にあるかもしれず突き進めばいつか届きそうな白
掴めそうでつかめない白
全てを振り払って原点に還る白
目指したものは柔らかな曲線を描く峠の果て
さぞかし美しい一色が視界を征服し
そちらとこちらの境界線が曖昧になるとき
あなたは少し私を思い出すのでしょう
あなたを見つめ私を見つめ
しかし答えと名の付く形などない
けれど確かにそこにある浮遊
想いは降り続ける
その一色を選んで
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