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田んぼの真ん中のボロアパートに住んでいた〜建物が脆弱すぎる〜

前回、ボロアパート暮らしにおける虫との闘いについて書いたが、受難は虫だけではなかった。

なんで寝室にコウモリが

その日は、平日の朝だった。

ブラック企業に勤務していたわたしはどうにか目を覚まし、泥のような心持ちとは裏腹に身体に染み付いた習慣に従って出勤の準備を始めるところだった。

ふと、寝室としている和室の壁が目に入った。
なんだか、いつもと模様が違う気がする。

深緑の土壁の一部がグレーになっており、また不思議な形状をとっていた。
近づいてみて、そのグレーの中に小さな顔を見つけて一気に血の気がひく。

コウモリだった。

何故寝室に?!こんな時はどうしたら?部屋から出すことなんてできるのか…???

一気に色んな考えが頭を巡るが、その考えの中に(非常事態だし会社行かなくていいんじゃね)とか言ってる自分もしれっと存在するあたり、図太いのかもしれない。

結局タオルで包んでベランダに出し、無念にも定刻通りに出社してしまった訳なのだが、部屋にコウモリがいる理由はなんとなく想像がついた。

というのもこの物件、堅牢性が低く隙間だらけなのだ。

強風の日には天井がズレる

ある風の強い日に、何かがズレた様な音に天井を見上げると、天井の一部にぽっかりと穴が空き、屋根裏が見えていた。

「え、何で、屋根裏が見えるの?」と状況把握に時間がかかったが、どうやら風が強いと天井に乗ってる板がズレるらしい。

そもそもそこの天井、板が乗ってただけなんだ…とショックを受けたが、やはり慣れるもので風が強くなると「あー天井戻してくるね」という感じに順応した。

この話を友人にした際「まさかそんな」と笑われてしまったが、ガチである。

全力で暴れたらコントみたいに倒壊しそうな建て付け

思い返してみれば入居してすぐ壁付けのタオルバーが落下し、再度取り付けようと見てみるとベニヤ板のように薄い壁の内装が露呈した…という事もあった。

ネジ止めの意味がないくらい薄い板なので保持できるはずもなく、がっちり付けようとすると壁ごと崩壊しそうなのでタオルバーは常時外しておくことになる。

さらに壁を押すと対角の天井が軋んだり、壁が弱すぎて突っ張り棒がことごとく落ちて使い物にならなかったり、階段の手すりは長さが合っていないのかガコガコ動いたり…挙げはじめればキリがない。

そんな脆弱な物件なので、巨大台風の襲来の時は恐れをなしてとっとと避難した。

幸いにも特に被害は無かったのだが。

隣人のタバコの臭いがこっちにも来る

ボロアパートは隣人関係も難しい。

なぜなら生活音も会話も丸聞こえだからだ。

気持ちよく歌ってるとめっちゃ笑われるし、なんならお隣がタバコを吸い始めるとこちらにも臭いが来る。
いや、臭いまで来るのはどうなんだ…

お隣は男の子2人を絶賛子育て中のご家庭で、まあお子さんの元気が良かった。

その上、夜型だった。

23時に運動会が始まるとこちらとしては悲惨だった。
「ギャアアアアアア!!」「キエエエエエエエ!!」という歓声、「こらぁー!」という母ちゃんの怒号、おもちゃを引き回す音…
音から逃れようと布団にくるまるわたしを嘲笑うように断続的な振動が身体を通り抜ける。

ここまでくるといっそ倒壊の危機なんじゃないかと思えてくるが、べつに倒壊する事もなく、ただ眠れないわたしがそこにいるだけであった。

当時はパートナーの時間差勤務が始まったばかりで、生活リズム的に早く寝たかったのだが、それは早々に諦める事となる。

建物の強さは大事だ。この物件がしかと教えてくれた。

これらの経験は間違いなく、その後の我々の賃貸選び基準に強い影響を与えたと言えよう。

読んでくれてありがとう。

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