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デザイナーではない私が、SmartHRのサービスデザイン組織に異動しました

2024年の7月から、コンテンツマーケティング部のMgrからサービスデザイン部のMgrに異動していました。異動して3か月が経ちます。

SmartHRに入社してから今までマーケ畑で生きてきた私にとって、デザインを担うチームのマネジメントを担うことは本当に挑戦だし、非常に責任が重い役割だなと思っていました。
じゃあなんで異動したのかは、後で書くとして、今のチームがどんなチームで、どんなことを目指しているかを紹介したいと思ってnoteを書いています。


サービスデザイン部とは

組織としては、「ブランディング統括本部」の中にある「サービスクリエイティブマネジメント本部」の中にある「サービスデザイン部」になります。(長い)
部のなかに「サービスデザインユニット」「サービスディレクションユニット」の2つのチームがあり、それぞれデザイナーとディレクターが所属しています。

サービスデザイン部の組織図

「サービスデザイン」と聞くとプロダクト開発におけるUI設計などもイメージされるかもしれませんが、現状、SmartHRのプロダクトの中で、とくにマーケティング活動における顧客態度変容を促すためのコミュニケーションデザインを担う部署です。(なので、部署名は変えるかもしれません)

簡単にいうと、マーケティングファネルの全般においてデザインやディレクションの力で事業貢献するチームです。

代表的な取り組みとしては以下があげられます。(関わり方はPJや施策によってさまざまです)

サービスデザインユニット

・サービスサイト
・展示会
・営業資料、ホワイトペーパー
・ユーザーコミュニティ(PARK)
・各種ノベルティ
・自社カンファレンス
・バナー、アイキャッチ
・オウンドメディア
などなど

サービスディレクションユニット

・プロダクトの機能リリースにおける成果最大化のためのPJ進行
・ユーザーコミュニティを担うチームのPJや制作ディレクション
・サービスサイトの改善・運用の一部ディレクション
・ブランディング戦略進行におけるPJの立ち上げ時のPOやPjM
などなど

どれもBtoBマーケティングにおいて不可欠なものばかりです。

デザイナーではない自分が、デザイン組織のマネジメントを担うにあたってやりたいこと

1.コンテンツマーケティングの経験を活かし、さらなる成果最大化を狙う

入社してからこれまで「コンテンツマーケティング」に関わっていた自分は、当然デザインの知識はゼロですし、ディレクション的なこともうっすらとしかやったことがありません。これらのプロが揃っているチームのマネジメントということは、業務上のスキルや知識では役に立てないことが明白でした。

ただ、これから一緒に仕事ができることにワクワクしていました。コンテンツマーケティング部にいたときにオウンドメディアのSmartHR Mag.のリニューアルをしたのですが、それは一緒にメディアのリニューアルを考えてくださったデザイナー・ディレクターの力があってこそできたものです。
そんな皆さんとお仕事ができるのか! と純粋に楽しみでした。

SmartHR Mag.

これからはさらに、SmartHRのマーケティング活動の成果を最大化すべく、自分がマーケティングに関わっていたからこそわかる「貢献度の高い領域」「デザイン・ディレクターが入る余地がある領域」に踏み込んで、皆さんに力を発揮いただけたらいいのかも…と思っています。

2.マーケティング活動にデザイン・ディレクションの考えをもっと取り入れる

当たり前ですが、デザイナー・ディレクターも人的リソースは限りがあります。すべてのPJにずっと入り続けるわけにはいかないですし、制作工数が無限に増えるわけではありません。当然かけられるお金だって限界があります。

マーケティング活動において、デザイナー・ディレクターでない方がもっとデザインやディレクションの考え方を取り入れられれば、事業の変化に合わせてサービスデザイン部としてインハウスデザイナー・ディレクターがコミットすべきことにより深く入れるようになります。
実際、マーケの方でもディレクションのような動きをすでにしている人もたくさんいますし、ホワイトペーパーの表紙やアイキャッチの案としてデザイン的な視点でたたきを作れる人もいます。

また、企業規模が大きくなるに連れて、部署を横断するプロジェクトが増え、関係者も増え、進行が難しくなります。サービスディレクションユニットのメンバーはこれらのプロジェクトを成功に導くためのスキルをもっています。このスキルや知見は、もっとブランディング統括本部に還元していけるはずです。
これらをやっていくために、まずはデザイン・ディレクションチームそれぞれの実績がまだまだ必要だと思っています。

ディレクターが作成したプロジェクト進行におけるさまざまな資料のイメージ
ディレクターが作成したプロジェクト進行におけるさまざまな資料たち

3.比較されたときに「負けない」コミュニケーションデザインを実現する

BtoBでSaaSとなると今は競合もたくさんおり、お客様はいろんなサービスを比較検討し、慎重に検討を重ねています。「競合相手はどうなのか?」「お客様は何を解決したいのか?」もきちんと理解したうえで、SmartHRが伝えたいことがちゃんと伝わるようにコミュニケーションデザインをする必要があります。

例えばサービスサイトも他社サイトと比較しますし、ほかのSaaSのツールを使いながらSmartHRを使うのも今は当たり前です。展示会に足を運んだ方がどこのブースに「寄ってみたい」と思うか、それらはすべて「競合」との比較の中にあります。

SmartHRとの最初の接点から導入、その後の継続活用までを担うサービスデザイン部において、お客様がSmartHRにふれるその瞬間は短期的なものかもしれませんが、積み重ねると年単位でのお付き合いになることもあるでしょう。

SmartHRの導入を検討いただくお客様がオンライン、オフライン双方のあらゆるタッチポイントの中で積み重ねていくコミュニケーションデザイン。それらを積み重ねたときには他社が追いつけない状態になっている。ここを担っているのがサービスデザイン部だと思っています。

比較されたときに「負けない」コミュニケーションデザインとは何か、私にはまだ答えがありません。ですが、たくさんのタッチポイントがあり施策数も多いなかで私たちのチームがそこを担わないと誰が担うのか! と思っています。頑張らねば。

そういえば、「ファネルを横断して、編集力で事業貢献する」そう掲げていたコンテンツマーケティング部と目指す姿はほぼ同じだなと思いました。アプローチがちょっと違うだけで。

なぜ異動したか

自分はもういなくても大丈夫だと思った

最初の話に戻ります。今回の異動は打診されたものでした。コンテンツマーケティング部のMgrとして1年ほどやってきたなかで、まったく別の組織(部署としてはお隣なのですが)のMgrとしての異動です。

「おもしろそう!」と思ったものの、正直とても悩みました。過去の職場では結構異動をしてきた人なので、異動そのものには抵抗はないのですが、Mgrというマネジメントを担う役割で異動するのは初めてです。
Mgrである以上、人を評価しますし、人の社会人人生のあらゆることに影響します。責任重大です。デザイナー・ディレクターではない自分が受け入れてもらえるのか? も不安でした。

が、当時自分がMgrをしていたコンテンツマーケティング部がとてもいい部で、いいメンバーに恵まれていて、「私、いなくてもよさそう」と思ったんですよね。これは悲観的な意味ではなくいい意味で。あと、私が長くマネジメントの立場に立っていたので、そのせいで組織のボトルネックになってしまってはいけない。そう思いました。

とはいえ、異動した先で早々に自分がボトルネックになる可能性もあります。ですので、失敗したら自分の居場所がなくなるだろうとは思っていました。
不安はいっぱいでしたが、夫が「仕事に必要なのはスキルでも経験でもなく、覚悟やで」ってどこかで言ってた言葉を胸に決意したのを覚えています。

これからチャレンジしたいこと

異職種のマネジメントの役割を果たすこと

セールスのマネージャーがCSのマネージャーになるor人事部長になる。みたいなことは、過去の職場ではわりとよくあったのですが、今の職場ではそう多くありません。
マネジメントのスキルは、自身が未経験の職種のチームに対しても一定通用すると思っています。というか、そうでないと組織はまわりませんし、モデルとなるキャリアのパターンも少なくなります。会社としてあまりない異動ケースなので、ちゃんといい事例になりたいなとも思っています。

たとえが適切かはわかりませんが、部活でたとえると、サッカー部のマネージャーに野球部のマネージャーを任せても、たぶんできると思います。(もちろん、学ばなければいけないことはたくさんありますが)
ちゃんとやれるのかは不安ですが、「40代半ば、まさにリスキリングの機会やん! と、不安とワクワクで情緒不安定です。(いい意味で)

異動して3か月経ちましたが、本当にいいメンバーに恵まれていて、私をあたたかく迎えてくれています。(たぶん)
ただ、難しいな〜〜〜しんどいな〜〜〜と思うことは当然いっぱいあります。自分のふがいなさに、夜中一人でしくしく泣いたこともあります。

でもですね、それもこれも全部SmartHRの社内の人と一緒です。ともに乗り越えていきたいです。暴力をふるう上司もいじめも嫌がらせもないです。信頼できる人ばかりです。

仕事でつらいことがあるなんて当たり前です。まだまだできていないことがたくさんありますが、「これだけ頭を使って仕事できるのもあと何年だろうな?」と思ったとき、意外と長くなさそうだなと思っているので、今はとにかく自分なりに頑張ろうと思っています。

改めて、皆さんよろしくお願いします。