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おっさんの不要な苦悩(バイク免許取得を奥様にカミングアウト)
普通自動二輪(中免)の教習に通い始めた、おっさんです。前回までで、教習に通うためのヘルメットとグローブを手に入れたものの、まだ家族にはバイクの免許を取りに行くことを伝えていないおっさんです。
どの程度のおっさんなのかと非常に多数のご質問をいただくので、おっさん度合いを毎回ご説明しているのですが、そうですね、ミッキーといえば吉野。ワンチャンと言われたら、王貞治さんを思い出す。そんな人間です。
最近の若い方の会話と噛み合わず、ご迷惑をおかけしております。
さて、バイクの免許をとりに行くため、教習所に既に勝手にお金を払い込んだことを、家族に伝えるときがいつかは来るわけですが、事前に色々頭で考えてしまいました。
〜想定1〜 夕食後、新聞読みながらサラッとスタイル
私: バイクの免許取りに行こうと思うんだけど。
奥様:(眉間に皺寄せ、舌打ちをこらえつつ)いいんじゃない。(声がバリトンもしくはバス)
以降、怖くてもう家に帰れません。
〜想定2〜 トイレ掃除しながらのスタイル
私:バイクの 免許とっていい?(振り返って最高の笑顔で)
奥様:なんでいるの?(既に声がアルト)
私:いや、必要かどうかじゃなくて、やりたいって話なんだよね。風になりたいんだよ!
奥様:なんでいるの?(そしてバリトン)
私:いやだから、必要かどうかじゃなくて・・・
夢 vs 現実の構図。こうなるともう一生噛み合うことはありません。
〜想定3〜 テレビ見ながらのスタイル
私:バイクの免許取ることにした。(努めて平常心のトーンで、抑揚をつけず。)
奥様:そう。(声域はアルト)
無関心の極み・・・
こうなるとむしろダメと言われたい。
おそらく最も想定されるのは3なのですが、勝手に一人で考え、勝手に落ち込む日々。
誰もダメって言ってないのに。
「自分で頑張って働いて、何が悪いって言うんだ!いい加減にしろ!」
(だから誰もまだ何も言ってないから。。。)
何かをしたい時、それが「必要」(もっと言うと「必須」)だからという理由で、それをするわけじゃないと思うんです。人生で手に入れたいと思うものは、必要なものだけじゃないのかもしれないです。なくても生きてはいけるもの。でも欲しいもの。人生の伴侶もそうかもしれません。
自分の力だけで生きていけるとは思わないが、一人でも暮らしてはいける。
ただ、その人がいないと人生はある程度モノクロームになることもあるわけです。でも日々は続くから、あなたがいないとしても生きていかなきゃいけない。バイクがなくても生きていけるけど、バイクに乗ればもっと世界が輝くんです!
ということなんですが、そんなこと言えるはずなく。
ではなぜ私も、「○○していい?」と聞くのか?なぜ、「こうしようと思うんだ」と言うのか。
あとで「何かあった時に、あの時いいって言ったよね?」と責任転嫁するため?(違うな)
「いいよ。でも気をつけてね。」と言って優しく認めて欲しい?(それはちょっとある)
結局ね、言って気持ちよくなるのは自分なんだろうなと。相手はなんでと思うだろうし、心配もするだろうし(え、しない?ん?)。
自分でも、書いてて非常にめんどくさいことになってきたなと思うわけです。
なので、教習所に行く前に一言だけ言いました。
「時間工面してバイクの免許取りに行くから」
人様に迷惑をおかけしない。自分で責任が取れることだけを責任を持ってやるしかない。お金が必要なら稼ぐしかない。ケガはしない。そんな決意をして、こう伝えました。
奥様の反応?ええ。とても気持ちよく、
「いいんじゃない。」(メゾソプラノ)
と言ってくれました。思ったとおりですよ(どの口が・・・)
正直にいえば、バイクに乗るのは人生で必須ではない。乗らないと年を取れないわけじゃない。何もそんな必要性はないんだけど、でも乗りたいんです。それしか理由がない。
昔、50ccのバイク盗まれる前に乗ってたときの気持ちよさをもう一度感じたい。それだけなのだから、正直にそれを伝えるしかないですよね。
バイクに乗りたいという理由以外に、バイクに乗る理由はいらないのだと痛感しつつ、奥様に感謝しながら、それでもヘルメットを小脇に抱えてリビングを小走りで通り過ぎ、電車に乗って教習に向かうのでした。
(気が向いたらつづく)