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SCA研修プログラム2021実践者ゼミに参加して

2021年10月、SCA研修プログラム実践者ゼミがスタートしました。来年の3月まで半年間という行程、学びたい意欲と環境に、わくわくする気持ちを隠せないでいます。今回は、実践者ゼミ参加にいたるプロセスを振り返り、初回講義を終えた感想をつづっていこうと思います。

1.数年前にさかのぼる実践者ゼミとの出合い

3年前、精神保健福祉士協会主催の勉強会に参加した私。そこに講師として来られていたのがSCA代表の横山さんでした。

確か“ミクロからマクロ視点へ”というテーマの講義だったように記憶しています。講義の最後のほうだったでしょうか。「例えば職能団体や他の活動などカタチはさまざまであっても、組織を超えたところでできることがある」というお話しがありました。

この言葉を聞き、当時組織に属しながら感じていた違和感ややるせなさ、課題意識、八方塞がりになっていた気持ちが少し上向きになったことを覚えています。


SCAのメルマガを見ていた私は、以前からプログラムの存在を知っていたのですが、開催場所が東京ということもありあきらめていました。

私は、質疑応答の時間に「SCAの研修プログラムに参加したいと思っているが大阪では開催されないでしょうか?」と聞きました。横山さんは「またそのような状況がでてきたらお知らせします」と答えて下さったように思います。

時は過ぎ昨年、オンラインで実践者プログラムが開催されることを知ったのですが、応募するにいたりませんでした。

ちょうど組織をぬけることを考え始め、自分のことで精一杯だったことが理由です。仕事をするうえで感じていた違和感はどんどん大きくなり、組織への働きかけが届かなかったことも相まっていました。

そんなこんなで3年越しとずいぶん遠回りしましたが、今年10月、実践者ゼミに「えいやっ」と飛び込んだのです。

2.初回講義を終えて

実践者ゼミのコースは、一般コースの人たちも参加する講義2時間にくわえ前後数時間ずつを使い、終日かけて学びの時間が用意されています。

初回は東京大学の本田由紀先生の講義でした。

「日本社会の変容」というテーマで、1960年代から現在にかけての社会構造を丁寧に解説して下さいました。

家族構成や家族観、収入格差の変遷、学校教育について、就職氷河期や非正規雇用など仕事について、さまざまな問題は循環し合っていることを改めて知ることになります。

これまでの社会構造を理解することで、現状感じていたソーシャルワーカーとしての課題感がしっくりきました。なるほど、だからこうなのかと腑に落ちる感覚があったのです。

講義のなかで印象に残っている言葉がふたつあります。

ひとつめは「アクティベーションとセーフティネット、どちらか片方ではなく2枚を重ねないといけない」という部分です。

仕事で子どもや若者に関わることが多くあり、セーフティネットを整えて終わりではないことを体感する日々です。安心できる環境が整ったあと、彼らにはまだまだ続く未来があります。「その将来(アクティベーション)、例えばしっかりNOと権利主張できる環境があること」の大切さ。両方が整ってこそ、その人らしい生活を送ることができるのではないかと改めて感じました。

ふたつめは「誰もがそれぞれに尊重され、可能性を発揮することができ、安心して生きてゆける社会を」という言葉です。

この言葉は、ソーシャルワーカーとしてだけでなく、自分を含め誰もにとってそうあってほしいと心から願います。

じゃあどうすればいいのだろう、なにができるのだろうという疑問や課題意識を持つ他のゼミ生との出会いも、私にとってはとても嬉しいものでした。

3.学びにワクワクする気持ちがあるということ

実践者ゼミは、講義以外の時間もたっぷりもうけられています。他のゼミ生との対話の時間が多くあり、そこでは自身の課題意識や考えについて内省する機会があります。

初回講義から心の刺激ボタンは押されっぱなしで、あと5ヶ月間どうなるのだろうと、わくわくする気持ちを隠せないでいます。

ソーシャルアクションなんてとても遠く感じ、身動きの取りづらさから思考はすすまずジタバタしていた3年前。

意を決し慣れた世界を飛び出してみたら、横山さんがおしゃっていた「組織を超えたところでできること」を自分なりに考える日々がありました。おぼつかないなりに動き始めることもできました。

フリーランスになり、不安な気持ちを横目に、ただ夢中で駆け抜けてきたこの1年。今後の自分の働き方、活動の方向性を振り返りまた進んでいくため、この実践者ゼミに参加できることを嬉しく思います。

何より楽しい。それがいちばん。





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