心が溶かされた、入学式。
「もうすぐ一年生になるんだよ」「ランドセルをしょって小学校に行くんだよ。お兄ちゃんと一緒のところだよ」「給食も楽しみだね」・・・。春休みのあいだずっと次男に声をかけていた私。しかし、私こそがわかっていなかった。
在宅の仕事に追われていた3月。その合間に書類書きや持ち物の準備。日々焦りながらやるべきことをこなしていた私には、彼が小学生になるということに対して感慨にふける余裕はなかった。実感が湧いていないことにも気づいていなかった。
入学式の前夜、布団に入った後でそれはやって