全国の好きなお菓子 和菓子編
私は食いしん坊なので、小さい頃から美味しいと思ったお菓子はずっと忘れずにいます。おとなになって改めて味わって感動したお菓子、お取り寄せするお菓子を紹介します。まずは和菓子編から・・・
外郎(ういろう)・山口県
これはソウルフードと言っても過言ではない、幼少期より大好きな郷土銘菓。
名古屋など他の地域のほうが有名だが、山口のは材料にわらび粉を使っていて軟らかい。味はスタンダードな小豆、あっさりして白い手亡豆、風味豊かな抹茶、黒糖などがある。私は白と抹茶が好きである。
御茶席などでお上品に切って出されるお菓子のようだが、私も家族も包み紙をぐるっと剥がしながらかじっていた。
通常は一本ずつ真空パックで販売されているが、出来た日か翌日くらいで売り切る「生外郎」が更に軟らかくてとても美味しい。
山口外郎は他県ではあまり知られていないが、贈り物にすると皆さん気に入って食べてくれる。
きびだんご・岡山県
子どもの頃、父親が岡山に出張する際に毎回ねだって買ってきてもらった。
現在は一個ずつ包装され、可愛い箱に入っているものを良く見かけるが、昔は平たい箱に木の格子状の仕切りが入り、整然ときびだんごが並べられている姿だった。
薄い紙で表面を覆ってあり、子ども心に、宝の箱を開けるかのようにうやうやしく紙を広げていたのを記憶している。
きびだんごは薄い黄色(黍粉の割合で色が違う)をしていて、優しい触感と上品な甘さで、もっと食べたいのを我慢しながら大事に食べていた。
最近は黄粉がけ、餡入り、フルーツ味などバリエーションが豊富のようだが、やはりスタンダードで整然と並んだきびだんごが一番美味しいと感じる。
栗きんとん・岐阜県
これはお節料理に入っている、栗の甘露煮と芋ペーストが混ざっているきんとんとは全く異質なものである。
すり潰した栗と砂糖を混ぜて茶巾搾りにした高級な和菓子で、他の追随を許さないくらい、本当に美味しい。
子どもの頃親戚のお土産で食べて衝撃を受け、どこのお菓子か知らないまま、ずっと忘れずにいた。
学生時代、岐阜県に住んだら近所の和菓子屋に並んでいるではないか!
栗の採れる時期にしか出回らないので、毎年秋がくるのが楽しみだった。
作るのに非常に手間がかかるので値も張るが、食べる価値のある超絶おすすめのお菓子だ。
我が家では毎年お取り寄せしている。
飴もなか・新潟県
これは新潟出身の同級生に貰って衝撃を受けたお菓子。
長岡のお菓子で、四角く平たい最中の皮の中に、なんと!水飴が入っている。
水飴だけが隙間なく詰めてある。
品質の良い、あっさりした甘さの水飴の粘度とさっくりした軽さの最中の皮が、なんとも言えないハーモニーを醸し出して、クセになる食感と味わいだ。
中身が水飴だけに、開発には苦労したそうだ。真夏でも溶けだしたりしないのが不思議だ。
水飴の最中は、他の地域では一切見かけたことがないので唯一無二のお菓子だろう。
あまり関東で置いているのを見たことがないので、なかなか食べられない。
久々に思い出したので食べたくなった。
カステラ・長崎県、栃木県など
一番有名で、食す機会が多いのは長崎県のカステラだろう。
底面のザラメがちゃりちゃりした歯触りで、カステラのしっとりふわふわ感を引き立てていると思う。
栃木県の日光には、葵の御紋があしらわれた金の箱に入ったカステラもある。カステラ表面に金箔をあしらってあり、さすが徳川様といった印象だ。
カステラは値段と美味しさの比例度合いが顕著にわかるお菓子だと思う。
高級なものほど、黄色みが強く、しっとり感が強い気がする。
友人と、カステラに合うのはコーヒーか紅茶か?いやいや牛乳だ!と論議したことがある。
個人的にはカステラには濃い緑茶が合うような気がする。
軽羹(かるかん)・鹿児島県
これは好き嫌いが分かれるお菓子かもしれない。
山芋が入った独特の食感と風味で、私は大好きなのだが、息子はあまり好まないようだ。
これも値段と美味しさが顕著に比例すると感じる。
お高いものはしっとりしているが、そうでもないものはパサつく気がする。
餡の入った、かるかん饅頭が一般的に知られているかもしれないが、私の好物でおすすめなのは、ブロック状にカットされた、かるかんそのもの。
蒸しパンより硬めで、手で割るとぶちぶちと生地が切れるような不思議な触感。甘さは控えめで独特の香りと舌触り。
かるかんも物産展くらいしか買える機会がないので、そろそろ食べたくなってきた。
五家宝(ごかぼう)・埼玉県
これも好き嫌いが極端に分かれるお菓子だろう。
もち米をサクっとおこし状にしたものを水飴入りの蜜でまとめて黄粉をたっぷりまぶした棒状のお菓子。
太さや長さ、黄粉の色にバリエーションがある。
噛むとフニャッとした食感で、黄粉が口内の水分を一気に奪うため、むせたり、舌がくっついて暫く喋れなかったりもする。
わざわざ買いに行くほどでもないが、箱でいただいたりするとすごく嬉しい素朴なお菓子。
祖母の好物だったので(香ばしい上に軟らかくて食べやすい)、帰省時はよくお土産にしていた。
他にも色々と好きなお土産、和菓子がある。
今治の丸ごとみかん大福、大垣の柿羊羹、水戸ののし梅、松山のぼっちゃん団子、鹿児島のかからん団子、福井の羽二重餅、関の孫六煎餅、博多の二〇加煎餅などなど・・・
今はコロナ禍で旅行もままならない、物産展があったらご当地のお菓子を買って、その土地に思いを馳せたい。
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