Pokemon Goは、アメリカ人に対話2.0を学ばせる事が出来るか?

 Pokemon Goの大成功おめでとうございます。

「ポケモンGO」公開4日で売上14億円突破、米調査会社データ

 すでに社会現象になっているようで、これまでアメリカ国内で集客に困っていた団体にもなんか影響が出ているようです。

ついにリリースされた「ポケモンGO」が多くのユーザーを教会へ送り込む 「神が何かを伝えようとしている」「初めて教会へ行ったよジーザス」

多分、近いうちに美術館とか博物館にもポケモンが出て、それを良しとするとかコントロールするか、反発するかって話も出てくるでしょう。裁判所とか面倒くさい所にも出現しそうだけど、Google的には遂に黒歴史になりかけていたウェアラブルデバイスの復活を狙っているでしょう。確実に。

さて、こんな記事も出ていました。

『ポケモンGO』大流行で、アメリカ人がついにメートル法を理解wwwwwwwww

 蛮族が西ローマを侵食した結果カソリックになってしまい、死後の救済を求めてスペインまで大遍路をした様に、Googleの経路を通って日本のPokemonがアメリカを文化汚染するのは胸熱ではあるけど、なんだろう…。この、なんかすみません感は…。

 しかし、それにしてもPokemonはすごい…。

 僕が英国に留学した頃、英米のキャラコンテンツ業界にマンガ・アニメの様式が入っていく隙が全く無かった。もちろんフランスなどと違いテレビで日本のアニメは流れていなかった。ディズニーやワーナーなどのコンテンツの力を思い知らされていた訳だけど、牙城を崩したのがPokemonだった。

 ゲームボーイで出たポケモンは瞬く間に流行り、Pokemon the movie以降あっという間だった。英国にあっという間に日本のキャラクターがあふれたのを覚えている。特に、丁度同系統のアニメであるデジモンやカードキャプチャーさくらや、遊戯王のキャラグッズが出まくって、英国どうしちゃったの?とびっくりしたのを覚えている。

 アメリカでのPokemon以降のゲームボーイの当たり方は凄まじく、二匹目のドジョウを狙おうとして、多くの日系ゲーム会社が参入を図ったがちっともブルーオーシャンじゃ無かったのは、御存知の通り。その為にどれだけの会社が倒産の危機に追いやられた事だか。(SEGAもSNKも…)

 これまで、外国に攻めていく割に異文化への学習力が大変低かったアメリカが唯一と言って良いぐらい抵抗力のないPokemonに再感染したのが今回の事件な訳だけど…、言っておくけど、同じ英語圏でも英国ではこうはならないからね。

 これは完全にアメリカの民族性だろうと思う。普段KKKや911以降や、デトロイトのジャパン・パッシングやらと、なにかと容易に異文化を迫害して来たこの国の文化がポジティブに裏返っているだけで、事の暴力性はあまり変わらない。フランスだったら、絶対に「文化的汚染」として政治家から規制が掛けられる。結構なスピードで。

 レミングスの様に考えていなさそうな積極的感染行動を見ていると、これまでの行動も対立する異文化への拒絶反応ではなかったんだなと分かったのが新しい。単に異文化との対話力が全く無くどちらかに極端になっていた訳だろう。そんな国が外交すりゃ、そりゃ碌な事にならないよね。

 感染源のPokemonを掌握するためにアメリカが日本を攻めてきてもおかしくないレベルではある。そんな政治的な働きに対して、アメリカに任せたらPokemonがダメになると、反政府地下Pokemon master達のレジスタンス活動のドラマとかNetflixでやってくれたら観る。

Pokemon拠点の日本を超火力で滅ぼそうとする帝国の兵器を破壊するための地図を探しに行くレジスタンス達…って、これはローグワンか。

メートル法だけでなく、アメリカが勉強してこなかったものを色々と学ばせてやってほしい。ちなみに、敵勢力の人格も描いて、ライバルが悪魔じゃない対話すべき人間だと摺りこんだのもPokemonだと思っている。

 アメリカの異文化との対話レベルがこれで上がると良いなぁと思いながらも、ジャイアニズムが失われても困るなぁと悩ましい所。

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