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地域おこし協力隊ってどんな人が向いている?
こんにちは。
とある元地域おこし協力隊のta.maです。
今回は、どんな人が協力隊に向いているのか?について、お話できたらと思います。あくまで、自分が住んでいる自治体、周辺の自治体の協力隊の様子を踏まえながらの紹介になります。必ずしも、こんな人でないとダメという訳ではないので、参考程度に読んでいただければと思います。
地域おこし協力隊になりたい人は、地域おこし協力隊に向かない
私の経験での話になりますが、応募者で評判が悪い人、協力隊を途中で辞めた人、協力隊を卒隊したけど上手くいっていない人は、たいていが「地域おこし協力隊になりたい人」です。
簡単に説明すると、
”地域おこし協力隊って、人の役に立っているみたいで素敵な仕事なのでやってみたい”
”昔からボランティアが好きで、地域おこし協力隊になって貢献したい”
といった感じの人です。
確かに名前の通り、地域に貢献する仕事ではありますが、ボランティア感覚では絶対にやっていけません。そういった人は、理想と現実のギャップに苦しむことになると思います。実際に、そんな感覚で協力隊になった人は、4カ月で辞めていきました。また、その考えで協力隊になっている人は、地域の人に対して、良い顔をしたがる人が多い印象です。そのため、「〇〇に話をしてオッケーって言ってたのに、全く進展がない。」といったトラブルが生じたりします。これも実際にあった例ですが、卒隊した人に対して、「あいつは嘘つきだからな。」なんて話をする地域住民がたくさんいる状況になったりします。
協力隊は、地域に貢献する仕事で、確かにやりがいはありますが、ボランティアみたいな感覚でやれる仕事ではありません。むしろ、「自分のアイデアややりたいことで、この地域に貢献したいんだ」って人の方が好まれたりします。
コミュニケーション能力と調整能力は必要
協力隊は、必ず地域住民とコミュニケーションを取ることになります。そして、田舎の人達は、人と話すことが大好きです。なので、人と話すことが苦手という人は、ちょっと厳しい仕事になると思います(もちろん、任期中にコミュニケーション能力を伸ばしていく人もいますが)。
自分の周りで上手くいっている協力隊は、やはりコミュニケーション能力と調整能力が高い人が多い印象です。地域の人とコミュニケーションを取って、信頼関係を築いているからこそ、本音で話し合える。お互いの意見を尊重し、どこを落としどころにするのかを話し合うことができる。上手くやっている協力隊は、この流れができている人が多いです。実際、上手くやっている協力隊は、少しでも嫌と感じたら、ためらいもなく「No」と言える人が多いです。そこから議論が始まり、最終的に両者の考えの折り合いがつくところで落ち着きます。その人に対して、地域の人達は、「あいつは頑固だからなぁ(笑)」なんて冗談を言いつつも、皆頼りにしている感じです。
このように、人の懐に入っていけるようなコミュニケーション能力、地域の考えと自分の考えを上手くまとめられる能力があると、地域おこし協力隊として活動はしやすくなると思います。
最後は根性!!
色々紹介しましたが、結局、最後は根性です。協力隊になった場合、前職とは全く異なる職種になる場合が多いです。そして、地域ならではの考え方やローカルルールなど、戸惑うことばかりです。なので、最初の1年間はしんどい場合が多いと思います。でも、その大変な1年がなければ、2年目には繋がっていきません。
自分の協力隊1年目も大変でした。日中は慣れない農作業をしながら、夜はパソコンでの事務作業を行うといった生活で、前職よりも働いていたような印象です。でも、その1年があったからこそ、翌年は仕事に慣れてきて、自由に使える時間も増えてきました。また、自分の仕事ぶりを地域の人は見ているので、自分に協力してくれる人もどんどん増えていきました。
協力隊で活動していると、「やりたいことがあるけど、何から始めていいかがわからない」なんて相談が来ることもあります。例えば、「団体のHP作りたいけど、どうやって始めるの?」、「情報発信したいけど、SNSってどうやるの?」といった感じです。
自分も協力隊の時に、HP制作の相談をもらったことがあります。「HP制作なんて、こっちが教えてもらいたいくらいなんですけど…」と思いましたが、「良い経験になるし、自分のスキルにもなる」と考え、結局HPを1から作り上げました。こんなことが、そこそこの頻度で来る場合もあります。
こういった未経験のことに対して、抵抗なく、粘り強く取り組める人は、地域の人の評価も上がりますし、それが回り回って活動の幅を広げることにも繋がります。もちろん、無理な場合は無理と言うことも大切です。体を壊しては、元も子もないので…。
頑張って取り組んでいる姿は地域の人にも評価される上、未来の自分にも繋がっていきます。協力隊は、自分の進む道(卒隊後の進路)を自分で決めていく仕事にもなるので、どんなことでも粘り強く取り組める根性は大切になってきます。
協力隊で上手くやっていくために必要なことをざっと紹介させていただきました。
これをまとめると、協力隊に向いている人は、”自分のアイデアややりたいことを地域の人と調整しながら実現させていくような人”、”色々なことに粘り強く取り組める人”が向いていると私は思います。
くり返しになりますが、これは私の考えなので、これらがなければ協力隊になれないという訳ではないです。ですが、経験上、こういった人が上手く活動しているのは事実ですので、地域おこし協力隊になろうかなと思っている方、地域おこし協力隊を受け入れる側の方の参考になれば幸いです。
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