【声劇フリー台本】漠然とした鳴き声

陰鬱台本です。
苦手な方はご注意ください。

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【利用規則】

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◆この台本の著作権は全て影都千虎に帰属しています。

　商用・非商用問わずご利用いただけます。
　ご自由にお使いください。

　利用時のご連絡は任意ですが、ご連絡をいただけますと大変励みになりますし、喜んで影都千虎が拝聴致します。

　音声作品には以下を明記するようお願いいたします。
・作者名：影都千虎
・当台本のURLまたは影都千虎のTwitter ID
（@yukitora01）

　配信でのご利用も可能です。
　配信で利用される際には、上記二点は口頭で問題ございません。

　また、配信で利用される場合、台本を画面上に映していただいて構いません。

　台本のアレンジは自由ですが、台本の意味合いが大きく変わるような改変（大幅にカットするなど）は不可とします。
　便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。

◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。

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【台本】

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　生きている意味が分からない。
　別に死にたい理由はないけれど、生きたい理由もない。

　やりたいことが無いわけでもなかったけれど、出来ないことに気が付いた。
　人生は思うようにいかないのが当然で。
　努力は報われるどころか認められないのが基本で。
　やればやった分だけ搾取をされて。
　回復することなく消耗して、飽きたらその内捨てられる。
　ただ、世間体を気にして毎日同じ時間に起きて、毎日働いて。
　世間一般でいう人間らしい生活を送るためだけに生きている。

　別に、そんなことする必要もないのに。

　やる必要がないのなら、やらなくてもいいんじゃないか。
　意味がないのなら、死ななくてもいいけど生きなくてもいいんじゃないか。

　無気力なのか、自堕落なのか。
　自分の人生に見切りがついたのかそんな考えが頭にこびりついて離れない。

　他人には生きていてほしいと願う。
　死んでしまったら悲しいから。
　辛そうにしていてほしくないから。
　だからできるだけ幸せに生きていてほしいと思う。

　けれど、自分はそうではない。

　自分が死んだところで自分は困らない。
　どうせ幸せにはならないと諦めがついている。
　この先がどうなろうとどうだっていい。
　できることなら早めに終わってほしい。
　その程度だ。

　いつになっても、平然とそんなことを口走る。
　ただのエゴだ。
　他人に優しいわけでも、自己犠牲的なわけでもない。
　そこまで自分を捧げられるほどのお人よしではない。

　こんなことを考えているからと言って深く沈みこんでいる訳では無い。
　特別何があったわけでもない。
　至って平常。
　通常運転だ。
　ただ単に、目覚めた時から気分が良くなかっただけ。

「おはようございます」
「おやすみなさい」
「いただきます」
「ごちそうさまでした」
　これらと同じような感覚で「死にたいです」「生きていたくないです」と口にしているだけ。

　どういうわけか、笑えてしまうほどに身体は動かない。
　何もしたくない。
　何もやりたくない。
　何もできない。
　ただただ惰眠を貪って、暗くなった部屋で一人茫然としている。
　理由もなく『悲しい』に近しい感情を抱えたまま、空っぽの頭で同じ画面を何度も繰り返し見つめている。

　生きていたくない。
　できれば死んでしまいたい。
　けれど、それを行動に移す勇気もなければ気力もない。
　ただただ鳴き声のように呻くだけ。

　ああ、こうして無駄に消費した一日が終わっていく。
　明日からはまた、はたからみたらマトモに生きているように見えるよう動かないといけない。

　少し考えただけでうんざりするな。