【声劇フリー台本】観望の独り言
無数にある星の中で、たった一つの星だけを眺めて呟く、お気持ち台本です。
少し陰鬱とした感情を吐露してみてください。
※ご利用の際は利用規則をご一読くださいますようお願い申し上げます。
【利用規則】
◆この台本の著作権は全て影都千虎に帰属しています。
商用・非商用問わずご利用いただけます。
ご自由にお使いください。
利用時のご連絡は任意ですが、ご連絡をいただけますと大変励みになりますし、喜んで影都千虎が拝聴致します。
音声作品には以下を明記するようお願いいたします。
・作者名:影都千虎
・当台本のURLまたは影都千虎のTwitter ID
(@yukitora01)
配信でのご利用も可能です。
配信で利用される際には、上記二点は口頭で問題ございません。
また、配信で利用される場合、台本を画面上に映していただいて構いません。
台本のアレンジはご自由に行いください。
便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。
◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。
【台本】
こんな時、言葉って本当に無力だね。
いや……無力なのは、この感情を言葉で表すことのできない僕だ。
言葉のせいにしちゃいけないね。
今にもバラバラに砕けてしまいそうな星を、僕はただ、眺めることしかできない。
痛々しく輝きながら消えてしまいそうな星に手を伸ばせたらどんなによかっただろう。
でも、所詮は僕のエゴ。
星が消えないでいてほしいと、その星に手を伸ばしたいと、勝手な願いを僕が抱いているだけ。
僕はあの星のことをあまりに知らない。
想像して、わかった気になっているだけの役立たずだ。
迷惑な感情を抱くだけの、迷惑な役立たず。
吐き出すべきではない感情を留めておくことすら出来ない。
これは僕の大きな大きな独り言。
くだらなくて醜い、エゴの塊。
こんなことを思う一方で、暗闇の中で瞬く星が『美しい』と思ってしまうこともあるんだ。
暗闇に溶けてしまいそうな光がどうしようもなく愛おしいと感じるんだ。
おかしいだろう?
どうしようもなく、矛盾している。
あの光が危ういものだと知っているのに、危うい輝きをいつまでも眺めていたい。
強く輝いている必要はないんだ。
強く、煌煌と輝く星よりも、儚く溶けてしまいそうなあの星が僕は好きなんだ。
ああ、なんて勝手なのだろう。
なんて汚い感情だろう。
こんなとき、言葉って本当に無力だね。
言葉では表せないような薄暗い感情が僕の中で渦巻いている。
言葉のせいにしてしまおう。
今にもバラバラに砕けてしまいそうな星を、僕は今日もただ眺める。
届かない手は伸ばさない。
ただ、『消えないで』と勝手な願いを抱きながら。
どうしようもない独り言を呟きながら。
僕はただ、星を眺める。