【声劇フリー台本】『あい』をあげる
生まれたてほやほや実験体が『あい』を知ろうとする一人用台本です。
なぜなに期の子どもみたいなものだと思ってください。
博士を連呼する箇所は回数にこだわらず連呼してみてください。
ずっとみていると『博士』の文字列がゲシュタルト崩壊を起こしますのでご注意を。
※ご利用の際は利用規則をご一読くださいますようお願い申し上げます。
【利用規則】
◆この台本の著作権は全て影都千虎に帰属しています。
商用・非商用問わずご利用いただけます。
ご自由にお使いください。
利用時のご連絡は任意ですが、ご連絡をいただけますと大変励みになりますし、喜んで影都千虎が拝聴致します。
音声作品には以下を明記するようお願いいたします。
・作者名:影都千虎
・当台本のURLまたは影都千虎のTwitter ID
(@yukitora01)
配信でのご利用も可能です。
配信で利用される際には、上記二点は口頭で問題ございません。
また、配信で利用される場合、台本を画面上に映していただいて構いません。
台本のアレンジはご自由に行いください。
便宜上、一人称・二人称を設定しておりますが、いずれも変更していただいて問題ございません。
◆無断転載、改変による転載、自作発言は絶対におやめください。
【台本】
この色は青色。
このぷくぷくは液体。
ボクがいるのは水槽。
目の前にいるのは博士。
ボクにとって世界はこれが全て。
博士は今日もボクに『あい』をくれる。
博士の『あい』はいろんなところがズキズキする。
ズキズキして、ドクドクして、グラグラする。
『あい』をもらうと、からだの奥底がギュッてする。
ゾワゾワと、なにかがわきあがってくる。
これが『かんじょう』というものなのだと、博士は教えてくれた。
『かんじょう』があるから『あい』が生まれて。
『かんじょう』があるから『あい』を与えたくなる。
そして、『かんじょう』があるから『あい』が欲しくなる。
だから博士はボクに『あい』をくれるんだって。
博士はそう言っていた。
博士も、『あい』がほしいのかな?
ボクは博士のように言葉を話せないから、博士に聞くことはできない。
『かんじょう』というものが何なのか、ボクはよく分かっていない。
博士に『あい』をあげたらわかるようになるのかな。
博士はたまに、目からぽたぽたを出している。
ぽたぽたは『なみだ』っていうんだって。
博士が『なみだ』を出していると、やっぱりからだの奥底がギュッてする。
『あい』をもらうときとは別のギュッ。
これも『かんじょう』なのだと思う。『かんじょう』はいっぱいあって難しい。
どうしたらいいのかな。
そうだ、水槽から出て博士に『あい』をあげよう。
えい。えいえい。えいえいえい。
あれ? 水槽がばらばらになったら、ぷくぷくが無くなっちゃった。
ぷくぷくが無くなったら青色も無くなっちゃった。
青色じゃない色はなぁに?
博士に教えてもらわなきゃ。
博士。
博士、博士。
博士、博士、博士。
博士博士博士博士博士博士博士博士博士博士博士博士博士博士博士博士博士。
博士。
どうしてだろう。
博士に『あい』をいっぱいあげただけなのに、博士は動かなくなってしまった。
どうして? 博士の真似をしただけなのに。
動かなくなってしまった博士を見ていたらボクからも『なみだ』が出てきた。
ねえ、博士。
この『なみだ』がどうしてでるのか、ボクはまだ教えてもらっていないよ。