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FXにおけるアービトラージとは?市場の歪みを利用する投資戦略

「そもそもアービトラージってどんな取引手法なの?」
「アービトラージって確実に利益が出るって本当?」

アービトラージとは、別の名称として「裁定取引」や「さや取り」とも言いますが、ざっくり説明すると、同じ商品に発生する価格差を利用し取引することにより利益を出す手法のことです。さや取りと言われるように、さやを取る取引手法ということですね。

アービトラージといっても色々種類があるのですが、ここでは特にアービトラージEA(自動売買ソフト)でできる業者間アービトラージについて説明します。そこだけ見たい方は目次から飛んでください。
EAは以下のものになります。


アービトラージとは


アービトラージのメリットとデメリット

メリットについて

説明の前に、そもそもアービトラージを行うメリットとは何でしょうか。
概ね以下のようなメリットが考えられます。

  • 相場の変動に関わらず、価格差さえ存在すればよい

  • トレードに関する戦略は一切考える必要がないため、トレードの知識や経験は必要ない

アービトラージはこのようなことから、普段トレード手法や戦略について悩んでいるFXトレーダーにとっては、大変魅力的な取引手法のように思えます。
トレードとは通常は相場が動く方向を何かしらの情報をもとに予測し売買を行うことですが、アービトラージは相場の動き自体には全く関係ないからです。

デメリットについて

デメリットについては、まず一昔前と違い、現在の環境だとFXブローカー間の普段の価格差はほとんどなくなってきています。
またそれ以外にも口座凍結のリスクがあります。ほとんどのブローカーはアービトラージを禁止しているため、バレた場合は口座凍結されるリスクが付きまといます。

※なぜブローカーはアービトラージを禁止するのか※

端的に言うと利益が出る手法だからです。ブローカーは顧客に利益を出されると困るわけです。そのくらいFX業界は呑み行為で儲けてるブローカーが多いということです。

ブローカー側の意見としては海外だと「絶対に利益が出る卑怯な手法だから禁止」、国内だと「サーバーに負荷をかける行為だから禁止」などかなり苦しい言い分です。

アービトラージに違法性などはなく法的拘束力は全く無いので、そう言うしかないということだと思いますが、ここまでアービトラージを禁止扱いにしているのはFX界隈くらいです。


ただし、販売しているEAではこれらのデメリットに対応しており、リスクを小さくしています。

具体的には

  • MT5を使うこと(MT4に比べ処理速度が段違いに早い)

  • 通常時の価格差はあまりないので、指標時になるべく取引をさせること(指標時は価格差が数十pips開くことは普通、また見かけ上ニュースタイムトレードのように見える、加えて指標時の取引だけでも利益は十分見込める)

  • 後述するレイテンシーアービトラージ(1レッグアービトラージ)をEAで行うこと(ブローカーが禁止しているのは異なる口座間での両建てなため、1つのブローカーでの取引ではアービトラージと思われにくい)

これらによりリスクは小さくなります。

FXにおけるアービトラージ

商品の価格にブローカー間で差が発生した場合にそれを利用し利益を取るアービトラージですが、FXにおいて商品とは通貨ペアのことを指します。ドル円やユーロドルですね。

FXにおけるアービトラージの種類としては以下のものがあります。

  • 業者間アービトラージ

  • 3通貨間アービトラージ

  • ボーナスアービトラージ

  • スワップアービトラージ

このEAでできるのは、このうち業者間アービトラージになりますので、それについて説明します。

※ちなみに同一口座内で行う「3通貨間アービトラージ」は安全ですが、異なる口座間で行う「ボーナスアービトラージ」「スワップアービトラージ」は口座凍結のリスクが高いのでやめたほうが無難です。
特に「ボーナスアービトラージ」はブローカーが最も嫌う手法です。

業者間アービトラージ

EAでできる業者間アービトラージについて説明します。
ある通貨ペアにおけるブローカー間の価格差を利用し取引を行うものになります。具体的には以下の2パターンになります。

①レイテンシーアービトラージ(1レッグアービトラージ)

レート配信の早いブローカーを先行指標とし、配信が遅いブローカーでエントリーを行います。

例えばある時点で両ブローカーのドル円価格が100円だとします。
レート配信の早いブローカーAの価格が100.1円になった時、配信の遅いブローカーBはまだ100円のままであれば、Bで買いエントリーを行うといった感じです。

為替はこちらが向いています。私はほとんどこちらで利益を取ってました。
また口座凍結のリスクもかなり小さいと思われます。

②ロックアービトラージ(2レッグアービトラージ)

上記の例で両建てを行うパターンになります。Aで売り、Bで買いの両建てを行うというものです。価格差が再び閉じた時に両方同時に決済を行えば、上記の例でいうと理論上は必ず10pipsの利益が取れることになります。

仮想通貨やCFDはこちらが向いているという話もあり取引所などを対象に行う場合は良いと思いますが、MT5を使用しFXブローカー、特に通貨ペアを対象にする場合はあまりおすすめできません。理由は後述します。


以上のように業者間アービトラージ戦略は同一通貨ペアにおいてある業者間で価格差さえ存在すればいいため前述のとおり、

  • トレンドを気にする必要がない

  • チャートを表示する必要すらない

  • テクニカルやファンダメンタルの分析をする必要がない

などの利点があります。取引ロジックについて調べたり悩む必要がないわけです。
だからといって簡単放置でできるわけではなく、ブローカー選定のため、また実際の日々の取引のデータ取りなどが必要になってきます。

FXブローカーでは1レッグアービトラージがいい理由

上記の説明だと2レッグのほうが確実に利益が取れるような気がするかもしれません。2レッグだとエントリーした時点で利益が決まっていますが、1レッグだとエントリーした時点では利益になるかどうかは分からないからです。しかし実際にやってみるとそうではないことが分かります。

そもそも2レッグより1レッグのほうが利益が出やすい

私も最初は2レッグのほうがリスクが少なく利益が取れると思い、そちらから始めました。
レート配信の早いブローカーの損益合計と遅いブローカーの損益合計のデータを1日ずつ取り始めると、ほとんどのケースで早いブローカーでマイナス、遅いブローカーでプラスが出ていることが分かりました。
つまり遅いブローカーのみでエントリーを行ったほうがプラスが取れるということです。

これはバーチャルでの取引の段階での話です。さらにリアル取引に移行した時に次項のスリップの問題が出てきます。

※EAには実際の注文は行わず、注文するべき価格を記録する機能を搭載しており、それをバーチャル取引と呼んでいます。

スリップの問題も1レッグが有利

現在FXにおいて圧倒的なシェアをほこるMT4/MT5の主流の約定方式はMarketExecutionとなっており、この約定方式はいわゆるスリップ(正確にはスリップではないのですが、見かけ上スリップと同じなのでここではスリップと呼ばせていただきます)が発生します。スリップはボラが大きいときほど発生しやすく、逆にボラが小さいときはあまり発生しません。

アービトラージにおいてのトレードチャンスは2業者間の同一通貨ペアにおいて価格差が生まれた時です。そしてそれは指標時などの急にボラが大きくなった時に起こりやすいです。つまりアービトラージ取引では、ほとんどのケースで大なり小なりスリップが発生します。

実際にデータを取ると分かりますが、ブローカー側はスリップは有利な方向にも不利な方向にも平等に発生すると説明をしていますが、ほとんどのケースで不利な方向に滑ります。

1レッグでやる場合スリップは1ブローカー分で済みますが、2レッグでやる場合はそれが2ブローカー分と大きくなってきます。

このEAは注文を出した価格がCSVファイルで記録されるようになっており、実際に約定した価格と比較することにより、どのくらい滑りが出ているかも全て正確に分かります。

つまり理論値でも1レッグのほうが利益が出るのに加え、スリップの問題でさらに1レッグのほうが利益が出やすくなります。

2レッグだとブローカー側にバレるリスクが高い

詳しい方なら有名な話なのでご存知かと思いますが、基本的にほとんどのブローカーがアービトラージを禁止しています。厳密には異なる口座間での両建てを禁止しています。
2レッグをおすすめ出来ない理由として、2レッグを行っているとブローカー側にバレるリスクが高くなります。2つのブローカーが同じリクイディティプロバイダーを使っている場合はほとんどバレると思っておいたほうがいいです。

その点1レッグだと見かけ上は指標時取引(ニュースタイムトレード)のように見える、というか指標時取引と何ら変わりません。現在の環境において価格差が発生するのが指標時に集中するためです。多くのブローカーがアービトラージを禁止にしていますが、指標時取引を禁止しているところは少ないです。

実際に販売しているEAで1レッグでアービトラージがバレたことは1度もありませんが、2レッグが疑われたことはあります。
※ただしアービトラージが理由で口座凍結されたことは1度もありません。

まとめ

FXにおけるアービトラージについて解説しました。

以上の理由から1レッグをおすすめしています。
もちろん2レッグも行えますが、口座凍結のリスクや損益がマイナスになるリスクが格段に上がるため2レッグはおすすめできません。

EAは以下をご覧ください。

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yukitoneko
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