【001】その海外向けの記事、誰がどのようなタイミングで見るべき情報ですか?
先日、HONEの桜井さんが、書籍:戦略ごっこの内容を参考に、「メディア×ターゲット×オケージョン×プレファレンス」の考え方という記事で以下のメディアごとにオケージョンを考えるフレームワークをnoteで共有していました。
私はこれを見て、「海外向けWebマーケティングでこそ、このフレームワークは活用するべきだ」と感じました。
桜井さんの記事はこちらから
活用できると感じた理由は大きく分けて2つ
1.海外からモノを購入するには強烈な理由が必要
海外からモノを買うというのは相当心理的なハードルが高く、特定のオケージョン(悩み、ニーズ)がある顧客に適切なプレファレンス(情報)を提供していかないと行動して貰えません。
つまり、顧客がどういったオケージョンで自社の商品を必要とするかというオケージョンとプレファレンス(伝える情報)の解像度を上げていく必要があります。
2.海外のユーザーは初回訪問では購入しない
一般的にECサイトの成約率の基準値は1%と言われています。裏を返せば、99%の人は購入せずに離脱してしまいます。そのため、複数のタッチポイント・メディアで顧客接点を持ち、知って頂き、深く知って頂くプロセスを設計する必要があります。
また、複数のメディアでタッチポイントを持つにしても、それぞれのメディアが独立して機能していては意味を成しません。各メディアの役割を定義し、点と点が繋がり、線となるからこそ意味を成すわけです。
それではどのようにこのフレームワークを活用し、海外に売る難題を実現すれば良いのでしょうか?
海外Web担当者がどういった落とし穴にはまっており、どのようにこのフレームワークを活用し、乗り越えるべきなのかまとめました。
海外Web担当者が陥りがちな落とし穴
海外向けにWebマーケティングを行う際に各種メディア(チャネル)でタッチポイントを持ち、クライアントにアプローチしていくことは、よくあることだと思います。
Instagramで知って頂き、自社ECに遷移させ、メルマガを通して自社や商品に対して深く知って頂き、最終的に購入いただくといったカスタマージャーニーを描いたことがある人も少なくないでしょう。
しかし、「それぞれのメディアを見るユーザーがどういったオケージョン(瞬間、シチュエーション)の時にどういったプレファレンス(情報)を提供することで価値を感じて頂けるのか」まで考えきれているケースは少ないです。
よくあるのが海外向けにブログメディアやInstagramアカウントを運用し続けているものの、そのメディアでどういったオケージョン(瞬間、シチュエーション)のユーザーにアプローチし、どういったプレファレンス(情報)を伝える媒体なのか定義されておらず、ただただ運用されているといったようなケースです。
前述のように海外のお客さまに商品を買って頂くというのは精神的なハードルがとても高く、特定のオケージョンのユーザーにきちんと適切な情報を提供できていないとわざわざ海外から買う理由がないため、行動して頂けません。
顧客の解像度を上げるという言葉をよく使用しますが、顧客だけでなく、オケージョン(瞬間、シチュエーション)、プレファレンス(情報)の解像度まで上げていかないとブログを更新しても誰にも見られない、見られても態度変容が行われないものになってしまいます。
そういったときにこのフレームワークを活用し、それぞれのブログ記事の役割を定義しなおすことで、どの部分を解消するべきかが分かります。
同じメディアでも接触タイミングによって伝えるべき情報が変わる
また一つのメディア(チャネル)でも初回タッチポイントでのオケージョン(瞬間、シチュエーション)と二回目以降のオケージョンではユーザーの理解度や知りたい情報が異なるため、伝えるべき情報が異なってきます。
例えば、Instagramで顧客に知って頂くために配信したリールと深く知って頂くために投稿したハイライトでは伝えるべき内容も目的も異なります。
しかし、Instagramの運用という抽象度の高い言葉で括られてしまい、どういったオケージョンのターゲット顧客にどういった情報を提供するかまで明確になっていないケースは少なくありません。
海外向けメディア運営が上手くいっているかどうか分からない
「メディアは運営しているけど、そのメディアが上手く機能しているかどうか分からない。」、上司に「海外向けメディアは上手くいっていますか?」と聞かれても、本来の役割が定義されていないせいでKPIが曖昧になってしまっている。
またはズレてしまっており、「上手く機能しているかどうか分からない。」と相談してくる方は少なくありません。
そういった状況でも、このフレームワークを活用することで複数のメディアの繋がりを考えられるようになるだけでなく、1つのメディアの中でのタッチポイントごとの役割を整理、深掘りすることにも使うことが可能です。
情報の発信方法に応じて役割が異なるのであれば、顧客のオケージョンから逆算してどういったクリエイティブが適切かも考えることもできたり、適切なKPIを設定し、メディアが役割を果たしているかも把握することも可能です。
海外向けにメディアを運営することは国内向けと比べて時間も工数(コスト)もかかるものです。
こういったフレームワークを活用し、「何をするべきか」、「そして何をしないべきなのか」を明確にし、限られたリソースを最大限成果に繋がるところに注いで貰えたら嬉しいです。
もし自社の海外向けメディア、サイトの役割がきちんと整理できていない。上手く機能しているか分からないとお悩みの方はご相談ください。