【読書】スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?
「人気ブランドって、どうすれば作れるんだろう?」
ビジネスを興すにあたり、私が持っていた疑問。
そんな疑問を解消する本に出会えた。
本書は、スターバックスというブランドを築き上げたノウハウを46個のルールとしてまとめ、
「マーケティング&ブランディング」「サービス」「人材育成」という3つのカテゴリーに分けて紹介している。
スタバという実績あるブランドを支えたルールなので納得感が高く、それなのに自分でも実践できそう!と思えるものが多かった。
なかには意外なルールもあり、自分の考え方を変えるきっかけにもなった。
今後仕事で使えるように、私が心に留めておきたいと思った3つの考え方を記録しておく。
1. 強いブランドを築くための土台は、「従業員を大切にすること」
強いブランドを築くためには、関わる "人" を大切にする必要がある。
ここで言う "人" とは、
主に「従業員」と「顧客」を指している。
このうち、
というのは意外なルールに思えた。
「ブランドを築くために、従業員って関係してくるの・・・?」
率直にそう思った。
「ブランド」と「従業員」。
一見結びつかなさそうな2つの要素だが、スターバックスは、従業員の待遇にコストもパワーも注いでいるそうだ。
例えば、
社員/パートタイムの両者に充実した福利厚生を用意している。
従業員一人ひとりが直接会社に意見・提案を行える制度がある。
そして注目すべきは、従業員から寄せられた意見に会社側が耳を傾けるだけでなく、意見に対する対応までしっかり行うことが多いこと。
特に後者については、前職やアルバイトの経験を思い出してみても、自分の意見がダイレクトに会社に反映されることは少なかったように思うので、スタバで働いている人にとってプラスの影響がありそうに思えた。
なお、スターバックスが従業員を大切にする理由は、以下のような考え方が根底にあるからだそうだ。
2. ブランドを広めるためにスタバがやったこと
スターバックスは、自社のブランドを広めるより先に、「スペシャルティコーヒー」という新たなカテゴリーを世に広めたという。
これは以下の考え方にもとづいている。
スターバックスが現れる前は、
「コーヒーは、刺激(カフェイン)を得るために我慢して飲むもの」
というのが社会通念だった。
このため、「コーヒーを楽しむ」という新たな体験に魅力を感じてもらうためには、まずそのことについての知識を顧客が持つ必要がある。
スターバックスは、「スペシャルティコーヒー」というカテゴリーについて知りたいと思う顧客にまずカテゴリーを広め、そのうえで自社の上質で美味しいコーヒーへのこだわりを顧客の意識に植え付けていった。
こうすることで、「スペシャルティコーヒー」の第一人者となったそうだ。
3. 「本物の口コミ」こそが効果的な宣伝になる
スターバックスは、従業員を大切にするのと同じくらい、顧客の体験にもコストとパワーを注いでいる。
このことは、
「顧客を大切にする」という意味もあるし、
同時に、口コミが自然発生するための重要な要素でもある。
これは、私の実体験としても合点がいく。
私はたまのご褒美として、ランチやフラペチーノ目的でスタバに行くことがある。
そのため、いつも久しぶりの来店となるので注文に不安を感じることが多いのだが、そのことを察知した店員さんが毎回優しく声掛けしてくれるのでほっとする。
そしてどの店舗に行っても、来店から退店まで自分が大切に扱われたと感じるのでまた行きたくなるし、大切にされた経験を知人に話してしまう。
スターバックスは、これこそが効果的な宣伝になると考えており、本物の口コミが発生するために必要だと思えるところに多くのコストとパワーをかけている。
まとめ
値下げやテレビCMを打たなくても、ブランドは築くことができる。
この事実は、スタートアップ企業にとって、大変心強い。
本記事ではブランドを築くために必要となる考え方のうち、私の心に残った考え方を3つ記した。
なかでも、私は
「従業員を大切にすることが重要である」
という点が最も心に刺さった。
そう思っているが、お客様を笑顔にするよりも先に、まず一緒に働いている仲間を笑顔にすることが先なのだなと痛感した。
「仲間を笑顔にすることができないのに、お客様を笑顔にすることはできない。」
このことを胸に深く刻み、一緒に働く仲間を笑顔にできているか確認しながら、仕事をしていきたい。