フリーランス開業のよくある質問とその答え
こんにちは。yukito ohiraです。
フリーランスエンジニアとして独立して6年目になるので、周りの人から「フリーランスってどうやってなればいいの?」ということについて質問を受けることが増えてきました。
今回の記事では、個人事業主の開業に関するよくある質問と、それに関する答えを自分の体験談を踏まえてまとめました。
【より詳しく知りたい方はこちら】こちらの方が新しいです。↓
※以下、メモ書きを文章化したので、「だ、である調」で書いてます。
開業に必要な資金
会社設立と違い、開業届を出すのは完全無料で行えるため、「仕事を取って自分の口座にお金が振り込まれるまで」しのげるお金を用意しておく。(店舗開業や新しく事務所を構える、仕入れの必要な商売を行う場合はこの限りではない。)
答えをほしがる人が多いので書いておくと、生活費の6ヶ月分くらい用意しておくと安心できる。
開業届の出し方
役所に行って紙をもらってその場で書く。所用時間10分。
いちおういろいろな項目がある用紙を渡されるが、名前、屋号、住所など自分がわかるぶんだけで問題ない。
自分の場合は「わからない項目が多いので窓口で聞こう」と思って窓口に行って聞こうとしたらそのまま受理された。そういうもんらしい。
確定申告(青色申告)の届け出
役所で開業届と一緒に出す。
会計ソフト
freeeかマネーフォワードを使うと良い。
税理士もそのプラットフォームで探せる。
国民年金と健康保険
会社員は厚生年金と社会保険に加入するが、フリーランスは国民年金と国民健康保険に加入することになる。
手続きは役所でできるので、開業届、確定申告の届け出と同時に行うと良い。
会社の健康保険と国民健康保険は、保険の機能としてはほとんど変わらない。「社会保険だと保険が適用されて、国民健康保険だと適用されない」ケースというのは基本的にない。
国民年金は収入によらず16000円程度。こちらは厚生年金を納めている場合より支払額は安いが将来戻ってくる金額も安くなる。
「フリーランスになると、会社負担してくれた分も自分で負担しなければならないので健康保険料が二倍に!」とよく言われるが、年金の月々の支払額が下がるので「健康保険+年金」のトータルで見るとそれほど変わらない。
税金まわりの話
所得税→確定申告時。二年目からは予定納税あり。
住民税→6月、8月、10月、1月。
消費税→売り上げ1000万円まで免税。ただしインボイスに注意。
「稼ぎに追いつく貧乏なし」基本的に、常識的なお金の使い方をしていれば税金の納付で苦しくなることはない。
納付税額を見て面食らうことがなかったといえば嘘になるが、結局のところ支払えているので問題にならない。
それから、どうしても支払いが苦しいときは役所に相談すれば納税をリスケできる。大事なのはほったらかしにせず支払う意思を見せて交渉すること。
契約書の読み方・書き方
各契約書のひな形はネットに落ちているので、適宜自己責任のもとで利用する。
管理はクラウドサインを使うとラクだが、pdfにしてgoogle drive管理でも問題ない。
基本的にはビジネスというのは「信義誠実の原則」によって行われるものだが、何かあった場合の損害賠償が青天井だったり、無期限のサポートを求められるような契約書には注意すること。
請求書の発行
freeeに請求書発行の機能があるので、これを使うとよい。
請求書を出さなければお金はあなたのところに入ってこないので注意。
客先常駐でサラリーマンと同じような働き方をしていると忘れがち。
確定申告の実務
基本的には自分で行う。
3ヶ月に1回くらいはレシートを会計ソフトに打ち込む時間を取ると良い。始めるまでひたすらにめんどくさいが、実際に集中してやれば3ヶ月分の記帳は3時間程度で終わる。
わからないことがあれば税務署に聞きに行けば教えてくれる。
どうしてもめんどくさいなら税理士にお願いする。ただし記帳はやっておいたほうが良い。
経費になるものは?
「事業のために購入した」ことを胸を張って言えるもの。
何でもかんでも経費で落ちるわけではない。
「何でもかんでも経費にしていい」と思っている人は大抵個人事業をやっていない。インターネットでの妬み半分の情報を鵜呑みにしないこと。
「事業のために購入した」ことを胸を張って言えるもの以外はきちんと自分の財布から落とすようにした方がよい。
クレジットカードは作れる?
作れる。個人の経験で言うと、パルコカードと楽天プレミアムカードは問題なく作れた。
楽天カードは個人事業主向けのカードもあるので、是非検討してみるとよい。
賃貸は借りられる?
絶対に引っ越せないわけではないが、審査で躓くことは確かにある。
そういうものだと割り切って数をこなすのが良い。
一番の解決策は、会社員時代に引っ越しを済ませておくこと。
住宅の購入
住宅ローンはおりない、と考えておいたほうがよい。少なくとも開業して2~3年、確定申告書が出そろっていない時は。
なお、節税のやりすぎで確定申告書の年収が下がりすぎると金融機関から信用されない。
基本的に節税と信用はトレードオフ。資本主義ではカネを儲けるやつが信用される。人柄ではない。
借り入れを行いたければ所得税を高く納めることになっても、経費を抑えてある程度の年収で申告する方が良い。
必須ではないもの
融資
事業を興すのに借金をする必要は必ずしもない。
融資を引いていなければ、漫画とかでよくある「事業に失敗して借金まみれで破滅」というパターンにはなりにくい。
ただし、創業時に国から借りられる「創業融資」は条件が超有利にできているので、事業を継続していく見込みと意思があるならば借りたほうがよい。
オフィス
自宅で作業できる業種なら必要ない。
法人化すると固定オフィスがないとなかなか面倒なことにぶち当たることがあるが、個人事業主では特にそういったケースは考えにくい。
ホームページ
口コミやSNSなど、仕事を取ってくる手段が他に確立している場合に無理して作る必要はない。
事業計画書
融資を前提としないならば必須ではない。
とはいえ、まったく収支を考えずに事業を始めても破綻するので、ざっくりとした収支イメージは頭の中で持っておいたほうが良い。
最初のうちは、貸借対照表ベースで考えるよりもシンプルに「売上-支出がプラスかどうか」で考えるとよい。慣れてきたら、CF計算→損益計算→貸借対照表と発展させていく。
銀行口座
個人の口座で問題ない。
ただし、お金の管理の面でいうと事業専用の口座を作っておいたほうが圧倒的にラク。
私用の支出と事業の支出が混ざってしまうと会計ソフトの入力がとてもめんどうなことになる。
扱いとしては「個人」なので、法人口座開設よりも基本的にはスムーズに口座開設ができるはず。
↓法人だとこんな感じで苦労します
名刺
ホームページと同じく、「自分を信用して仕事を任せてくれる人がいるならば」必須ではない。あくまで顧客獲得のための一つのツール。
まとめ
今回の記事では、個人事業主の開業に関するよくある質問と答えについて解説してきました。
フリーランスという生き方は、サラリーマンと比べるとどうしてもリスクがあるものだと思います。
しかし、リスクを取らなければリターンも得られないというのも資本主義のルールです。
正しい知識を持っていれば、リスクに対して備えることもできるので、是非この記事だけでなく、他のフリーランスの体験談も参考にして自分のキャリアを考えていって欲しいと思います。
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