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素数ホッケーの紹介と攻略法
どうも、数学大好きなゆきとです。最近素数ホッケーというゲームにはまっているので、その紹介をします。
ゲームのリンク
こちらから遊ぶことができます。パソコンの十字キーの左右で移動、Sキーを押すことでパッドの移動速度が上がります。
素数を自陣に入れるとその数だけ得点が加算されます。合成数を入れてしまうと残機が減っていき、残機が0になるとゲームオーバーです。合成数をひたすらはじき返し、素因数分解していきましょう。
2025-01-30 06:00:00時点での1位記録は、私が2025-01-30 04:23:31に出した7550点です。ぜひ挑戦してみてください(競技人口が少ないのですぐに超えられると思います)。
作者はtest(仮)さんです。作者は糞ゲーと言っていますが、まごうことなき神ゲーです。
糞ゲー作った
— test(仮) (@Test_Kakko_Kari) August 31, 2023
素数ホッケー - Epigonenhttps://t.co/CE6oI310nt
素数ホッケーの歴史
かつて、東京都江東区にあるパナソニックセンター東京内に「リスーピア」という施設があり(2006年~2020年)、その中の3階一番奥に「素数ホッケー」というゲームがありました。
ルールは基本同じです。対戦形式であること、時間制限があることが、現在との相違点です。
その後、リスーピアは2020年に閉館し、素数ホッケーも失われました。
記事の一番初めに貼った素数ホッケーは、このリスーピアの素数ホッケーを参考に、test(仮)さんが2023年に一人用ゲームとして独自に作り上げたもののようです。とてもすごい。
一応、Panasonicさんが出している「Prime Smash!」というゲームが正式な移植先ということになっているようなのですが、ゲーム性がやや違うためここでは紹介しません。気になる方はリンク先へどうぞ。
自分語り
子供のころ、母に連れられてリスーピアに行き、そこで出会ったのが素数ホッケーでした。算数が好きだったためすぐにのめり込み、あまり乗り気ではない母を延々と相手取ってプレイしていた記憶があります。ごめんね。
(Twitterで「素数ホッケー」と調べると、意外にも素数ホッケーにのめり込んでいた人は多かったようです。もしかしたら、リスーピア内で私と会っているかもしれませんね。)
先日久々にリスーピアのことを調べてみた結果、閉館していることがわかってショックだったのですが、何気なく素数ホッケーを検索窓にいれてみて見つけたのが、この神ゲーです。test(仮)さんありがとう!
そもそも素数や合成数とは
分かる方は、次の見出しまで飛んでください。
素数とは、「1とその数自身以外に約数を持たない、2以上の整数」のことです(約数というのは、その数を割っても余りが出てこない数のことです)。例えば、17は2~16のいずれでも割り切ることができないため素数ですが、16は2で割り切ることができるため素数ではありません。
(素数を「約数がちょうど二つある正の整数」と解釈することもできます)
素数ではない数のことを合成数といいます。上記の例でいうと、16は合成数です。
ある数の約数を因数とも言い、特に素数の因数を素因数といいます。
素数ホッケーのコツ(~500点)
この段階では、おおむね50以下の数しか落ちてきません。そのため、以下のことに気を付ければ大丈夫です。
素数はなるべく自陣に引き入れる
2,3,5などの素数は、パッドではじき返してもペナルティがあるわけではありません。合成数と素数が混ざった集団が落ちてきたときは、ためらいなくすべてはじき返しましょう。
ただし、むやみやたらとはじいていると、画面上の情報が多くなりすぎて余計な残機減少を招きますので、余裕のある時は自陣に引き入れましょう。
九九に出てくる数字はしっかりとはじく
九九に出てくる数字は、1,2,3,5,7を除いてすべて合成数です。それらをノータイムで合成数と判定できるようになると、序盤の動きが安定すると思います。
49=7×7は要注意です。一見素数っぽい見た目をしています。7の段が苦手な方は特別の注意を払いましょう。
下1桁に注目する
下1桁が0,2,4,6,8のいずれかの場合は2で割ることができます(「偶数」と呼ばれますね)。また下1桁が5の数は5で割ることができます。2と5を除いてこれらの性質を持っている数は合成数ですので、しっかりとはじきましょう。
例えば22=2×11、26=2×13なんかは九九に出てこない、2で割ることができる合成数です。ノータイムで合成数だ!と思えるようにしましょう。
500点までをノーミスで行けるようになると、以降のプレイングも安定してきます。残機は(時間に依存するのかスコアに依存するのかはわかりませんが)徐々に増えていくようなので、ここで残機を稼ぎましょう。
素数ホッケーのコツ(~3000点)
2桁の数、特に先ほどまでは出てこなかった50~99がバンバン落ちてくるようになります。ここでは先ほどの気を付けることに加えて、以下のことにも気を付けましょう。
各桁の和が3の倍数かどうかを見極める
各桁の和が3の倍数であるときは、元の数も3の倍数です。
例えば51=3×17は、各桁の和5+1が6です。6は3で割れるので、さかのぼって51も3の倍数となります。
この判定法は3桁以上になっても有効です(例えば111=3×37など)ので、覚えておいて損はありません。また、69=3×23のように、各桁がすべて3の倍数で構成されているときは、この判定法を使わずとも3の倍数だとわかりますね。
91に気を付ける
どこからどう見ても素数ですが、実際には91=7×13です(私はこいつを「合成数界の素数顔」と呼んでいます)。これはピンポイントで覚えてしまいましょう。
視野を上に広げる
下(パッド周辺)ばかり見ていると、突然現れた数への対応が後手後手に回ってしまいます。余力のある時に画面全体を見渡し、合成数が今どれくらいあるかを把握しましょう。特に、各合成数の角度と速度から、「どの数が早く下に到達するか」を把握できるようになると、生存率は格段に上昇します。
Sキーを活用する
視野を上に広げた結果、「2つの合成数が同時に下に到達する」という結果が導き出されてしまうこともあります。このような事故に対処するために、適度にSキーを使ってパッドの動きを速めてあげましょう。濫用しすぎると制御がきかなくなるので、そこは注意です。
素数ホッケーのコツ(~7550点)
2023年の時点での最高記録は、2023-09-04に誰かが記録した3064でした。ちょうどここを超えたあたりから、生意気にも3桁の数が飛んでくるようになります。
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分からない数があったらとりあえずはじいてみる
ここまでくると、その数をピンポイントで覚えていない限り素数か合成数かを瞬時に判断するのは難しいと思います。わからない数があったらとりあえずはじき、結果を見て記憶し、次のプレイングに生かすなどの工夫が必要になってきます。
101、103、107、109は素数
100番台4兄弟です。これらを瞬時に得点源にすることができるようになると、スコアがみるみる伸びていきます。
約数の多い数の軌道を覚えておく
例えば64=2^6は、すべて素数にするまでに実に5回もはじかなければなりません。軌道に注意を払っておくと、次にはじくときの負担が少なくて済むような気が(個人的に)しています。
7の倍数判定法を覚える
ある数から98=7×14を引いても、その数が7で割れるかどうかの結果は変わりません。これは想像以上に便利な特性です。
例えば200から98を引くと102です。もう一度引くと4です。これが7の倍数ではないので、200は7の倍数ではないのですが、この200→102→4という数の並び、「100の位から引いた数を、2倍して1の位に足している」という操作とも解釈できますね。
これを使うと、119を19+2=21なので7の倍数だ!と瞬時に計算できるようになったり、133を33+2=35だから7の倍数だ!と把握できるようになったりします(実際、119=7×17、133=7×19です)。
素数ホッケーのコツ(7550点~)
私はこの領域に到達したことがありません。また、140以上の数がふってくるところも見たことがありませんが、この先も数はどんどん大きくなっていくものと予想されます。そのため、この先注意すべきであろうことを書いていきます。
143、187、209、221は合成数
143=11×13、187=11×17、209=11×19、221=13×17です。2桁の素数の積が当たり前のように出てくるはずですので、見落とさないようにしましょう。
とくに221は、リスーピアにあった元祖素数ホッケーでも猛威を振るっていたようです。
小学生の時遊んだ「素数ホッケー」について、十数年越しに「あん時は221が強敵だった」と述べて母に引かれたことがある。
— Sharpandup (@TK68reiji) March 27, 2022
はじいた結果を覚えまくる
3桁の素数をいつまでも抱えておくのは、あまりお勧めできません。どうしても見るたびに悩んでしまうため、一度はじいて素数だとわかったものは取り込んでしまいましょう。
4、6、8、9に注意
3桁の数が当たり前になってくると、1桁の数に注意を払わなくなります。しかしこいつらは大胆にもパッドの横を何食わぬ顔ですり抜け、我々にダメージを与えてきます。逃してはなりません。
終わりに
いかがだったでしょうか。素数のことをあまり知らなくても、なかなか楽しめる奥の深いゲームだと思いました。普段使わない脳みその部分を使ってみたい方は、ぜひ遊んでみてください。そして、私の記録をぜひ超えてみてください。
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このゲームを作って下さったtest(仮)さんに、特別の感謝をささげます。
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