以上。
森を燃やしている。
水色の炎
黄色の炎
桃色の炎
カラフルで楽しい。
鼻歌を歌いながら、どんどんと燃やす。
生き物たちの悲鳴が聞こえる。
火災旋風が発生したようだ。
スキップをする。
頭の上で手を叩く。
腹の底から大きな声を出す。
時々笑い声になったり、韻を踏んでみたり、適当なメロディを付けてみたりする。
海岸に辿り着く。
海の中の鯨を、イルカを、魚たちを全てガソリンに変えて炎をつける。
海岸で身を潜めていた幾人かの乳飲み子を抱えた女性たちが、炎に包まれながら私を罵倒し海に次々と消える。
地面が激しく揺れる。
大量の隕石が次々と降ってきているようだ。
なんて良いタイミング。
追いかけるように地震、地割れ、火山噴火、噴石も次々と繰り広がる。
「ふう」
左肩と腹の中心を隕石が貫通し、右足から全身に火が燃え広がる。
「どうしてこんなことをしたんだ」
そう聞いてくる奴がいるかもしれない。
「魔法の力は、人々の日々に幸福を生み出すためにあるはずだ」
そんなことを言う奴もいるかもしれない。
「・・・」
何か言おうとしたが、喉がただれて何も声が出なかった。
そうしてこの星は虹色の炎に包まれ、新たな銀河系の核として100億年、数多の星の命を見守り続けた。
時間の中に隠された香りを見いだせない人々への祈りを込めたタイム・レポート。皆様の最後の瞬間に、ささやかな虹色の光が降り注ぎますように。
以上。