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「運命のふたり」から学ぶタイの占星術

邦題:運命のふたり
原題:บุพเพสันนิวาส(ブッペーサンニワート)
英題:Love Destiny


あらすじ

現代で交通事故にあってしまった考古学者は、魂が300年前のアユタヤ時代に飛ばされ、高貴な女性の体に入ってしまう。体の持ち主は元々極悪な性格で、周りの人たちから嫌われている存在だった。
周囲の不信を解消しながら、少しずつ魅了していく。

ドラマの中で、占星術を使うシーンが2度あります。
これは、ドラマにも出てくる当時の王「ナライ王」の教師でもある占星術師の「ホーラーティボディ」によって行われます。
当時から占星術は人気のある伝統であり、人生の指針を導き出すための方法とされています。

タイの占星術

タイの占星術は「ホーラーサート」と呼ばれ、現在行われている占いの中でも一番古く、人気があるものとされています。
占星術は天体の動きを観察し、読み解くものですが、タイのホーラーサートはそこから個人の生年月日や出生時刻と場所も使います。

占星術の歴史

アニミズムを実践していた古代タイの人々は、自然に頼って予測をしていました。月の周期や自然界の前兆、動物や葉っぱなどを観察し、そこからメッセージを解読していました。

次にヒンドゥー教や仏教が入ってきます。
太陽暦や惑星の信仰が伝わり、星の動きを追跡できるようになります。
これにより、王室の人々は占星術師に星の読みを使って収穫量や天候、収穫時期や国家儀式、戦争など、あらゆる重大イベントの吉日を決めてきました。

アユタヤ時代に入るとドラマにも登場する「ホーラーティボディ」の登場です。
一説によると、当時の王はホーラーティボディの能力を試すために、ボウルの下に1匹ネズミを隠し、中に何が入っているか当てさせました。
「4匹のネズミ」と答えたホーラーティボディを見て王は間違ってると思いボウルを持ち上げると、妊娠中のネズミが3匹のネズミを出産しており、4匹になっていた、という話があるそうです。
王に信頼されていたホーラーティボディは、多くの宗教儀式を監督していたそうです。

ラッタナコーシン時代のラーマ4世は、天文学と占星術に関心を持ち、自ら誕生日占いの公式を考えました。ラーマ4世の導き出した占いの結果は、絶望や喜びとして受け取るのではなく、慎重に、かつ賢明に行動することを促すものでした。この考え方は、占星術の信仰の中心にもなりました。

現代の占星術

他国の影響を受けながら、様々な技法や伝統が生み出され、占いは今タイで盛んに行われています。
よく路上の隅で占い師が座っているのを見かけますが、学生や会社員が仕事や恋愛、結婚式の日にちや子供の名前まで、幅広く相談をしているようです。
また、昔と同様に、王室や裁判所にも占星術師が就いており、重要な意思決定のための判断材料としても用いられています。

実際5年前に行われてた王の戴冠式に向けた重要な儀式として、占星術師が王のホロスコープを作成したというニュースを見つけました。
https://sg.news.yahoo.com/royal-astrologer-casts-thai-kings-horoscope-ahead-coronation-112446163.html

ただ、記事にもある通り、占星術は個人の誕生に関する詳細に基づいて惑星の配置を示していることから、占いの結果や解釈は公表されていないようです。

ちなみにタイでは自身が生まれた曜日を大事にしています。
曜日ごとに決められた仏像にお祈りしたり、曜日色に合わせた色の服を着たりします。
またの機会にタイ人が大事にする曜日について書いてみようと思います。
ご一読いただきありがとうございました。

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