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「運命のふたり」から学ぶクラビー・クラボーン

邦題:運命のふたり
原題:บุพเพสันนิวาส(ブッペーサンニワート)
英題:Love Destiny


あらすじ

現代で交通事故にあってしまった考古学者は、魂が300年前のアユタヤ時代に飛ばされ、高貴な女性の体に入ってしまう。体の持ち主は元々極悪な性格で、周りの人たちから嫌われている存在だった。
周囲の不信を解消しながら、少しずつ魅了していく。

お話の中で、男性たちが剣を使って戦いの練習を行っているシーンがあります。
タイの伝統的武術であるクラビー・クラボーンについて書いてみました。

クラビー・クラボーンとは

古くからタイの伝統文化となったこの武道は、剣や槍などの武器を使いながら、格闘技も行います。
タイの人々にとって、精神とたくましさを体現するこの格闘技は、国の遺産であり、誇りの象徴とされています。
お祭りや王室の儀式やイベントにおいて実践されることも多く、単なるパフォーマンスというより、歴史的な戦士の伝統を尊重して文化的アイデンティティを示すものとされています。

ちなみに名前の「Krabi(クラビー)」は剣、「Krabong(クラボーン)」は棒を意味します。

クラビー・クラボーンの歴史

タイの古代シャム王国で戦士たちが戦場や自己防衛のために取り入れた格闘技術だとされています。
特にナレースワン王はビルマとの闘い時にこの技術を取り入れたとされています。

元々戦争のために開発され、兵士や貴族によって実践された武道でしたが、タイ王国が進化するにつれ、少しずつ伝統文化として発展していきます。
特にラーマ4世やラーマ5世は祝賀行事にクラビー・クラボーンの演技を取り入れたり、大会の支援をしたりなど、さらに推進されたようです。

その後人気は衰えてしまったようですが、伝統を守るために学校の授業で実践されるようになり、1975年以降は体育教育カリキュラムとして組み込まれたそうです。
今でも実践されている学校はあるみたいですね。

クラビー・クラボーンの技術と武器

素早さや正確性、パワーなどのテクニックが求められます。
また、武器での攻撃や徒手格闘をいったりきたりするので、流動的な動きが重要視されます。さらには防御、素早い足さばき、そして距離とタイミングを計った戦略的な動きも大切です。

武器も色んなものがあり、名前の由来となった剣と棒に加え、「ダーブ」(片刃の剣)、「ンガオ」(槍)、「マイ・ソクサン」(二本の棒)などがあります。

現代におけるクラビー・クラボーン

国の宝として残されているこの文化は、今や学校や大学、訓練センターなどで実践されています。
また、クラビー・クラボーンの技術はムエタイなど他の武道の発展にも寄与したそうです。
海外でも武道愛好者などに好まれ、他国でも実践されるようになり、
もちろんエンターテインメントの分野にも広がり、文化祭や儀式、映画や演劇などにおいても広がっているそうです。

タイといえばムエタイ、という勝手なイメージがあったのですが、
「運命のふたり」を通してこの武術を知れてよかったです。
バンコク市内でもムエタイ体験は人気ですが、クラビー・クラボーン体験もやっているので、ぜひ訪れてみてください。
こういうところ→https://www.kkday.com/ja/product/156719

ご一読いただきありがとうございました。

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