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「旅にでるときは外付けの胃袋があったらいいのに」といつも思っていた
由布院に行きました。
「特急ゆふ」で行き、帰りは「ゆふいんの森号」で日帰り旅行。
車で行くには冬の由布院は危険すぎる(道路凍結!)ので。
JRで「ランチ、温泉つき」の切符を買っていきました。
駅を降りたらあいにくの小雨。
しばらく歩いたけれど止みそうにないので「とりあえずの美術館」に飛び込みました。
外からワンコが見える「comico art museum」でした。
草間弥生、村上隆、奈良美智などなど、展示数は多くないけれど、ゆっくり楽しめる美術館。
最近はスマホが使えたり、解説もQR コードで読んだりするので、慣れない部分もあったけど。
それでも、大好きな奈良美智さんのワンコを戸外で見ただけでも、とても幸せな気分になれました。
あと、スマホ使えるってのはやっぱり大きいと思う。
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このあたりでちょうど時間もよくなり、湯の坪街道付近の大正時代から続く旅館でお昼をいただきました。
「個室もありますよ」と言われ、個室を予約。
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加えて、その場で炊いてくださった「ちりめんごはん」(おこげが絶品!)おダシがおいしいおそば、手作りプリンなどなど。
もう動けないほどおなかいぱーいになって、それから露天風呂に入りました。
露天は、お湯の温度はかなり熱くて、しんからぽかぽかに。
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その後、3Dアートミュージアムにも行ってみました。
ここは体験型でけっこう遊べました。若い人たちの方が上手にポージングしてて、すごいなあと思った。
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さて、このあと、少しばかり悔しい思いをすることになってしまいます。
金鱗湖あたりに出向き、亀の井の「天井桟敷」でアップルパイでも食べたかったのですが、おなかがいっぱいすぎて1ミリも入る余地がなかったのです。
ああ、食べたかった。
おいしそうなわらび餅とか、レモネードとか、湯の坪街道には誘惑がいっぱいなのに。
金賞コロッケを買って帰りの列車で食べようと思ったけれど、金賞コロッケは20人ほどの行列で、それもあっさりあきらめる。
「おなかいっぱいすぎて」食べ物に対する貪欲さが悔しいくらいに失せてしまってたのです。
帰路は夕方の「ゆふいんの森号」。
久しぶりの「ゆふいんの森号」は、変わらず素敵な列車でした。
車窓の風景も、車内を自由に動ける雰囲気も。
そしてスマホで記念撮影もしてくれました。
本当はビュッフェでいろいろ買いたかった。
でも結局「日田天領水のお茶」を買って、湯の坪街道で買った「名もなきコロッケ」と「高菜饅頭」を口に入れる。それはそれでおいしかったけれど。
本当はもっともっと、いろんなものを買い食いしたかったのです。
「おなかは満腹なのに、もっと食べたいという気持ち」を、旅をするたびに味わっているような気がします。
ビジネスホテルに帰ったあとに1ミリも動けなかった、大阪でくいだおれたわたし。
寺泊漁港で、食べたくてたまらなかったのに、おなかいっぱいで手が出なかった「のどぐろの塩焼き」。
旅は一期一会。その中で、泣く泣く出会いをあきらめた食べ物たちがたくさんあります。
旅に出るたびに思います。
旅行のときは「外付けの胃袋」がもうひとつあったらいいのに。
保険外診療でもいいから、胃袋パウチを設置できればいいのに。
未来には、そういうのも可能になるのかもしれません。
でも。
悔しい気持ちで「次こそ絶対に食べよう」と思うのもまた、旅のモチベーションなのかもしれません。