20歳のおまえよ【#聞いてよ20歳】
20歳のおまえよ
おまえは故郷をはなれた一人暮らしでわかりやすくホームシックになっているだろう。「俺は大学やめて料理人になる」などと友達に電話していることだろう。
20歳のおまえよ
おまえは遠距離恋愛の彼女とわかりやすく別れ、わかりやすく引きずり、わかりやすくサプライズで会いにいくだろう。
20歳のおまえよ
おまえはこれからできる彼女に浮かれ、学校に行かなくてなり単位を落としまくるだろう。
20歳のおまえよ
おまえはやれやれが頭の中の口癖で、大学のベンチで村上春樹ばかり読んでいるだろう。
20歳のおまえよ
おまえはコピーライターになりたいと願い、クリエイティブという横文字を盾に就職活動をする友だちを下に見るだろう。
20歳のおまえよ
おまえは実力もなく大した努力もしないのに、肥大した自尊心とそれを守るための詭弁ばかり振りかざすだろう。
20歳のおまえよ
おまえはダサく惨めで、おまえが望んだとおりの未来はやってこないだろう。
20歳のおまえよ
そのまま進め。
20歳のおまえよ
ありがとう。
20歳のおまえがダサく惨めだったおかげで、今の俺はそれなりに幸せにやっているよ。望んだとおりじゃなくても望んだ以上の未来になっていると思うこともある。1行の言葉で人を驚かすことはできないけど、1万字の文章を書くことに無情のよろこびを感じるようになったよ。
20歳のおまえよ
だから、そのまま進め。
ダサく惨めなまま進め。
好きなことを見つけ、好きな人を見つけろ。好きじゃなくなったらやめていい、忘れてもいい。ただ、好きじゃないものを好きだというのだけはやめろ。魂がすり減るぞ。
20歳のおまえよ
10歳のおまえに何と言う? やっぱりありがとうじゃないか。人の人生じゃなく、自分の人生を生きろ。そうすればどんな結果であろうと昔の自分に感謝できる。
自分の人生を生きるためのルールはひとつ。他人のせいにしないことだ。誰かを頼るのも、影響されるのもいい。でも、最後は自分で決めたと自覚しろ。覚悟しろ。他人のせいにするのは自分を守ることじゃない。自分を売り渡すことだ。
20歳のおまえよ
最後のいちばんだいじなことを言っておく。上に書いてあることなんて読むな、聞くな、忘れろ。忘れて寝ろ。
ただ、歯は磨けよ。
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このnoteは仲さんのサークル「noteの休日」で知った、きゆかさんの企画に参加するために書いたものです。
【応募締切】2020年2月9日~3月9日 日本時間23:59