もらった分は誰かに返そう
業務効率化を目指して、どうしても流れを自動化をしたかったことたあった。それは、「クイズに答えてもらい、正解したら、自動的に証明書が発行される」、という流れ。
これまで、とある仕事で、クイズの正誤を目視で確認し、正解者の名前を手動で入れた証明書を発行し、メールで送信する、という流れをやっていた。
どう考えても時間がかかるし、実は頭もあまり使わない。
いわゆる時間だけがかかる「作業」。
どうしても勿体なく感じて、これをどうにか効率化出来ないかと(しかも色々な理由から無料のツールを使って)考えた。色んな方法を必死で考えて、ネットでも調べて、本当に考えられる方法を取ってみた。
でも、プログラミングが出来ない、超素人な私には限界があった。
やっぱり、有料の何かにしないと無理なのかなー、と思いつつ、諦めきれなかった。
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以前、勤めていた会社で、社内MBAのプログラムに参加したことがある。
そこで、会社の経営課題を解決するような新規提案を作ったりという課題をやっていた。
その時、チームでどうしてもやりたかった提案があったが、どう考えても実現可能な良い案が出来ず、半ばあきらめかけて、本当にやりたかったことの6割位の達成度で落ち着こうとしていた。
本当の提案としては、若干新規性に欠けるし、抜けてるポイントがあるんだよな、と思いつつ、
夜な夜な会議しすぎてボロボロだったチームでは、
俺たちよくやったよなー。
もう、これが限界なのかも。
という諦めムードがあった。
そのMBAは、会社の経営層に自由にアポイントを取って相談に行っても良いという決まりがあり、外国人のトップに、提案を説明に行った。
その時に、やっぱり抜けているポイントを指摘されてしまった。
そこで、彼女は言った。
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あなたたち、ピカピカ新しい、画期的なことをやろうとしているわよね。
誰も考えたことがないことを、この数か月で思いつくほど、
あなたたちは素晴らしい人達(brilliant)なの?
あなたたちが考えてきたようなことは、
世界の誰かが絶対すでに考えているわよ。
だから、それを探して、真似なさい。
そこから、必要なアレンジをかけることでも、それは「新しいこと」よ。
あなたたちは、グローバル企業に勤めているのよ。
世界中に社員がいる。
そのネットワークを使いなさい。
必ず、誰かがすでに考えているわよ。
それを日本版にアレンジすることでも、「新しい」わよ。
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目からうろこだった。
まさか、トップから、「真似なさい」と言われるとは思わず。
確かに、新企画といっても、私たちの知識・経験なんてまだまだ浅い。
きっと、私たちがやりたいと思っていることくらい、誰かが考えている。
それを聞いて、チームでありとあらゆるネットワークを使い、色んな人の力を借りて知り合いを辿って行ったり、イントラネットの記事を漁ってみた。
ドイツも米国も、色んな国の社員に打診をして、「真似できる事例」を探した結果、米国のロスアンゼルスの1つの小さなローカルの事業所で、私たちがやりたいことをやっているところを発見した。
そこの担当者に突然日本から連絡をして(相当驚かれた)、またそこから色んな人に繋げてもらって、真似られるベースの案を見つけ出し、
そこから、日本流にアレンジをかけて
ギリギリになって、ようやく企画を完成させ、発表した。
出来た企画は、実例がある等から実現可能性の面でもしっかりとしたロジックが立てられて、
結果的に、社長にも褒められる案となった。
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この経験があるから、今回もまた、前例を探してみた。
このコロナの時期、同じことを考える人はいるはず、と。
そして、「クイズに答えてもらい、正解したら、自動的に証明書が発行される」という流れのプログラムを公開しているサイトを発見した。
でも、次のハードルはプログラミング。
以前、勤めていた時も数字とプログラミング系の会話が苦手で知られた私。
知り合いにプログラミングに詳しい人はおらず、誰に聞いても「無理じゃない?」と言われ、ここでまた諦めかけていたところ、ふと以前の会社のあるチームメンバーの存在を思い出した。
いつも、いつも、チームがピンチの時にさりげなく助けてくれた彼。
プログラミング系の仕事の担当なのに、垣根を越えて助けてくれた。
そして、私の数字苦手な不出来も笑って、根気よく教えてくれた。
うーーーん、でももう退職して数年経過してるし・・・
Facebookで繋がってはいるけれど・・・
負担をかけるのも申し訳ないし・・・
謝礼出せるわけでもないし・・・
と、これまた自分で出来る案はないかと悩むこと数週間 → 長い💦。
でも、一念発起して、勇気を出して、彼に連絡して、公開されていたプログラミングのサイトを送り、「これって、解読できるもの??」と相談したところ、
「いいっすよ。ちょっと試しに作ってみますね」
と、「おー、お久しぶり」とか「どうしてるんですか?」とか「何に使うんですか?」とか、全くなく、拍子抜けする位あっさりと返信があった。
そして、数日後には「できました~」と連絡があり、
理想通りの、素晴らしいものができあがってきた。
さらに、仕組み等を説明するのに対面の方がやりやすいから、と週末に時間をくれて、本当に素人にも分かるように、懇切丁寧に説明してくれた。
そして、「お礼なんていらない」という彼に無理やりビール1杯を驕っただけで「また困ったら言ってください~」とさわやかに帰って行った。
退職したの先輩から連絡きたらイヤかな(先輩って思ってなかったと思うけど)。どう思うかな。
なんて、私が不安に思っていたなんて、きっと全く気づかなかったと思う。
それくらい、フツーに助けてくれた。
業務効率化が進んだことも嬉しいけれど。
諦めずにやれば出来ることを再度体現できたこと。
どれだけ年数がたっても、こうやって頼ると答えてくれる人がいること。
なんだか、ほんとに、やったことはちょこっとした業務効率化で、たぶん誰にも気づかれないこととは思うし、
プログラミングやってる人にとって見たら簡単なことなのかもだけれど、
妙に涙が出るくらい感動したし、
沢山の時間を、私みたいな人のために、
惜しみなく割いてくれた彼に、感謝しかない。
仕事が変わると消える関係も多い中、
そうじゃなかったんだ、と思えてうれしかった。
そして、あー、今後も一緒に仕事したいと思われる人ってこういう人なんだよな、としみじみ。
感謝の気持ちでいっぱいです。
もらった分、誰かに返そう。
今日は良い日だ。